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人と企業はどこで間違えるのか? の商品レビュー

3.4

31件のお客様レビュー

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2024/10/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

本作は、『タイム』、『ニューヨーカー』でライターをつとめたジョン・ブルックス氏による、米国経済エッセイ集、のようなもの。 いわば戦後米国の経済博物誌、とでも言ったところ。 表紙の帯に『ウォーレン・バフェットからビル・ゲイツに渡され、20年間読み続けられた最高のビジネス書』とありますが、やや誇張である気がします。 ・・・ 戦後米国1950’s-1960’sの経済ネタが太宗であることから、やや古臭いなあ、というのは第一印象。 その中でも今でも教訓となり得るものもあれば、今では考えられない・あり得ない、というものもあり、一種の昔話、「かってはこんなこともあったそうですよ」という物珍しさと共に読むので丁度良いののかもしれません。 ・・・ その中で特に面白く読んだのは、以下の三つです。 「第10章:営業秘密の変遷 ― ダンス・クッキー・宇宙服」 こちらはとある化学メーカーで宇宙服開発に従事していた男が、他社への転職を上司に告げると、営業秘密の持ちだし禁止を言い伝えられ、果ては訴えられるというもの。 書類で営業秘密を持ち出すのは当然アウトです。でも、その会社で得たノウハウ、あるいは転職者が体得したスキル、そうしたものも営業秘密になり得るかもしれない、と思いました。これが国を跨ぐ転職の場合(米→中・ソとかその逆とか)など、結構シャレにならない騒ぎになりかねないのだろうなあと思いました。 もちろん私には秘密になるような技術もノウハウもありませんが、勝手に想像して勝手に震えていた次第。 ・・・ 「第5章:コミュニケーション不全 ― GEの哲学者たち」 こちらはGEによる談合のお話。 コンプラと営業目標は常にジレンマになるファクターだとは思います。その中で、営業トップが談合をしたことを「遠回しに」マネジメントに報告する。しかし、経営トップはその「遠回しな」方向をある時はダイレクトに、ある時は全く違った意味にとらえるという話。 今ならば経営者も連座して退任することが多そうですが、今回の場合は営業部門が罰され、経営陣は安泰だったという話。タイトルは言わば揶揄。 ・・・ 「第2章:公正さの基準 ― テキサス・ガルフ・サルファー社インサイダー事件」 これは古きアメリカの資源企業のインサイダー取引の話。 じわじわと関連者が少しずつ株を買っているのが、微妙にコミカルでいじらしい。当時のブルームバーグだかロイターだかの証券ニュースはタイムラグがあったそうで、当該企業が鉱脈発見を記者発表した後に株を買った副社長か何だかが「未公開情報をもとに株を売買した」と嫌疑をかけられたのがちょっと気の毒。 ・・・ それ以外にも、大々的に新車開発に失敗した「第1章:伝説的な失敗 ― フォード車エドセルの場合」、或いは、仕手戦に戦いを挑んだスーパーマーケット経営者の記録「第1章:最後の買い占め ― メンフィスの英雄かく戦えり」などは面白かったです。 ・・・ ということで20世紀米国の経済事件簿、的なエッセイ集でした。 これを読んでも、企業とは、とか云々は語れませんが、ちょっとウンチクが増えた気にはなれました。

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2024/08/31

第1章  伝統的な失敗 ― フォード社会エドセルの問題 第2章  公正さの基準 ― テキサス・ガルフサルファー社インサイダー問題 第3章  ゼロックス、ゼロックス、ゼロックス、ゼロックス 第4章  もう一つの大事件 ― ケネディの死の裏側で 第5章  コミュニケーション不全...

