ジヴェルニーの食卓 の商品レビュー
正直、ちょっと絵画が好き!くらいの私には難しい話もあった。 ただ、絵画を思い浮かべながら読み進めていくと画家や周りの人々の熱い思いが活き活きと伝わってくる。 美術館に行きたい。作品が描かれた経緯や画家の情熱に思いを馳せながら鑑賞したくなる本だった。
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印象派の画家たちの、作品への想いと苦悩や人間模様を、 近しい位置にいた女性たちの視点で描く、4つの物語。 うつくしい墓・・・マティスの家政婦になったマリアの回顧。 近くで仕えたからこそ知る、画家の芸術への想いと友情。 エトワール・・・メアリーカサットとポール・デュラン=リュ...
印象派の画家たちの、作品への想いと苦悩や人間模様を、 近しい位置にいた女性たちの視点で描く、4つの物語。 うつくしい墓・・・マティスの家政婦になったマリアの回顧。 近くで仕えたからこそ知る、画家の芸術への想いと友情。 エトワール・・・メアリーカサットとポール・デュラン=リュエルの 回顧はドガの作品。踊り子の像のモデルとなった少女とは。 タンギー爺さん・・・タンギー親父の娘がセザンヌに送った手紙。 恨みつらみは共感、真の信愛へ。父の想いを書き綴り、願う。 「あなたのお帰りを、待ち続けています。」 ジヴェルニーの食卓・・・義理の娘ブランシュが助手として長年 見つめ続けるモネの背中。大作「睡蓮装飾画」への道程。 主な参考資料、協力一覧有り。 創作とは思えないほど、生に満ちた女性たちが語る、画家の姿。 その出会い。知ってしまった、画家の芸術への真摯な想いと 様々な感情。描く色彩と光に捉われた、女性たちもまた、想う。 マグノリアの花を抱え、マティスに仕え、残る生涯を 行くべきところで、彼の魂に仕える、マリア。 ドガの死後、再び出会った少女像。思い出すのはモデルの少女の 涙と同様に、届かぬ星があることを知った、メアリーの悲嘆。 理解者である父、タンギー親父はなくなったけれど、 あなたを待つ人たちがいる。リンゴ一つでパリをあっと 言わせる日がくると、セザンヌに綴る、タンギーの娘。 あの目に写る『先生のアトリエ』とその背中。モネが慈しんだ 二つの家族と思い出を胸に、母アリスのレシピと共に、 理想郷ジヴェルニーで彼の画業を支える、義理の娘ブランシュ。 画家たちは主人公ではないけれど、近しい彼女たちに 語られることによって、その時代の風潮のなかでの苦難、 自らが求める芸術への真摯な道程、そして生活や友情等が くっきりと浮かび上がってくる作品に仕上がっています。 それぞれの画家とその作品への導きにもなっているなぁと、 感じました。
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原田マハさんの作品は初めてやったけど こんなにイキイキと実在した芸術家のこと 書けるのすごいなと思った。 印象派大好きやから、全部の話大好き。 はー美術館行きたい〜
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◯うつくしい墓 アンリ•マティスの目線。美のひらめき、ひとめぼれの瞬間。すべてのものには、そこにある理由がある。マグノリアのマリアがマティスに尽くし、マダムに尽くすその献身さやマリアの目を通したマティスの芸術家としての姿が美しいと思った。 ◯エトワール ドガの痛々しいほどに芸術...
◯うつくしい墓 アンリ•マティスの目線。美のひらめき、ひとめぼれの瞬間。すべてのものには、そこにある理由がある。マグノリアのマリアがマティスに尽くし、マダムに尽くすその献身さやマリアの目を通したマティスの芸術家としての姿が美しいと思った。 ◯エトワール ドガの痛々しいほどに芸術を追い求める姿勢とマリーを大切に思う気持ち、メアリーの葛藤が心に伝わってきた。 ◯タンギー爺さん 若者の未来を信じ、どこまでも朗らかに画家や作品を我が子のように愛し続けたその生き方に胸が熱くなった。セザンヌの支えであり続けたのだろう。 ◯ジヴェルニーの食卓 アリスとブランシェとモネ、その家族皆に起こる数奇な運命。家族の在り方や絆についても考えさせられた。「••辻馬車には帰ってもらったよ」互いの幸せを思い、離れて暮らすことを決意したこの家族が、ひとつの家族として歩むことを決めたこの場面には、涙腺が緩んだ。 芸術家の苦労や苦悩に満ちた人生。遠い人のようでも同じところもある。その時代には、芸術として認めらたりなかったりしても、夢を追い、ひたむきに生きる姿は誰だってそう。 原田マハさん2作目だか、史実に基づいたフィクションは歴史や作品への興味を駆り立てる。続けて読んでいきたいし、作品を見たり詳しくなったりしていきたい。
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ジヴェルニーの食卓は中盤までがゆったりすぎて途中で止まってしまったけど終盤に差し掛かった途端面白くて速攻読み終えた。モネとブランシュの師弟(親子?)愛、モネとアリスのつながり、血のつながらない家族の愛、色んなあたたかさがあって最終的にとても感動した 他3作はサクサク読み進められた...
