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現代世界と日蓮 の商品レビュー

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2018/05/17

序章から終章まで、ゆるぎないものが編集方針にあり、各論ともユニークで読み応えのある論文集だった。 ・文化・文政年間頃から講組織が飛躍的に伸び、幕末まで全盛期で、天保年間には幕府から取り締まりを受けるほどで、教義問題が大変やかましく、日蓮本仏論などがもてはやされた。 ・佐藤弘男の...

序章から終章まで、ゆるぎないものが編集方針にあり、各論ともユニークで読み応えのある論文集だった。 ・文化・文政年間頃から講組織が飛躍的に伸び、幕末まで全盛期で、天保年間には幕府から取り締まりを受けるほどで、教義問題が大変やかましく、日蓮本仏論などがもてはやされた。 ・佐藤弘男の安国概念における日蓮の国家観の分析。 ・日本書紀を基に八紘一宇という言葉を使い出したのは、田中智学が最初。 ・丸山真男:官僚や軍人の行動を制御しているのは、合法性の意識ではなく天皇への距離である。 ・超国家主義では、ラディカルな個人主義が全体主義へと反転する。 ・上原せんろく:多くの人がそれぞれの問いに苦しみ喘いでいるなかで、自分だけ悟達の人となるのはむしろ、堕落ではないか。 ・涅槃経に見る代受苦の思想 ・アレント:他者が他者として尊ばれる世界とは、場所なき者たち、根を絶たれた者たちが自らの場や根を持ちうる世界。公共空間と宗教の本来的課題。 ・江戸時代の在家主体の仏教において本門仏立講が果たした役割は非常に大きい。 ・日蓮の一連の文書群は「未来記」と捉えられる。 ・時令思想と日蓮 ・日本国憲法を近代の中では思想的位置づけが難しいが、近世まで視野に入れれば、自国中心の平和主義、象徴天皇制などを位置付けることができる。

Posted byブクログ