第1章  伝統的な失敗 ― フォード社会エドセルの問題 第2章  公正さの基準 ― テキサス・ガルフサルファー社インサイダー問題 第3章  ゼロックス、ゼロックス、ゼロックス、ゼロックス 第4章  もう一つの大事件 ― ケネディの死の裏側で 第5章  コミュニケーション不全 ― GEの哲学者たち 第6章  最後の買い占め ー メンフィスの英雄、かく戦えり 第7章  二つ目の人生 ― ある理想的なビジネスマンの記録 第8章  道化の効能 ― いくつかの株主総会にて 第9章  束の間の大暴落 ― 永遠のホセ・デ・ラ・ヴェガ 第10章 営業秘密の変遷 ― ダンス、クッキー、宇宙服 訳者あとがき

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2022/06/18

購入した本。ビルゲイツ、ウォーレンバフェットおすすめの本。 ゼロックスは「不可能と思うほど困難な目標に向かって、必ず達成できると周囲を鼓舞すること」を大切にしている。 ソーンダーズの逸話は定期的に読み返したいと思うほど興味深かった。どんな逆境であろうとグリットをもって突破する...

購入した本。ビルゲイツ、ウォーレンバフェットおすすめの本。 ゼロックスは「不可能と思うほど困難な目標に向かって、必ず達成できると周囲を鼓舞すること」を大切にしている。 ソーンダーズの逸話は定期的に読み返したいと思うほど興味深かった。どんな逆境であろうとグリットをもって突破する姿勢は参考にしたい。 「ビジネスの時代に生きながら、ビジネスに関わらないのは、人生を不完全なものにしている」 デ・ラ・ヴェガの名言。「株の売買に関して助言をしてはならない。なぜなら洞察力が鈍ったとき、善意の助言が最悪の結果につながることがあるからだ」 時代は変わるが、人間の本質は変わらない。この本の主題はこれに尽きると思う。ただ各ストーリーのメインメッセージを抽出するのは難しいと感じた。

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2021/05/09

オットーフォン・ビスマルクは、「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」と言っているが、この本では、責任ある立場の人は、判断を誤れば組織の多くの人を路頭に迷わせることもあると言う点で、この様な過去の失敗談や美談として時が経ったものは、一読の価値があると思われる。ただし、この本が一回読...

オットーフォン・ビスマルクは、「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」と言っているが、この本では、責任ある立場の人は、判断を誤れば組織の多くの人を路頭に迷わせることもあると言う点で、この様な過去の失敗談や美談として時が経ったものは、一読の価値があると思われる。ただし、この本が一回読んで、あぁそうだなと思うかどうかは、実体験というか置かれている状況の近さと言うか、環境がある程度理解できる人じゃ無いと、面白くないっていう感想になると思われる。もっと楽しいストーリーは他にも幾らでもあるでしょって。 何故そうなったのか?については、一つのケースでさえ、視点が違えば、違う感想が出て来そうだが、それでも一つの答えが提示されてるから、何も無いわけじゃない。倫理的な観点を学べるわけでも無いし、なんだろう、不思議な本。 想定読者は、40代以降のサラリーマン(経営層)だと思われる。

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2020/11/16

ビルゲイツが何度も読み直した本と言うことで有名ではあるが、どちらかと言うと大企業のCEOクラスの人たちが読むような内容である。大企業の取締役級における人たちが日頃経営運営する中で経験しうる経験談が記載されている。勉強にはなるが一般的なノウハウ本とするより経営陣が日ごろの抱えている...

ビルゲイツが何度も読み直した本と言うことで有名ではあるが、どちらかと言うと大企業のCEOクラスの人たちが読むような内容である。大企業の取締役級における人たちが日頃経営運営する中で経験しうる経験談が記載されている。勉強にはなるが一般的なノウハウ本とするより経営陣が日ごろの抱えている問題や体験物語として読むには最高のビジネス書だと言えるかもしれないが、一般受けするとは思えない。

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2020/09/27

アメリカの事例ベース。理論が書かれているわけでなく事例ベースでそれぞれが示唆を得る形式。 タイトル通りかもしれないが、ある程度の規模がある組織に属していたり多人数の絡むプロジェクトにいる人のほうが自分ごととして読めると思う。多くの人が絡むとそれぞれの想いが複雑に絡み、そこから良...

