女性たちの貧困 の商品レビュー
日本の女性の貧困の実態が信じがたい内容で記載された力作。 こういう作品をつくれるNHKの報道としてのすごさを感じる。 日本において子供の貧困率は16%(6人に一人)。一人親世帯の貧困率は54%。先進国でいずれも最悪レベル。 また20歳から64歳の働く世代である単身女性の貧困は3...
日本の女性の貧困の実態が信じがたい内容で記載された力作。 こういう作品をつくれるNHKの報道としてのすごさを感じる。 日本において子供の貧困率は16%(6人に一人)。一人親世帯の貧困率は54%。先進国でいずれも最悪レベル。 また20歳から64歳の働く世代である単身女性の貧困は3人に一人にのぼる。 さらに非正規雇用で年収200万円以下の若年女性(15-34歳)は300万人にのぼる。ちなみに雇用者全体の非正規雇用率は38%.. 数字上でも深刻だけど丹念な取材から悲惨さの実態が浮かび上がる。 巻末の国谷キャスターの「人生のスタートで夢や希望が奪われる社会とは」というコメントにすべてがある。十代の後半の女性はもっとも夢や希望や楽しみのある時期のはずなのにそれすら奪われている。どうすれば彼ら彼女が再び夢や希望をもつことができるのか?
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「女性を取り巻く状況の変化があるにもかかわらず、企業で働く親や夫といった『男性による扶養』が前提とされ、女性が『個』として生きていく、支えられていく仕組みが不十分である現状を見ていると、女性の貧困という問題は、“見えづらい”のではなく“みえないようにしてきた”のではないかとさえ思...
「女性を取り巻く状況の変化があるにもかかわらず、企業で働く親や夫といった『男性による扶養』が前提とされ、女性が『個』として生きていく、支えられていく仕組みが不十分である現状を見ていると、女性の貧困という問題は、“見えづらい”のではなく“みえないようにしてきた”のではないかとさえ思えてくる」(p219) この取材班のコトバどおりで、まさにここに女性の貧困問題が集約されていることが、本書を読む中でひしひしと伝わってきた。
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仕事柄、似たような家庭を多く見る。放課後学習会や、食事、洗濯、掃除、異性との付き合いなど、さまざまな支援の必要性を感じる。定時制の福祉的機能の充実は急務かと。
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