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統治新論 民主主義のマネジメント の商品レビュー

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2015/08/09

この本は、ホッブズ、ロック、ルソー、シュミット、ベンヤミン、フーコーといった哲学・思想の蓄積に学びながら現代の権力についてラディカル(根源的)に考える政治対論だ。 近代政治哲学が立法権を中心に考えてきたこと(例えばロック『統治二論』)の限界を指摘し、行政の民主的コントロールを焦点...

この本は、ホッブズ、ロック、ルソー、シュミット、ベンヤミン、フーコーといった哲学・思想の蓄積に学びながら現代の権力についてラディカル(根源的)に考える政治対論だ。 近代政治哲学が立法権を中心に考えてきたこと(例えばロック『統治二論』)の限界を指摘し、行政の民主的コントロールを焦点化する國分功一郎の素朴な問いかけに、政治哲学の成果を踏まえて理論状況を整理してみせる大竹弘二は、さらに統治が国家の手から離れていく新自由主義化(民営化、外部委託)の流れに着目する。 「行政権の肥大」は決して新鮮なテーマではないが(この本では行政学の知見にほとんど触れていない)、「立憲主義」が論争のテーマになるほどに政治の正統性をめぐる議論が前景化している今、最新の問題意識と近代史・哲学史の間をいったりきたりするこの対論が「役に立つ」。確かに、時代が哲学を求めている。

Posted byブクログ