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十二単衣を着た悪魔 の商品レビュー

4.3

74件のお客様レビュー

  1. 5つ

    35

  2. 4つ

    26

  3. 3つ

    9

  4. 2つ

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2024/11/01

源氏物語に興味がある人の一歩目にちょうどいいと思います。 主人公が、いきなり迷い込んだ源氏物語の世界を受け入れるのが早かったり…非凡だと言うのに適応能力が高かったり…少し突っかかる部分がありました。ただとても読みやすく、平安時代の人間関係や思惑などが覗き見てれて内容も面白いので、...

源氏物語に興味がある人の一歩目にちょうどいいと思います。 主人公が、いきなり迷い込んだ源氏物語の世界を受け入れるのが早かったり…非凡だと言うのに適応能力が高かったり…少し突っかかる部分がありました。ただとても読みやすく、平安時代の人間関係や思惑などが覗き見てれて内容も面白いので、すぐ読み終わりました。

Posted byブクログ

2024/09/03

正直なところ私は源氏物語は全く詳しくなく、ほぼ何も知らない状態から読んだ。 しかしとても読みやすく、面白く、サクサク読むことができた。 内容的には最近流行りの異世界転生ものっぽい感じがあり、物語序盤で主人公が手にするあらすじ本が言わば未来視のチートアイテムのような感じもある。 ...

正直なところ私は源氏物語は全く詳しくなく、ほぼ何も知らない状態から読んだ。 しかしとても読みやすく、面白く、サクサク読むことができた。 内容的には最近流行りの異世界転生ものっぽい感じがあり、物語序盤で主人公が手にするあらすじ本が言わば未来視のチートアイテムのような感じもある。 (とか言っておきながら、実は私自身は異世界転生ものは読んだことがないのを詫びたい) そう書くと転生先でやりたい放題かと想像するが、作者自身のあとがきで記載の通り、しっかりと弘徽殿女御を中心とした源氏物語の世界に沿って話は進んでいく。 物語の中では主人公や弘徽殿女御周辺の人物の心理描写を中心として描かれており、現代の便利さなど一ミリもない平安時代の世の中でも、人の愛や嫉妬、母の強さなどは変わらないのだろうなと想像させる。 神の子とされるほどの美しさ、上品さ、人を惹きつける魅力を放つ光源氏も本作の中では性欲モンスターとして描写が強く、読んでいて呆れるというか、本当に「お前なぁ・・・」という気持ちに何度もさせられた。 私自身男性であるが、光源氏のように下半身に主導権を握られたくないものである。 ラストに向けた描写は大筋は想像通りだったものの、前向きな終幕となりすっきりした気持ちで読み終えることができた。 一番最後に衝撃だったのは、作者紹介欄に記載のあった作者の生まれ年。 1948年と書いてあり、本日時点で御年75歳。 あまりにも現代的な文で読みやすく、作者は30代かそうでなくとも40代くらいだと思っていたので、想像を遥かに超えていた驚きで読後感が吹っ飛んでしまった。 タイトルもプラダを着た悪魔をもじったのだろうと初見からわかっていたが、この映画も公開は2006年で全く想像がつかない。 作中にスマートフォンというワードも出てくるが、この本のリリースは2012年5月であり、当時のスマートフォンはiPhone 4Sの世代。 作中後半に出てくることを加味しても、執筆中はもう少し前のはずなのでiPhone4世代だと考えられる。 まさにスマホ黎明期でスマートフォンを持っている人のほうが圧倒的に少なかった時期。 そんな時代から当たり前のように作中にスマートフォンというワードが登場するあたり、作者の若さに本当に驚かされた。 最後にもしかしたらこの投稿を読んでいるかもしれないこの本を貸してくださった方へ。 4年も本借りっぱでごめんなさい。明日返します。

Posted byブクログ

2024/08/13

気付いたら源氏物語の中に入り込んでいた…と聞いただけでワクワクするような話だと思った。 私は源氏物語を一切読んだことがなく、全く源氏物語の内容がわからないで読み始めた。 読み進んでいるときには感じなかった、源氏物語への思いが読み終わった後に爆発した。 もっと源氏物語を知りたい、...

