虚像の道化師 の商品レビュー

東野圭吾(著者)

2022/11/23

短編集。今回は湯川草薙コンビがメイン。それぞれ不可思議な出来事がありそれを湯川が解明していくが、それが事件本筋とは関係なく、犯人は草薙たち刑事が独自に捕まえるという話もあり、草薙の刑事としての力が見れてよかった。『心聴る』では湯川の草薙の刑事としての能力への信頼なんかも描かれていて、こういうところがシリーズものを読む良さだな、と。

2022/11/09

ガリレオシリーズの7作目である本作は、7つの短編からなる短編集だ。

短編は湯川教授がその知識で事件の真相をサクサクと明らかにしていくので、テンポよく読み進めることができる。
個人的には長編のほうが好きなのだけれど、ガリレオシリーズは短編のほうがハウダニットの良さを引き出す気がする。

「曲球る」は『魔女の胎動』に近いなぁと思いつつ、それでもやっぱりお気に入りの話のひとつ。

「演技る」はタイトルの『虚像の道化師』に関する話だけれど…役者として殺人犯を体験するために偽装工作を行う、だなんて、本当に理解ができない。
最後の最後にこの後味の悪さを持ってくる東野圭吾さんには敵いません…

2022/11/03

ガリレオシリーズ7作目の短編集です。やっぱり長編の方が読み応えはありますが、そこは東野圭吾さんのスゴイところで充分に楽しませてくれます。
トリックは良く考えられていますし湯川先生と草薙刑事の推理のやり取りも実に楽しく読めました。
さぁ8作目も読むとしよう！

2022/10/30

ガリレオシリーズは長編作品ばかり読んでいたが、この短編集もさくさく読めて面白かった。
個人的に好きだったのは2章の「透視す」(ホステスの話)、3章の「心聴る」(北原刑事が出てくる話)、4章の「曲球る」(野球選手の話)の3つ。
「透視す」と「曲球る」は最後まで読んで感動。
「心聴る」は事件解決を通して、北原刑事が草薙刑事のことを認めるようになるのが良かった。

2022/10/29

ガリレオシリーズ７作目　短編集

短編なのに最後のオチにつながってく様や、犯人と被害者、その周りの過去なども内容がしっかりとあり、トリックもありで面白い。
まずそこに気付く物理学者の湯川の視点がすごすぎるのは毎度のことだが凄い！

湯川と草薙刑事のやりとりも面白いし、読んでいて途中で飽きることもなかった！

2022/10/21

ガリレオ7作目！
今回もドラマで見た覚えがあるのが多かったかな～
でも、ドラマで観たことないのも面白かった

ミステリーでは「犯人の視点で始まり、事件が起きてその様子を犯人と警察(この作品だと湯川先生も)の視点で話が進んでいく」っていうパターンと、「事件が起きて警察主導の視点で話が進んでいき、急に犯人が分かって後からそこまでの過程が明かされる」みたいなパターンの2つがあるけど、自分はどっちが良いんだろうな～
前者のパターンよりも後者の方が楽しめるハラハラドキドキを楽しめる気はするけど、前者でも犯人だと思ってた人が実は違って、とか逆のパターンとかも最後に明かされることがあって、どっちにしろどんでん返しが好きだな～

2022/10/10

第7弾
「幻惑す」「透視す」「心聴える」「曲玉る」「念波る」「偽装う」「演技る」 湯川と草薙が絡むのがやっぱり好き。 クラブとか友達の結婚式とか、ふたりじゃないと出せない掛け合いが好き。 宗教、ホステスの透視技、双子のテレパシー。草薙の同期刑事が出てくる回では草薙の優秀さを痛感した。人として、「どのくらい人と向き合えるのかが、刑事には大事なのかも知れない。野球選手が出てくるのも好き。ドラマもこの回好きだった。 単行本2冊分のお得な文庫。短編が長編になった8も楽しみ。 長くても短くても楽しいなんて…

2022/09/30

天才物理学者 湯川が改名する人気連作ミステリ第七弾。指一本触れずの転落死させる術。他人には聞こえない囁き。女優が仕組んだ罠。刑事はさらに不可解な謎を抱え、あの研究室のドアを叩く。7つの短編に彩られた東野圭吾さんの珠玉の短編集。

ガリレオシリーズの短編集は、「ガリレオの苦悩」が、最高にすきでしたが、それを超えてきました。全部のお話を紹介したい気持ちはありますが、長くなるので、特によかったふたつを紹介。

心聴る（きこえる）

天才物理学者と警視庁捜査一課の草薙の絆が描かれる。

「草薙は、素人の僕の意見を尊重する。女性の、しかも後輩刑事の声にも耳を傾ける。あなたには、彼と同じことはできないのかな？」

「人の意見に耳を傾けないのは、怠け者のやることだ」

そして、本作でNo1に好きなのが、曲球る（まがる）

引退間近のプロ野球選手の妻が殺されてしまう。慰留品の中には、夫に覚えのないプレゼント。妻は浮気をしていた…？

心温まる読後感。今まで読んだ短編の中でも特に好き。

短編があまり得意ではない、という方も、中にはたくさんいらっしゃるかと思います。ただ、「虚像の道化師」は短編の良さが詰まってます。みなさんも興味があれば、ぜひ、手に取ってみてくださいね。

2022/09/25

再読。前に読んだことはすっかり忘れていたので、楽しめた。
ガリレオの短編集。
湯川先生と草薙の会話が好き。
仲間の結婚式に呼ばれた2人が、陸の孤島と化した土地で事件に遭遇…、という話がお気に入り。
推理も、犯人の過去や解決、その後の救いといった図式がとても好き。

2022/09/18

最後の章を読んで、確かに虚像の道化師だと言われてそう思い、言われてみれば他のストーリーも虚無というか虚像の道化師だともいえると気づいた。こういう読み方を自分はしている
でも本質に気づくのはとてもとても難しいし、だから絶対に虚像の道化師になっているし、本質を見抜くために本を読んでいる
本質を見抜けるように、少しでも立場を客観視出来るように、他者をより近く理解できるように、状況背景を諸々含んだ状態で行動できるように、なりたい