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写真のボーダーランド の商品レビュー

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2022/06/01

写真というのは、まさに写実的に像を残すものだ。けれど、僕らの目に見えるかどうかは、また別問題。 たとえば顕微鏡写真がトリックではないことはみんなが知っているが、あれは僕らの肉眼では見えない。 高速で動いているものを止めて見ることも、やはり出来ない。 肉眼で見えないけれど、「...

写真というのは、まさに写実的に像を残すものだ。けれど、僕らの目に見えるかどうかは、また別問題。 たとえば顕微鏡写真がトリックではないことはみんなが知っているが、あれは僕らの肉眼では見えない。 高速で動いているものを止めて見ることも、やはり出来ない。 肉眼で見えないけれど、「ある」ものを写したい。 そう考えて、「流体写真」が流行する。エーテルとか電気とか、そういうものをなんとか写してみよう、と。 正規の大発明、X線写真もその一つといえば一つだ。でもそれ以外にも「オド」なる光を撮影する、と息巻いて実験したら、技術的なミスで感光しちゃっただけだったとか、V線なる念写的エネルギーとか。でも本書は、それらが「ある」「ない」で優劣をつけるんではなくて、同時期に別個に行われていた、ということに興味を示す。 心霊写真、そして妖精写真というお花畑展開。けれど、そういう写真って、眉唾ものではあると思っていても、つい見てしまう。 いろんな写真の歴史を追いつつも、事象に対して相対的な本で心地よかった。

Posted byブクログ