気付いたら源氏物語の中に入り込んでいた…と聞いただけでワクワクするような話だと思った。 私は源氏物語を一切読んだことがなく、全く源氏物語の内容がわからないで読み始めた。 読み進んでいるときには感じなかった、源氏物語への思いが読み終わった後に爆発した。 もっと源氏物語を知りたい、読みたい。 もっといろんな人達の心に触れてみたいと思った。 近々源氏物語をちゃんと読んでみようと思う。

Posted byブクログ

2024/08/01

何をやってもダメな兄、雷はなんでもできる弟の水に引け目を感じていた。 就職もできず彼女にフラれた雷はある日、源氏物語の世界に迷い込み、陰陽師として生きることに。 源氏物語の世界を分かりやすく示した物語。 光源氏がただのセックス依存症のラテン系男だということが分かった。愛憎劇...

何をやってもダメな兄、雷はなんでもできる弟の水に引け目を感じていた。 就職もできず彼女にフラれた雷はある日、源氏物語の世界に迷い込み、陰陽師として生きることに。 源氏物語の世界を分かりやすく示した物語。 光源氏がただのセックス依存症のラテン系男だということが分かった。愛憎劇ドロドロの物語。

Posted byブクログ

2024/06/27

荒唐無稽な話でしたが、とても面白く(興味深い)いっきに読んでしまいました。最終章もよかった。成長した雷にもう一度会いたいと思った。

Posted byブクログ

2024/06/06

弘徽殿の女御! 源氏の身近にいても愛人にならなかった強い女というか敵として捕らえられがちな 彼女目線の源氏世界は現代感覚アレンジも違和感なくておもしろかった。 源氏は誰目線で読み解くかでほんと印象変わるし、なんとなく流されて自分がなさげだったり刹那的で八方美人だったりみたいな印象...

弘徽殿の女御! 源氏の身近にいても愛人にならなかった強い女というか敵として捕らえられがちな 彼女目線の源氏世界は現代感覚アレンジも違和感なくておもしろかった。 源氏は誰目線で読み解くかでほんと印象変わるし、なんとなく流されて自分がなさげだったり刹那的で八方美人だったりみたいな印象が強い人たちでさえ実はみたいな強かさや苦しさがあったりするのがおもしろいな、だからこう1000年も読み継がれ研究されありとあらゆる二次創作が生まれてくるんだなあ

Posted byブクログ

2024/08/30

「実は私ね、『恐い女』と言われるのは嫌いじゃないの」耳を疑った。普通、女は「可愛い」と言われるのが好きで「恐い」は喜ばないだろう。だが、女御は本当に嬉し気に言った。 「「可愛い女』にはバカでもなれる。しかし、『恐い女』になるには能力がいる」 「しかし女側様、恐い女は『女』として見...

「実は私ね、『恐い女』と言われるのは嫌いじゃないの」耳を疑った。普通、女は「可愛い」と言われるのが好きで「恐い」は喜ばないだろう。だが、女御は本当に嬉し気に言った。 「「可愛い女』にはバカでもなれる。しかし、『恐い女』になるには能力がいる」 「しかし女側様、恐い女は『女』として見られないから、淋しいと思いますが」 「男はね、自分に自信があって能力があれば、恐い女だろうと『女』として見る。無端な男は、『女』として見ないわね。だけど、無能な男になんか、私、馬や牛に見られてもまったく構わぬ」 「女が幸せな人生を勝ちとるのに、必要なものは二つだけ。決断力と胆力だ。それさえあれば、たいていのことはどうにでもなるわ」 「人は老い、時代は動く。いつまでも同じ人間が同じ場所に立っていられるはずがない。必ず若い者の世になる。それをわきまえることが大切。若い者には負けぬと、あがいたりみじめな画策をしないことが、人の品性というもの。若い者には負ければよろしい」

Posted byブクログ

2024/01/26

痺れる程にかっこよく、ウーマンオブザイヤーだったら大賞クラスの弘徽殿の女御がメインのストーリー。 源氏物語は、7年位講座に通っていたので元々興味がありました。 「十二単を着た悪魔」は本家とはかなり違う視点で書かれていましたが、最初から最後まで楽しく読ませていただきました。 ちな...

