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デブを捨てに の商品レビュー

3.8

34件のお客様レビュー

  1. 5つ

    10

  2. 4つ

    4

  3. 3つ

    12

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2018/06/22

基本的に全てが面白かった。 印象に残っているのは、「マミーボコボコ」と表題の「デブを捨てに」。 「マミーボコボコ」は大家族のドキュメンタリーを皮肉ってる感じ。ラストが胸糞悪かった! 基本的に平山さんの描く世界は、低俗でクソみたいなどうしようもない世界なのに、嫌いにならないという...

基本的に全てが面白かった。 印象に残っているのは、「マミーボコボコ」と表題の「デブを捨てに」。 「マミーボコボコ」は大家族のドキュメンタリーを皮肉ってる感じ。ラストが胸糞悪かった! 基本的に平山さんの描く世界は、低俗でクソみたいなどうしようもない世界なのに、嫌いにならないというか。そんな中で登場人物が築いていく人間関係は、すごく低俗で自分なんかとは全然住む世界が違うと感じるのに、清々しいもののように思える。 あと、平山さんの作品に登場するデブキャラは、どこか愛すべきところがあると思います。この作品のデブといい、他作品「Ωの聖餐」のデブといい。

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2017/12/07

【マミーボコボコ】 「あんた、そんな約束したの?」 「約束はしてない」 「なんだって! ー あんな云ったじゃんか。来たら今回のギャラは二万だって」 「約束はしてない。二万だとは云った。だが約束はしてない。そこからの展開は流動的だ」 「嘘つき!」 「嘘じゃない。俺は嘘は吐かん。ただ...

【マミーボコボコ】 「あんた、そんな約束したの?」 「約束はしてない」 「なんだって! ー あんな云ったじゃんか。来たら今回のギャラは二万だって」 「約束はしてない。二万だとは云った。だが約束はしてない。そこからの展開は流動的だ」 「嘘つき!」 「嘘じゃない。俺は嘘は吐かん。ただ不快な気持ちにさせたのなら謝る。すまん」 「こんなとこで何やってんの?」 「仕事に決まってるじゃん。援助交際さ。あたしさあ、あんなゴミみたいな親のところから早く逃げ出したいんだよね。あいつら、人間の屑どころじゃないから、生き物として生物としても屑だから。」 「最後の生理が終わって十ヶ月も経ちゃ餓鬼は出てくる。あたしは褒められたくて褒められたくて妊娠する度に次はいつ孕んでやろうかって、そればっかり考えていたんだ。子どもなんか欲しくないよ、ただ孕みたいだけ。孕む為ならなんだってしてやろうって気でいるんだよ。」 【顔が不自由で素敵な売女】 「嘘だろ」 「みんなそう云うんだけど、本当よ。ちょちょみ。〃に美しいで〈〃美〉。女の子だから分かり易い 「あたしに名をつけたのが孤児院の院長で、そいつはボウズでシャブ中だったもの。葬式行く前なんかよくポンプ打ってた。あれすると線香とかお供物の臭いが凄くよくなるって。それに読経に集中できて死体とも話ができるって云ってた」 「お客さん、また酔ってるのか。悪い酒たね、あんたの酒は」 「悪い? 悪いってのはこんなものじゃない。あんた、見てくれよりも世間が薄いな」 「あの人が、やれっていうんだもん。やらなきゃ別れるって」 「そんな…おまえ、別れりゃいいじゃないか」 「だめよ、愛してるんだもん。あたしはこうみえても一途なんだよ。処女を捧げた人だし」 「ヒヨコか、おまえ」 「あんたにはわかんないのよ。寂しい人にはわかんないの」 「本当にわかんねえよ」 【デブを捨てに】 「ロバは飼い葉桶、四杯も飯を喰う。おかげで朝から晩まで糞をしどおしだ。ウチじゃあロクに人様の喰う物もないのにロバばっかりが飯を喰うんで、親父が頭に来て、家族の糞やロバの糞を餌に混ぜたんだ。すると、それでも喰う。糞も餌も同じように喰うんだ。あれは一体、どういうわけだ」 「一日中、ネットで遊んでいたんで有名な大食いチャレンジ店の場所は憶えてるんです」 「店の名は」 「クソ豚野郎」 「なんだと」 「店の名です」 「嘘だろ」 〈へぇい! クソ豚! 一丁!〉 〈大クソ豚、バリカタ、味薄め、ドロ油、ニンニクましまし!〉 〈味噌クソ豚野郎、クソのクソ盛り!〉 〈クソつけ、麺クソ盛り、クソ汁カラメ!〉

