未完の計画機 の商品レビュー
最も信頼している航空宇宙評論家の一人である浜田一穂氏の著書。 B-70、TSR2、アブロ・アローという白い三大計画機に重点を置きつつ、その後によくもこれほど、というユニークな計画機の記事が続く。 マクロスの主役メカの名前で有名になったバルキリー(B-70)、アニメのストラトス...
最も信頼している航空宇宙評論家の一人である浜田一穂氏の著書。 B-70、TSR2、アブロ・アローという白い三大計画機に重点を置きつつ、その後によくもこれほど、というユニークな計画機の記事が続く。 マクロスの主役メカの名前で有名になったバルキリー(B-70)、アニメのストラトス・フォーで活躍したTSR2などは未完とはいえ有名どころ。 一応映画にはなっているが一番知られていない(自分もよく知らなかった)のはアブロ・アローかと思う。 人口1600万~1700万のカナダで15000人が航空産業に従事という1950年代のカナダの産業構造にまず驚く。そしてこれが、アローのような重厚長大な戦闘機の開発の原動力であり、かつ失敗プロジェクトの本質的な原因でもあると思う。 つまり、高性能で仕事を生み出す戦闘機を、という業界内の理論で開発が進んでしまい、本当にカナダの防衛に必要な戦闘機は何で、国土と国力に見合った防空システムはどう構築するか、というところが置き去りにされていたように感じられる。 業界内の理論で巨大プロジェクトを始めて、あとで立ち行かなくなる、というのは戦闘機開発にかぎらずよくあることなので自戒したい。
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XB-70やTSR2が好きだったので購入。知ってる機体は7割くらいでした。wiki眺めてるだけでは分からない細かなエピソードや構造などがまとまってて楽しく読めました。
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