痺れる程にかっこよく、ウーマンオブザイヤーだったら大賞クラスの弘徽殿の女御がメインのストーリー。 源氏物語は、7年位講座に通っていたので元々興味がありました。 「十二単を着た悪魔」は本家とはかなり違う視点で書かれていましたが、最初から最後まで楽しく読ませていただきました。 ちなみに本家の弘徽殿の女御といえば、ヒール度100%の悪の帝王という感じです。 内館牧子さんはそのイメージを全て覆し女御の知られざる?魅力を存分に引き出す方法として、現代の感覚と発想を持つ女性として女御を登場させました。 とりわけ印象的だったのは彼女の言葉でしょうか。 とにかく何でもズバッとハッキリ言ってのけてしまうのです。 今の時代では好ましいかもしれませんが、平安時代では完全にNGです。 周りに控えている人々は完全に引いてまい、帝ですら 恐れていました。 どこまでも強くて厳しい物言いなのですが、言葉の底には、世のために…という確かな思いがありました。 光は気付いていたのだと思われます。 人間離れした鋭すぎる感性を持つ人物だったので。 そしてもう一人の主人公の雷。 雷は元々現代の人なのですが、なぜか源氏物語の世界へトリップしてしまったのです。 26年という長い年月を女御の側で過ごし、女御と他の様々な人物たちと喜怒哀楽を共有してきました。 その中で心の機微というものを捉えられる人間に成長したのだろうと思われます。 どんな時でも誠実に丁寧に向き合うという事は、相手の本当の思いに触れられる第1歩なのでしょう。 今一度、本家の女御を見直してみようと思い立ち、昔の資料を発掘中です。 当時読んでた本も出てきましたけど、それは又次の機会に。 私の部屋はすっかり散らかってしまいましたが大満足な読書体験でした。 (足の踏み場はありますよ…一応歩けますので…) 最後に女御の決めゼリフ。 「能力は形にして示すものだ」 やっぱり痺れます。

Posted byブクログ

2023/12/19

源氏物語にワープしてしまった若者といえば、光源氏の関係者の頭中将か、源氏付き人の惟光の近辺にいる人にするのか、と想像するのは平凡。陰陽師を持ってきた作者の発想は、ヒロインが弘徽殿女御であるからなるほどと思う。 なにしろ弘徽殿女御は超オカルトチックに、政的の恋人に憑りついて殺人ま...

源氏物語にワープしてしまった若者といえば、光源氏の関係者の頭中将か、源氏付き人の惟光の近辺にいる人にするのか、と想像するのは平凡。陰陽師を持ってきた作者の発想は、ヒロインが弘徽殿女御であるからなるほどと思う。 なにしろ弘徽殿女御は超オカルトチックに、政的の恋人に憑りついて殺人までするのだから、陰陽師という現代から見るといかがわしくも怪しい職業なのでさもありなんと、一応は源氏物語を知っているのでわくわくする。 その若者「雷」君はトリップする前に現代社会では、大学卒業したけれど受けた全社落ち、フリーターになってしまい、行き場を探している青年というわけで、古文の文芸の世界で何を得るのかが興深い。 このエンターテインメントが幕開は、雷青年の現世では兄が容姿端麗・頭脳明晰とちょうど光源氏のようで、光源氏の兄に当たる弘徽殿女御の息子一宮という、皇太子候補なのに影薄い君に味方するのは、出来すぎの兄弟を持ったよしみで同情したので助けることになった。 源氏物語の筋をたどり、そう来るかと、むふふふと作者の機知を楽しんだ。 けれど、 あれぇ?須磨の巻までなの? 落ちがそれ!と思いがけなくて、脱落したのでありましたが。

Posted byブクログ

2023/11/05

源氏物語をほとんど読んだことがないのだが,この超大作は面白すぎる! 浦島太郎の反対バージョンにもなってるのかな?

Posted byブクログ