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原爆を盗め! の商品レビュー

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15件のお客様レビュー

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2015/07/05

 第二次大戦時の米国での原爆開発と、その情報をスパイしソ連に流すノンフィクション小説である。もう歴史小説かもしれない。  オッペンハイマーを筆頭とする科学者たちと政治家がマンハッタン計画を進めると同時に、ソ連のスパイたちが如何に情報を入手しソ連に送っていたかが記されている。  ア...

 第二次大戦時の米国での原爆開発と、その情報をスパイしソ連に流すノンフィクション小説である。もう歴史小説かもしれない。  オッペンハイマーを筆頭とする科学者たちと政治家がマンハッタン計画を進めると同時に、ソ連のスパイたちが如何に情報を入手しソ連に送っていたかが記されている。  アメリカにもソ連や共産主義に同情的というか共感を持つ人が結構存在していたことが意外であった。もし、彼らスパイがいなかったらソ連の開発は相当遅れたであろうし、その後の世界情勢が今と違っていたかもしれないなどと埒もないことを思った。  300ページ超の厚い本であるが、文字が大きく読みやすかった。おもな登場人物の写真が載っているのも良い。

Posted byブクログ

2015/05/10

第二次世界大戦中のドイツで、物理学者が核エネルギーを利用する事を思いつく。そして、ヒトラーはその膨大な力を利用した兵器の開発に着手する。 核エネルギーを利用する可能性についての情報は、世界中の物理学者の知るところとなり、アメリカでは天才的物理学者 オッペンハイマーが、核兵器開発の...

第二次世界大戦中のドイツで、物理学者が核エネルギーを利用する事を思いつく。そして、ヒトラーはその膨大な力を利用した兵器の開発に着手する。 核エネルギーを利用する可能性についての情報は、世界中の物理学者の知るところとなり、アメリカでは天才的物理学者 オッペンハイマーが、核兵器開発の責任者となる。 本書は、核兵器開発に最初に着手したドイツと、それを阻もうとするレジスタンス、連合軍。ドイツより先に核兵器を開発にしようと全精力を傾けるオッペンハイマー率いるアメリカチーム(マンハッタン計画).そして、自ら開発できないなら盗んででも核兵器を手に入れたいソ連スターリンの三つ巴の戦いを描くノンフィクション作品である。 結局、オッペンハイマーが競争に勝利し、対日戦でトルーマンが使用した事により、日本は降伏。その後、スターリンも核兵器を手に入れ恐怖の均衡状態が続く事になる。 もし、ドイツの物理学者が核エネルギーに気づかなければ。もし、ドイツが連合軍より先に原爆の開発に成功していたら。もし、もし....

Posted byブクログ

2015/04/13

これまで明かされることが少なかった、第二次大戦中の原爆開発を巡る攻防の裏側を描いた、史実に基づいた作品。 ナチスドイツとの攻防を描いた章は、映画好きなら"The Heroes of Telemark"(1965)を思い出すことだろう。実際、この本は映画を裏書...

これまで明かされることが少なかった、第二次大戦中の原爆開発を巡る攻防の裏側を描いた、史実に基づいた作品。 ナチスドイツとの攻防を描いた章は、映画好きなら"The Heroes of Telemark"(1965)を思い出すことだろう。実際、この本は映画を裏書きする事実に溢れているし、映画よりも面白い。 ただ、日本人としては、広島・長崎の章は重たいものがあった。 ソ連がなぜ原爆を開発できたのかについてを描いた章は、手に汗握る展開が目白押し。まるでノンストップスパイアクション映画を数本観たような気分になる。

Posted byブクログ

2015/04/12

原爆を盗め! S・シャンキン著 第2次大戦「連合国」同士の攻防 2015/4/12付日本経済新聞 朝刊  第2次世界大戦がし烈を極めるなか、米国と英国、ドイツ、ソ連はもう一つの攻防を繰り広げていた。原子力爆弾の開発をめぐる情報戦だ。本書は、その舞台裏を再現したノンフィクショ...

原爆を盗め! S・シャンキン著 第2次大戦「連合国」同士の攻防 2015/4/12付日本経済新聞 朝刊  第2次世界大戦がし烈を極めるなか、米国と英国、ドイツ、ソ連はもう一つの攻防を繰り広げていた。原子力爆弾の開発をめぐる情報戦だ。本書は、その舞台裏を再現したノンフィクションだ。  ナチスドイツが原爆を開発してしまうかもしれない。大戦中に、ルーズベルト米大統領にこんな報告がもたらされた。警鐘を鳴らしたのはアインシュタイン博士ら科学者だった。  そこから、米国の総力を挙げた原爆開発計画が、極秘裏に始まる。大戦を早く勝利に導くために、ドイツよりも先に完成させることが、最重要課題となった。  本書では米国による原爆開発計画を縦糸に、この全貌をつかもうとするソ連の執拗なスパイ活動などを横糸に、話が進行する。ここから浮かび上がるのが、米英とソ連の根深い不信感だ。この3カ国は当時、ともにドイツと戦っていた「連合国」であるにもかかわらず、双方の意図をまったく信用していなかった。  米国が原爆開発を成功させつつあると知らされたソ連の指導者スターリンは怒り、先を越されまいと、スパイ活動に拍車をかける。本書のエピソードの大半は、すでに明らかになっている史実だが、読者を飽きさせないよう、構成が工夫されている。梶山あゆみ訳。(紀伊國屋書店・1900円)

Posted byブクログ

2015/04/12

久しぶりに原爆ものをよんだ。米国は日本へ原爆を落とす前にすでにソ連との戦いをしていた、という事実が日本を哀れと思わせる。

Posted byブクログ