ジヴェルニーの食卓 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
先日マハさんの「モネのあしあと」を読み終え、クロード•モネに興味を持ち、数多くある積読の中から探した本書「ジヴェルニーの食卓」。 探してはみたが、見つからない。 そう、マハさんの作品はほとんどを持っているにもかかわらず本作は持っていませんでした。 となれば、買うしかないですよね。 ということで購入後の一気読みです。 本作はモネ以外にマティス、ピカソ、ドガ、セザンヌといった巨匠に関する4編の短編がおさめられています。 先に「モネのあしあと」を読んでおいてよかったぁ。 それぞれの物語で主人公として描かれるのは巨匠たちの側にいる女性たち。 なぜなら、それは私の化身だからです。 憧れている画家たちについて書くからには、私自身がその人に自己投影できる存在にしたかった。 (モネのあしあとよりP 112) 「リボルバー」もそうでしたよね。 確かに誰が、いつ、どこで、どの絵を描いた等は歴史を紐解けばある程度はわかってくるでしょう。 でも、その時代に生きた人々が何を感じ、何を思い、生きていたのかまではわからない。 史実に加えられたマハさんなりの妄想かも知れませんが、マハさんがいかに彼等を愛しているかが伝わってきます。 近年、ようやくアートというものに興味を持ちはじめたとはいえ、それはいわゆる現代アートと呼ばれるもので、無知故に絵画に対する知識もなければ正直なところ興味もありませんでした。 「モネのあしあと」の感想にも書きましたが、間違いなく興味を持ち始めている自分がいます。 きっかけは間違いなくマハさんの「風神雷神」や「リボルバー」等の作品。 コロナ禍で思うように行くことは出来ませんが、今まで興味のなかった美術館巡りをしたくてウズウズ。 落ち着いたら必ず行こうと改めて思いました。 説明 内容紹介 印象派の巨匠4人の美の謎を色鮮やかに描き出した短編集。 モネ、マティス、ドガ、セザンヌという4人の印象派の巨匠たちの、創作の秘密と人生を鮮やかに切り取った短編集。ジヴェルニーに移り住み、青空の下で庭の風景を描き続けたクロード・モネ。その傍には義理の娘、ブランシュがいた。身を持ち崩したパトロン一家を引き取り、制作を続けた彼の目には何が映っていたのか。(「ジヴェルニーの食卓」) 語り手は画家の身近にいた女性たち。美術史や評伝から見えてこない画家の素顔や心情が、キュレーターの経験がある作家の想像力によって色鮮やかによみがえる。 目次 うつくしい墓 エトワール タンギー爺さん ジウェルニーの食卓 内容(「BOOK」データベースより) ジヴェルニーに移り住み、青空の下で庭の風景を描き続けたクロード・モネ。その傍には義理の娘、ブランシュがいた。身を持ち崩したパトロン一家を引き取り、制作を続けた彼の目には何が映っていたのか。(「ジヴェルニーの食卓」)新しい美を求め、時代を切り拓いた芸術家の人生が色鮮やかに蘇る。マティス、ピカソ、ドガ、セザンヌら印象派たちの、葛藤と作品への真摯な姿を描いた四つの物語。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 原田/マハ 1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部および早稲田大学第二文学部卒業。2005年「カフーを待ちわびて」で第1回日本ラブストーリー大賞を受賞し作家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で第25回山本周五郎賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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「ジヴェルニーの食卓」だけの本かと思いきや、4編からなる短編小説集だった。モネの話がやっぱり一番好きだと思った。タンギー爺さんは、たゆたえども沈まずにもちょこっと出てきて親近感湧いた。 創作ではあるので、史実と異なる部分も多いのかもしれないけど、小説での話のやり取りとか、心情の描...
「ジヴェルニーの食卓」だけの本かと思いきや、4編からなる短編小説集だった。モネの話がやっぱり一番好きだと思った。タンギー爺さんは、たゆたえども沈まずにもちょこっと出てきて親近感湧いた。 創作ではあるので、史実と異なる部分も多いのかもしれないけど、小説での話のやり取りとか、心情の描写とか、色々と想像を膨らませながら読むととても楽しい。いつかジヴェルニーに行きたい!
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陽の光を浴びて、親しい人と食卓を囲み、美しい花たちに囲まれるしあわせ アトリエや庭の情景がぱっと頭の中に浮かんできた
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メトロポリタン美術館展への行きと帰りの電車の中で読んだのでストーリーが一層鮮明に感じられた。中編で長さが程よく読みやすい。
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ジヴェルニーの食卓は、モネ、義理の娘ブランシュから見たモネが描かれている。 うつくしい墓は、マティス、マリアの目線で書かれている。 エトワールは、ドガ、彫刻「14歳の小さな踊り子」の作製された当時の様子がカサット夫人の目を通して書かれている。 タンギー爺さんは、セザンヌ タンギー...
