デブを捨てに の商品レビュー
相変わらず毒たっぷりの平山夢明新作。 阿部和重とならんで「ダメ人間」を描くのがとんでもなく上手ですが、こちらのほうが突き抜けたダメさがある。救いようがない純粋なダメさというか。「悪人」とか「厭な奴」とかじゃなくとにかくダメな人間。いっそすがすがしいです。 最終話の表題作はなんか...
相変わらず毒たっぷりの平山夢明新作。 阿部和重とならんで「ダメ人間」を描くのがとんでもなく上手ですが、こちらのほうが突き抜けたダメさがある。救いようがない純粋なダメさというか。「悪人」とか「厭な奴」とかじゃなくとにかくダメな人間。いっそすがすがしいです。 最終話の表題作はなんかちょっと爽やかな展開を見せたりもしますが、他の話は相変わらずのアレな感じで。ビッグパピーとか・・あとで怒られたりしないんですかね?w いつも思うんですが、「活字離れ」を逆手にとった作風だよなあ。テレビとかでこれやったらあっという間に炎上とかじゃないだろうか。あんまり見てる人がいないからのびのびと好きに書けてるんじゃないかと邪推w
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破格の税込1000円で登場した、平山夢明さんの新刊である。売る気がまったく感じられない、ペーパーバックの装丁。らしいといえばらしいが…。 「いんちき小僧」。薬の売人を手伝うことになった男。だが、薬の中身とは…。親子って何だろうと考えさせられる事件が多い昨今。君はそれでも本望...
破格の税込1000円で登場した、平山夢明さんの新刊である。売る気がまったく感じられない、ペーパーバックの装丁。らしいといえばらしいが…。 「いんちき小僧」。薬の売人を手伝うことになった男。だが、薬の中身とは…。親子って何だろうと考えさせられる事件が多い昨今。君はそれでも本望なのか。意味はよくわからないが、「なんくるないさあ」の不穏な響きがやたらと印象に残る…。 「マミーボコボコ」。マミーポコというオムツの商品名を思い出すが、関係ありません。平山夢明版ビッグ・ダディと言ったら怒られるだろうか。キラキラネームならまだましだぜ。局側もビッグ・ダディ側も、持ちつ持たれつだったんだろうねえ。 「顔が不自由で素敵な売女」。タイトルからしてちっとも素敵じゃねえ。行きつけの店にあの客が現れてから、店主は変わってしまった。客の正体は…。客の気持ちは正直わかる。そして結末も救いがねえ。でも、何だかほっこりした話じゃないか(どこが)。 表題作でやや長い「デブを捨てに」。これまた酷いタイトル。借金を返せない男が命じられたのは、タイトル通りデブを捨ててくることだった。運命を承知しているデブが健気じゃないか。クソのようなラーメン店での頑張りは泣けてくるぜ。 でも、和菓子屋の店名の方がもっと酷え。デブの身の上話はさらに泣けてくるぜ。最後の最後の大勝負は手に汗握ったぜ。デブデブ書いてあって不愉快かもしれないが、すみません、そういう話なんです。2人ともいいことあるといいね。 以上、装丁通りにクソでF◯◯Kな平山節全4編。今回はどこか切ない路線でまとめてきたか。ただし、本作に切なさを感じるのは平山フリークだけだろう。安いからって一般読者が手を出すのはお勧めできない。読んでふざけんなと思っても知りません。 昨年は新刊が出なかっただけに、新刊を安く読めたのは嬉しい反面、複雑でもある。ご本人の意向かもしれないが、ファンとしては正当な対価を払いたい気がする。
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アウトロー達の織り成す素晴らしいヒューマンドラマ集でした。グロ描写少なめなので是非とも多くの人に読んでもらいたい!
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【シュールで最悪の状況を暴走するブラックユーモアの数々】借金まみれの俺は“デブ”を車に乗せて北へ向かった。表題作「でぶを捨てに」など、泥沼のような日常を疾走するように描いた短編集。
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