日本の今の問題は、すでに{世界史}が解決している。 の商品レビュー
元代ゼミの世界史講師で、現在は著作家となられている著者による、なかなかセンセーショナルなタイトルの1冊。 結構期待して読んだのですが、なんと言うか…全般的に「荒っぽい」印象を受けました。 まずは情報の選択。歴史の教科書からストーリーに合う特定の箇所だけを抜き出したような。。 ま...
元代ゼミの世界史講師で、現在は著作家となられている著者による、なかなかセンセーショナルなタイトルの1冊。 結構期待して読んだのですが、なんと言うか…全般的に「荒っぽい」印象を受けました。 まずは情報の選択。歴史の教科書からストーリーに合う特定の箇所だけを抜き出したような。。 また本著、参考文献が示されてないのですが、情報の真偽という面でも不安を感じました。(そこまでのフォーマルな本ではない、ということなんでしょうか) その上で本著のタイトル。「解決している」のであれば、どう解決しているのかハッキリ書いてくれれば良いのですが。。 例えば情報の選択という点では、少子化対策のくだりでフランスの戦前の試みが紹介されていましたが、今の日本に役立つのは最近の試みでは?と思いました。結婚していないパートナーシップ契約下での出産が6割らしいので、著者か、誰かのお好みには合わなかったのかもしれませんが。 情報の真偽という点では、日本が朝鮮を植民地支配していた時代、米作のモノカルチャー化を推し進めた…と書かれていたんですが、ホントそれ?となりました。 戦後の朝鮮の発展に寄与したかどうかは別として、軽く検索しただけでも工業化や商品作物の栽培等は進んでいたようなのですが。。 https://www.jkcf.or.jp/wordpress/wp-content/uploads/2019/11/06-0k_j.pdf その他、読んでいて感じた点…というか違和感です。 「もし、先進国が今の10倍の値段で石油を買えば、産油国の貧困層にまで、その利益は、浸透する」というのは普通に意味がわからなかったです。イスラムの人々を貧困と困窮に追い込んでいる最大の原因を、「我々」に求めるべきなのか…(無実だとは言いませんが)。 また、中国について、「広大な国土、多様な民族で構成される中国を統治するには、独裁的政権が必要」と言い切っているのは「おぉ。。」となりました。広大な国土と多様な民族…。仮の話として、今後地球が1つの政体に纏まったとしたら、それも著者は「独裁的政権が必要」と言うのでしょうか。 なお、本著で触れられていた「国家の体制が、国家の貧富を決定する主要因である」とする学説「制度論」について、本著の文脈ではないですが、日本に当てはめたらどうなのか興味が湧きました。 タイトルでハードルが上げすぎちゃったかなぁ。。
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WORLD HISTORY: The Problems Japan Now Faces Have Already Been Settled https://hon.gakken.jp/book/1340621400
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解決しているのかどうかは微妙だが、過去の指導者・国民がどのように取り組んできたか、まさに「歴史に学ぶ」ことが出来る。このベースの教養があって初めて、現代は未曽有の前例無き時代である云々、とか言う資格があると言える。
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世界史と現代との接点をいくつも示してくれる本。 世界史の教科書を眺めてるだけでは分からない、歴史の視点、社会の仕組みを教えてくれる。 何度も読み返したい一冊。
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薩摩・長州は幕府の鎖国政策のおかげで、密貿易という形でありながらも、対外貿易を独占することができた。 黒船の来航以来、幕府は開国政策を余儀なくされます。開国すれば、薩摩・長州は対外貿易を独占することができなくなってしまいます。 開国、横浜開港、薩長の没落という心配 薩長に近代...