ジヴェルニーの食卓は、モネ、義理の娘ブランシュから見たモネが描かれている。 うつくしい墓は、マティス、マリアの目線で書かれている。 エトワールは、ドガ、彫刻「14歳の小さな踊り子」の作製された当時の様子がカサット夫人の目を通して書かれている。 タンギー爺さんは、セザンヌ タンギー爺さんの娘から、セザンヌへの手紙という形で、当時の印象派の画家たちを含めた様子が書かれている。タンギー爺さんの肖像画はゴッホが描いた。
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マティス、ドガ、セザンヌ、モネ。4人の印象派画家と巨匠たちを支えた4人の女性の短編集。 私は原田マハさんのアート小説が大好きです。 美術が全く分からなくても、原田さんのアート小説を読むと美術館巡りしたくなるほど、美術の良さを存分に引き出す小説を多く書いてます。 さて、今回は印象...
マティス、ドガ、セザンヌ、モネ。4人の印象派画家と巨匠たちを支えた4人の女性の短編集。 私は原田マハさんのアート小説が大好きです。 美術が全く分からなくても、原田さんのアート小説を読むと美術館巡りしたくなるほど、美術の良さを存分に引き出す小説を多く書いてます。 さて、今回は印象派画家4人の物語。 フィクションを織り交ぜつつ史実に沿っているので、読み応えがあります。 多くの作品が出てくるので、スマホ片手に絵を検索しながら読み進めるのがおすすめです! タイトルにもなってるジヴェルニーの食卓では、たくさんの美味しそうな食べ物たくさん出てきます。 フランス料理、挑戦したくなります。
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アンリ・マティス、エドガー・ドガ、ポール・セザンヌ、クロード・モネ、 芸術家四人の人生をその側で見守っていた女性達の視点から 描かれた4つの物語が描かれています。 モネは有名なので代表的な作品は知っていますが、 その他のことは殆ど知らず、マティス、ドガ、セザンヌに関しては名前...
アンリ・マティス、エドガー・ドガ、ポール・セザンヌ、クロード・モネ、 芸術家四人の人生をその側で見守っていた女性達の視点から 描かれた4つの物語が描かれています。 モネは有名なので代表的な作品は知っていますが、 その他のことは殆ど知らず、マティス、ドガ、セザンヌに関しては名前も作品も全然知らないというお粗末な具合で読み進めていましたが、それぞれの人物がどんな生き方をしながら作品に意欲を持ちながら芸術品をが生み出されたのかというのが目の前で見ているかのように描き出されていたのが とても分かりやすくて良かったです。 どの芸術家も作品を生み出すまでのパワーや 作品に対しての熱量が想像以上に強くて、 その強さにも圧倒された気がしました。 その側でいつも支えている女性がいますが、 彼女たちもまた美術が大好きでそれ以上に芸術に対しても誰よりも好きでいることがとても凄いことだと思いました。 誰よりも側で色々な事をして支えているにも関わらず、 自分の思い通りにならないことが多くあることが とても切ない心にさせられました。 表題に書かれているように、 個々の作品を絵画の一部を切り取ったかのように 描かれていてまるで美術品をゆっくりと見ているかのように移ろいながら読めたところが優雅な気分にもなれました。 印象的な作品はタイトルにもなっている「ジヴェルニーの食卓」です。 モネといったら代表的な作品として睡蓮があります。 この睡蓮を描き出された経緯を思うと、 また絵画を見る着眼点も変わってくると思います。 それと同時に食通なモネの食堂の美味しそうな料理の数々や黄色で塗られた食堂などと芸術とは関連が無さそうな所でも何処かで関連性があるものが感じられたのが良かったです。 芸術に関して原田さんの美術ミステリーを読むようになってから 少し関心を持つようになったくらいで殆ど知識が無いですが、 このような作品を読むと美術品に対しても興味を持つと同時に、 芸術家としての人生もとても興味を持つことが出来て 新しい読書の楽しみ方が出来ました。 フィクションでありながらここまでの物語が 出来るというのは、美術を良く知っている原田さんだからこそここまで出来るのだと思うので、 今後もこのような作品が読めるのを楽しみにしたいと思います。 そしてまたこのような作品を読むと美術館に行きたくなりました。
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再読 マティス、ドガ、セザンヌ、モネ、より深く作品を鑑賞できるような気がします。巨匠達が血の通った確かに存在していたんだって事を改めて気づかせてくれました。 以前までモネは何となく白いひげで華奢なおじいちゃん的な姿を想像していましたが、実際の写真を見るとガッチリした包容力のあ...
再読 マティス、ドガ、セザンヌ、モネ、より深く作品を鑑賞できるような気がします。巨匠達が血の通った確かに存在していたんだって事を改めて気づかせてくれました。 以前までモネは何となく白いひげで華奢なおじいちゃん的な姿を想像していましたが、実際の写真を見るとガッチリした包容力のありそうな姿。今作でも感じた溢れ出る父性と包み込まれる安心感を感じました。こんなふうにイメージが覆されていくのも楽しいなって思いました。
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印象派の画家と共に生きた人たちの短編集。絵画の世界に入り込んだような心地よい余韻に浸れる。史実を元に、胸が熱く、でも最後はほろりと切なくなる物語となっているのが原田ハマさんのすごさ。巨匠たちの人間性に触れ、絵をまた違う視点で楽しめそうです。
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史実をもとにしてるのに堅苦しくなくてすごく感情移入できる。美術館が好きだから、知ってるワードや作品や交友関係が出てきて楽しかった!
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