1,800円以上の注文で送料無料

ケアのカリスマたち の商品レビュー

4.8

5件のお客様レビュー

  1. 5つ

    3

  2. 4つ

    1

  3. 3つ

    0

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2023/12/26

☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆ https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB18451907

Posted byブクログ

2020/03/26

おひとりさまを自認する上野千鶴子さんが、おひとりさまでも最後まで家で暮らせるかという疑問を抱いて臨んだ対談集。患者や利用者とは呼ばれたくない、私は当事者だと宣言する上野さんの率直な言葉の数々は、同じく独り者で子どももいないまま40代に突入した私の声でもある。患者「教育」もされたく...

おひとりさまを自認する上野千鶴子さんが、おひとりさまでも最後まで家で暮らせるかという疑問を抱いて臨んだ対談集。患者や利用者とは呼ばれたくない、私は当事者だと宣言する上野さんの率直な言葉の数々は、同じく独り者で子どももいないまま40代に突入した私の声でもある。患者「教育」もされたくないし、ましてや症例やら事例やらとは呼ばれたくない。尊厳「生」を全うしたい。 本書の対談後、上野さんは安心したという。これなら、おひとりさまでも大丈夫だと。ただ、上野さんよりも2回り以上下の世代としては、そう簡単にはうなずけない。ロスジェネと言われる我々は、貯蓄もなければ、年金も危うい。そもそも最後まで暮らせる持ち家だってない者が多い。上野さん世代とはまた異なるフェーズにいるのだ。 ただ、本書を読んで、安心したとまでは言えなくとも、希望はあると感じた。そのためには、住む地域から考えねば。

Posted byブクログ

2019/03/26

ケアのカリスマ達と上野千鶴子さんの対談形式。 一般的な対談本は、お互いに褒めあうことで、ゲストスピーカーの主張をより強固に展開していくことが多いけれど、上野さんは違う。 ゲストの意見や取組について、鋭く突っ込みその目的の本質を探ろうとする。また時に上野さん自身の主張を相手にぶつけ...

ケアのカリスマ達と上野千鶴子さんの対談形式。 一般的な対談本は、お互いに褒めあうことで、ゲストスピーカーの主張をより強固に展開していくことが多いけれど、上野さんは違う。 ゲストの意見や取組について、鋭く突っ込みその目的の本質を探ろうとする。また時に上野さん自身の主張を相手にぶつけていく。この形式はハラハラするけど、そこから生み出される言葉はとても胸に響く。 ケアのカリスマ達は、今の取組が最終形だとは考えていない。本質にたどり着くための通過点であり、現時点での最善策である。 上辺だけでなく、本質を追求し続けているからこそ、カリスマというタイトルがついたのだと納得した。

Posted byブクログ

2015/09/24

著者がおひとりさまで家で死ねるかを現場で実践している人たちへのインタビュー集。ホスピスの専門家、総合診療医、大都市の在宅医、訪問看護師、ユニークな施設運営。看とり士やホームホスピスなど初めて聞くものもあり、制度にとらわれず、かつ制度を利用しながらの取り組みには学ぶべきことが多かっ...

著者がおひとりさまで家で死ねるかを現場で実践している人たちへのインタビュー集。ホスピスの専門家、総合診療医、大都市の在宅医、訪問看護師、ユニークな施設運営。看とり士やホームホスピスなど初めて聞くものもあり、制度にとらわれず、かつ制度を利用しながらの取り組みには学ぶべきことが多かった。インタビュアーの上野氏の突っ込みも本書を豊かにしているものと思われる。引き続き、本書の理論的な著作である「ケアの社会学」を読み始めた。

Posted byブクログ

2015/08/30

介護や在宅医療の分野の人たちとの対談集。対談相手は、山崎章郎(在宅資料専門診療所「ケアタウン小平」院長)、松村真司(松村医院院長)、英裕雄(ヒロクリニック院長)、秋山正子(「白十字訪問看護ステーション」「白十字ヘルパーステーション」統括所長)、小山剛(社会福祉法人「長岡福祉協会」...

介護や在宅医療の分野の人たちとの対談集。対談相手は、山崎章郎(在宅資料専門診療所「ケアタウン小平」院長)、松村真司(松村医院院長)、英裕雄(ヒロクリニック院長)、秋山正子(「白十字訪問看護ステーション」「白十字ヘルパーステーション」統括所長)、小山剛(社会福祉法人「長岡福祉協会」理事・評議員・執行役員・首都圏事業部相談役)、高口光子(介護老人保健施設「星のしずく」看・介部長)、藤原茂(社会福祉法人「夢のみずうみ村」理事長)、近山恵子(一般社団法人「コミュニティネットワーク協会」理事長)、柳本文貴(NPO法人「グレースケア機構」代表)、柴田久美子(一般社団法人「日本看取り士会」代表)、市原美穂(「ホームホスピス宮崎」理事長)といった面々。どの人との対談も中身が濃く、読みごたえがある。それはいわゆる実践家と知の融合であり、提供者と利用者との対等な会話が展開されているから。 最初のほうは医師ばかりで、「『ケアのカリスマ』ってこういう人たちのこと?」と思ったけど、だんだんと面白い人たちが出てくるようになった。障がい者運動などを経てきた人たちが登場してくると、話や視野に広がりが出てくる。それは上野さんがおっしゃるとおり、障がい者が自分たちの自立・自決を勝ち取ろうと主体的に活動してきたのに対し、高齢者についてはどうもそういう動きになっていないように、障がい者と接してきた人たちは、医療や介護ベースとはちょっと視点が違うんだな。 そこから、結局のところ介護保険制度というのは、高齢者や介護を必要とする人たちのためのものではなく、介護する家族のためのものという色合いが濃いものという性格も見えてくる。介護保険って、障がい者が利用するのは面倒だったり、別に自立支援法なんて法律があるんだし、家族介護の手助け的なサービスメニューが多いとことにも、独居の介護を必要とする人にはいまいちなサービスであることも腑に落ちる。 とはいえ、上野さんはあくまで介護保険制度は「(ベストでないし、課題が多いが)できてよかった」と評価する。制度になったことで、パイオニアのような高い意識をもった実践家ばかりではなくなるけれど、一般レベルに広げるには制度であることも大事。

Posted byブクログ