からだ=魂のドラマ の商品レビュー
残念ながら林先生の授業を見る機会がいままでに一度もない。授業書だけでも読んでおけばいいものをいまだ手に入れていない。全集を買ってでも読んでみたい。本書を読んでそう感じた。林先生の何が魅力なのかを知りたい。まねをしたってうまく行かないと本書にも書かれている。でも、何かヒントが得られ...
残念ながら林先生の授業を見る機会がいままでに一度もない。授業書だけでも読んでおけばいいものをいまだ手に入れていない。全集を買ってでも読んでみたい。本書を読んでそう感じた。林先生の何が魅力なのかを知りたい。まねをしたってうまく行かないと本書にも書かれている。でも、何かヒントが得られるのではないかと期待してしまう。普段から、子どもたちにいかに自分のことばを伝えるかということを考えている。本来、子どもたちには好奇心が備わっている。そこをくすぐれば必ずこちらを向いてくれる。そう思う。しかし、こちらがいくらおもしろいと思って話したことでも、相手の興味にあわなければ反応はない。昔の話をしよう。10年以上前のことだ。中3のクラスで理科を受け持った。私自身、そのころ毎週公開講座に参加しており、そこで得た知識を、たぶん本当におもしろそうに、語っていた。でも全くの無反応。我慢して1年続けた。合格体験記に1人の生徒がこう書いてくれた。「理科ってけっこうおもしろいものだと思った。」それだけで1年話してきた甲斐があるというものだ。竹内先生のセミナーには参加したことがある。からだを動かして声を出す。ふっきるのが大切。ちょっとでもはずかしいという思いがあると、かえって格好悪い。林先生はもう20年近く前に亡くなられている。それより以前に話された内容だけれども、あたかも今の教育界の状況を知っていて話されているように感じる。先を見通していたのか、それともいつの時代も教育に対する思いは同じということなのだろうか。生まれたときからテレビのある家庭で暮らしてきた私たちが、親の世代になっている。子育てが変わるのは当然だろう。教育も変わっていかなければならない。最も時代の流れについていけていないのは、教育の世界なのかも知れない。しかし、一方でいつの世でもしっかり教えなければいけないことはある。それが忘れ去られていくことは防がなければならない。
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