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2017/08/13
  • ネタバレ

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(図書館本)お勧め度:☆4個(満点10個)。最初、読んでいて嫌気がさしてきた。意味不明だし、エロ・グロ織り交ぜてなんとなく読みにくく、途中で棄権しようかと思うくらいハズレな作品だと思ったが、ラストの表題「デブを捨てに」だけは、ちょぅとだけホロッとさせられた。前の3編がすごく読み辛かったが、この作品だけは何となく理解できた。ある意味デブの彼女が可哀想にも思えてくる。最後の最後で主人公のジョーが言う言葉、「瘦せろよ!」というのが凄くかっこよく思えてきた。結局、ジョーはデブが好きになったのかもしれないなあ。

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2017/03/29

ご飯食べる前後に読むのはお勧めできない。 そして、思ったよりいい感じに終わる。もっとどうしようもない感じで終わるのかと思ったのに。

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2017/03/11

昔読んだ「ダイナー」が強烈だったけど面白かったので久しぶりにこの著者の本を読んでみました。 短編だけど中身は「ダイナー」を彷彿させるようなグロ描写が多々。 読んでいて気持ちが良い内容ではないのだけど読後は不思議な爽快感があります。

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2017/03/02

暴力の描写とか 本当にエグいのですが 何でしょうこの 読後の清涼感 ヨーグルト?だからですかね?

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2017/01/11

2017年、3冊目は久々の平山夢明の短編集。 「いんちき小僧」「マミーボコボコ」「顔が不自由で素敵な売女」「デブを捨てに」の4編収録。 今作は全体的に、鬼畜度、絶望度はかなり低め。不条理フレイバーの言葉遊びと、ブラックなユーモア満載。感触的には、『暗くて静かでロックな娘』に近...

2017年、3冊目は久々の平山夢明の短編集。 「いんちき小僧」「マミーボコボコ」「顔が不自由で素敵な売女」「デブを捨てに」の4編収録。 今作は全体的に、鬼畜度、絶望度はかなり低め。不条理フレイバーの言葉遊びと、ブラックなユーモア満載。感触的には、『暗くて静かでロックな娘』に近い。 日本社会のカースト、その下層に属する人々、そこから弾き出された人々。そんな彼ら、彼女らが繰り広げる、とんでもなくイビツなヒューマンドラマ。これは、まさに、愛すべき与太話達である。

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2016/12/28

やっぱりの不条理なんだけど、哀愁とか切なさを感じるのはなぜだろ。「デブを捨てに」のチョチョ美(チョの字が打てないや)いいやつ。「マミーボコボコ」は大家族番組の皮肉たっぷりだね。

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2016/09/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

面白かった!ビッグダディのパクリ「ジャンボパピー」、大丈夫これ?と思いながらも見るたび感じるモヤモヤがバッサリ斬られてスッキリ!表題作もほんわか終わって微笑ましいです。登場人物の行く末を思うと微笑ましいどころではないけれど。グロテスクな描写も多いですが、ユーモアでうまく救われている気がします。「いんちき小僧」だけがちょっと可哀想だったかな。平山さん初めて読みましたがクセになりそうです。

Posted byブクログ

2017/02/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

相も変わらず不謹慎全開なお話でした。<痛恨!ジャンボぱぴー>はどう考えてもアウトだろと思いながらも、笑ってしまいました。 薬と称して犬の糞を売る、頭の禿げた風俗嬢、クソ豚野郎ラーメン。よくこんなにもいかれた世界を描けるなあと思います。どの話も基本的に救いはないのですが、「デブを捨てに」のラストはなんだかスッキリしました。

Posted byブクログ