薩摩・長州は幕府の鎖国政策のおかげで、密貿易という形でありながらも、対外貿易を独占することができた。 黒船の来航以来、幕府は開国政策を余儀なくされます。開国すれば、薩摩・長州は対外貿易を独占することができなくなってしまいます。 開国、横浜開港、薩長の没落という心配 薩長に近代革命という理想への志向や情熱が芽生えていたかどうかは疑わしい 将軍という世俗の権利者の上に、天皇という超越的な存在があったことが、近代日本に幸いしたともいえます。 景気のサイクル キチンサイクルとジュグラーサイクルは、2012年に谷をつけ、上昇に向かっている。クズネッツサイクルは2001年に谷をつけ、上昇に向かっている。 自由貿易のベテラン日本 日本は世界の中で最も開かれた国で、関税なども他国に対し、優しすぎるのではないかというくらい低く、自由貿易の先端を走る国なのです。・・外国人労働者の受け入れなど、一部の分野で閉鎖的なところがあるのは否めませんが。 攻めの姿勢、イギリスに学ぶ イギリスや、過剰な保護を受けていた時代にはなかった新しい時代の農業経営のモデルを構築することに成功していたのです。そのため、1870年代に保護貿易に回帰したときも、イギリスは自国の農業生産だけで、十分に食料需給をまかなえました。 南北戦争、血によって獲得した関税 リンカーンが国内勢力拡大と国際世論を味方につけるため、奴隷解放宣言を行ったりしたため誤解されがちですが、南北戦争の本質は、関税や貿易政策のあり方とその利権をめぐって争われた戦争といえます。 中世においてバルト海の物流を担ったのが、ヴァイキングと呼ばれるゲルマン人の一派でした。彼らは、北方に住んでいたため、北方の人=ノルマン人とも呼ばれます。 水上の交易ネットワークを独占したノルマン人は巨万の富を蓄積し、9世紀バルト海沿岸にノブゴロド国がつくられ、これがロシアの母体となります。ロシアの語源は、ノルマン人のルス族のことです。 ドーヴァー海峡にはノルマン王国がつくられますが、これがイギリスの母体となります。 日本の経済の中心は瀬戸内海を取り囲む西日本でした。 京都は、瀬戸内海の交易圏と琵琶湖の交易圏をつなぐ中継都市としての機能を持ち、地政学上、日本の物流を統括する地位にあった。 平氏もまた、ヴァイキングの将であった 香辛料はヨーロッパでは生産することができず、遠くアジア・インドから運ばれていました。胡椒バブルも起きた。 信長の時代に、日本はヨーロッパを超える世界最大の銃保有国となる。 働かない者と働けない者 カトリック的な教義の価値観では、金を貯め、利益を追求することは卑しいこととされていました。これに対して、カルヴァンは「すべての職業は神から与えられたものであり、それに精励することで得られる利益は、神からの恩恵である」として、利益の追求を認めました。 アローが主張するように、供給は需要を生むというするセイの法則が医療の世界ほど、見事にあてはまるマーケットはほかにありません。 日本の、国家負担の医療費は増大していくので、遅かれ早かれ財政は破綻してしまいます。 アメリカはじめ諸外国は、巨額の支出が伴う可能性があるため皆保険制に踏む込むことができません。 欧米とイスラムの紛争を、キリスト教とイスラム教の文明対立と容易にとらえるのは大きな誤りです。実態は、領土や利権の争いにすぎません。 植民地政策 輸出用の商品作物を作らせ、モノカルチャー化し、現地の経済をグローバルな商品市場に組み込み、偏った生産制のもと、自給能力を失わせます。 モノカルチャー化された旧植民地でも、独立後、高度成長をとげた国があります。韓国です。 日本は、気候は温暖であるものの、地震や台風など、厳しい自然にさらされている。そのような自然が日本人を受容・忍従型な性質にした。和辻哲郎 ハダルは快適な都市生活の中で連帯意識を失っていく 砂漠の勢力であるバドウは虐げられた状況や試練に耐え、連帯意識を強め強大化していきます バドウは中心たるハダルを征服し、自らが新しいハダルとして君臨します。イブン・ハルドゥーン「世界史序説」
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題名の割に中身はそこそこ。書いた人の経歴がよくわからないので、書いてある歴史的事実をどこまで信じるべきなのかって、最後まで少し疑いの心で読んでしまったのが残念。各章ごとにテーマが違うので、興味のあるところだけを読んだ。
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