ジヴェルニーの食卓は中盤までがゆったりすぎて途中で止まってしまったけど終盤に差し掛かった途端面白くて速攻読み終えた。モネとブランシュの師弟(親子?)愛、モネとアリスのつながり、血のつながらない家族の愛、色んなあたたかさがあって最終的にとても感動した 他3作はサクサク読み進められた。物語の側面から印象派を知れたので、史実の側面からも学びたい
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第三者の目線から書かれた印象派の巨匠たちの物語。だからこそ素直に受け入れられるのだと思う。特に義理の娘ブランシュ目線から語られるモネの物語は、今までで1番モネという人物が近くに魅力的に感じられる話だった。 オランジュリー博物館に行きたい、、、
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モネ、マティス、ピカソ、ドガ、セザンヌらの四つの物語。ジヴェルニーに行ってみたくなる。 白内障を克服して描くモネに感動。
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「うつくしい墓」と表題作「ジヴェルニーの食卓」がおもしろかった。なんでもこつこつと自分だけを信じて描き続ける人がなにかを成し遂げるんだなあ。花や料理のキラキラした感じ、風が通り過ぎるかんじ、冷たさと爽やかさと陽だまりみたいなあったかさが良かった。
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原田マハさんの小説にやはりハズレなし。より好きかどうかってのはあるけれど、やはりハズレなし。 4人の画家を、それを支える、見守る人間の視点から描いた短編集。画家自体も魅力的に描かれているけど、語り手の芸術家と芸術自体への献身を描いてるような小説でした。 私からしたら、その献身...
原田マハさんの小説にやはりハズレなし。より好きかどうかってのはあるけれど、やはりハズレなし。 4人の画家を、それを支える、見守る人間の視点から描いた短編集。画家自体も魅力的に描かれているけど、語り手の芸術家と芸術自体への献身を描いてるような小説でした。 私からしたら、その献身の凄まじさは「そ、そんなにも!?」て感じなのですが、そもそも美術の美の字もまともに知らず、画家の名前が出てくるたびに「セザンヌのリンゴってどんなん……」とか思いながらスマホで検索しちゃってる私と、目に映ったものを簡単に記録することなんてできず、今目にした絵画ももしかしたら人生でもう二度とはお目にかかれないかもしれない……そういう時代を生きている彼らとじゃ、そもそもまるで違うものが見えてるだろうしなあ。なんて。 表題作「ジヴェルニーの食卓」もぐっとくるものがあったけど、「エトワール」が印象的でした。 物語の中で、ドガは14歳の少女と自分を重ね合わせてるかもしれないけれど、彼女は生きている間闘い続けるなんてこと考えてもなくて、普通の女の子なんじゃないの?エトワールにはなりたいと思いながら、そういった切望や野心より初恋が勝っちゃう程度には。 いやーまさにドガの周囲を置き去りにした見事な妄執って感じがして、薄っぺらい私はあっさり、猟奇的だの変態だの言われてるこの作品の真髄を見たって気になってしまいました。 マハさんの積読がまだあるんですが、読書記録がマハさん一色になってしまいそうなので、次は違う作家さんを読もうかなーと思案中。
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マハさんの物語はフィクションだと分かっていても実話だったらいいなと思うものばかり。 今以上に女性の自由がなかった時代に修道女になったマティスの家政婦やモネの義理の娘の、慎ましくも自分で人生を決断していく姿がかっこいいし、時間はかかったけどタンギー爺さんの芸術家への愛が娘に伝わる瞬...
マハさんの物語はフィクションだと分かっていても実話だったらいいなと思うものばかり。 今以上に女性の自由がなかった時代に修道女になったマティスの家政婦やモネの義理の娘の、慎ましくも自分で人生を決断していく姿がかっこいいし、時間はかかったけどタンギー爺さんの芸術家への愛が娘に伝わる瞬間は感動的。ドガと対等に付き合いながら、それが正しいかは分からないけど女性として少女に向き合うメアリーもかっこよかった。
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