アメリカの事例ベース。理論が書かれているわけでなく事例ベースでそれぞれが示唆を得る形式。 タイトル通りかもしれないが、ある程度の規模がある組織に属していたり多人数の絡むプロジェクトにいる人のほうが自分ごととして読めると思う。多くの人が絡むとそれぞれの想いが複雑に絡み、そこから良いことも悪いことも起こる。事例を通じて改めて痛感させられる。

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2020/09/06

日本書籍のタイトルは上記の通りですが、原題は「Business Adventures」。 つまり企業の失敗話の話ではなく、成功事例も載っていたりして、いわゆる「会社経営って、冒険そのものなのだ」ということを知るための本だと思った。 例え成功していたとしても、そこで奢らずに、ちゃん...

日本書籍のタイトルは上記の通りですが、原題は「Business Adventures」。 つまり企業の失敗話の話ではなく、成功事例も載っていたりして、いわゆる「会社経営って、冒険そのものなのだ」ということを知るための本だと思った。 例え成功していたとしても、そこで奢らずに、ちゃんと顧客と従業員とに向き合えるか? この中でのエピソードで、確かにビジネスで成功を収めたが、大事なものを失っていく様子も描かれている。 経営に安定はない。それ故の「冒険」なのだろう。 しかし人間は懲りないものだ。 これだけ成功事例、失敗事例は体系化され、知識として蓄積されているにも関わらず、いまだに、人と企業はどこかで間違える。 当社の経営は、本当に正しい道を進んでいるだろうか? 「真摯さ」を失ってないだろうか? 自己の反省も含めて考えさせられた一冊! (2017/04/23)

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2020/07/06

どこで間違えたか、間違えなかったのかを、丁寧に記述しているが、クリアに示している訳ではない。要は誰もが間違うリスクとともにある、ということがこの本の要諦のように思う。

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2020/05/03

ウォーレン・バフェットからビルゲイツに渡されたという、伝説のビジネス本。 本書は、名門雑誌『ニューヨーカー』で記者として長年勤務したジョン・ブルックスによって1969年までに記されたものである。 GE、Xerox、フォードといった著名企業の経営者たちに加え、ウォール街のブロー...

ウォーレン・バフェットからビルゲイツに渡されたという、伝説のビジネス本。 本書は、名門雑誌『ニューヨーカー』で記者として長年勤務したジョン・ブルックスによって1969年までに記されたものである。 GE、Xerox、フォードといった著名企業の経営者たちに加え、ウォール街のブローカーや成り上がりのビジネスマンなどの物語が10のパートに渡って描かれる。 彼らがその人生やビジネスにおいて、「どこで間違えたのか(あるいは間違えなかったのか)」が筆者の丁寧な取材を元に、鮮明に描かれる。 本書は声高に筆者の主張を唱えるものでもなく、成功のためのノウハウを単純に伝えるものでもない。 彼らの物語や人間性から何かを感じ取るのは読み手の仕事であり、そこに本書の深さと価値がある。 半世紀余り前に記され、確かに時代背景や事例は古めかしいものではある。しかし失敗や成功の原因となる「人間の本質的な部分」を洞察するにはこれ以上ない一冊である。 本書は間違いなく、めぐるましく移りゆく現代においてしばし立ち止まり、より良い方向に進路をとるための助けとなる。 現代に生きる全てのビジネスマンが一度は読むべき古典の1つである。 「時代は変わる。しかし、人間の本質はそれほど変わらない。」ー本書より抜粋。

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2019/07/10

ビルゲイツが"最高のビジネス書"として何度も読み返している本らしい。 アメリカ経済の転機となるような出来事、例えばフォードの失敗、Xeroxの株暴落、GEの価格カルテルなどが取り上げられている。 いずれも登場人物の内面にフォーカスしており、課題はいつの時代...

ビルゲイツが"最高のビジネス書"として何度も読み返している本らしい。 アメリカ経済の転機となるような出来事、例えばフォードの失敗、Xeroxの株暴落、GEの価格カルテルなどが取り上げられている。 いずれも登場人物の内面にフォーカスしており、課題はいつの時代も変わらないことを示唆している。 個人的には、永遠のテーマである"コミュニケーション"についての章が特に興味深かかった。 "コミュニケーションの断絶は、個人の内面から生じる。自分自身との対話がうまく行かなければ、他人との対話など不可能だ。 中略 そうなると、明確な命令を発するよりも曖昧でいるほうが好都合だと言う考え方が生まれてくるのは無理もない。"

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