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あやかし草子 の商品レビュー

3.8

23件のお客様レビュー

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2024/01/04

鬼、天狗、座敷童などのあやかしをテーマにした短編集。舞台が現代から離れるほど、1つ1つ想像しにくくて読むのむずかしい。生きていない時代を、起きていないことを、これだけの解像度で描きあげてしまうことを、才能だねとまとめたくない。きっとめちゃくちゃ調べているんだろうな。だから、いつも...

鬼、天狗、座敷童などのあやかしをテーマにした短編集。舞台が現代から離れるほど、1つ1つ想像しにくくて読むのむずかしい。生きていない時代を、起きていないことを、これだけの解像度で描きあげてしまうことを、才能だねとまとめたくない。きっとめちゃくちゃ調べているんだろうな。だから、いつもごはんの表現がおいしそうすぎるんだろうな。笑

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2023/06/18

儚くて、切なくて、愛おしい「あやかし」の集まりでした。 幻想的で神秘的な雰囲気の「あやかし草子」は、千早さんだからこそ描けるのではなかろうか。

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2023/02/09

人と人でない妖や狐狸の類が今よりもずっと当たり前に存在している時の話。かぐや姫モチーフぽいのとかありましたね。よくおとぎ話にある白蛇も。どれもお互い好きあって、でもそれぞれの棲む世界は違うみたいに本気で交わらない登場人物が多いですな。 化かされつつ、己の世界は見誤りはしない芯があ...

人と人でない妖や狐狸の類が今よりもずっと当たり前に存在している時の話。かぐや姫モチーフぽいのとかありましたね。よくおとぎ話にある白蛇も。どれもお互い好きあって、でもそれぞれの棲む世界は違うみたいに本気で交わらない登場人物が多いですな。 化かされつつ、己の世界は見誤りはしない芯がある。おとぎ話のようですが、堕ちていかない安心感のある話でした。

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2021/10/30

 飾り立てない柔らかで分かりやすい古文調の文体なのに、切なさがとても伝わる作品。収録された中では「ムジナ和尚」と「天つ姫」が特に好きである。  2作とも端的に言えば、妖と人間が異なるいきものであるということが書かれている。理が違い、掟が違い、共に長く生きることはできない。けれども...

 飾り立てない柔らかで分かりやすい古文調の文体なのに、切なさがとても伝わる作品。収録された中では「ムジナ和尚」と「天つ姫」が特に好きである。  2作とも端的に言えば、妖と人間が異なるいきものであるということが書かれている。理が違い、掟が違い、共に長く生きることはできない。けれども心を通わせあうことはできる。奇しくも「涙」が要となるこの2話が2つの世界の狭間で揺れるいきものの感情を最も丁寧に書いていたと思う。

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2021/05/14

俺はこういう昔話、まんが日本昔話(古っ)的な展開が好きなんだなぁと思った。いや。違う。改めてこの作家の持つ不思議な力に、自然に惹き込まれていくんだなぁと一晩明けて気づいた。 まったく時代の古さは感じず、あたかもいま日本のどこかで起きているような新鮮な感じすらする(ンなことはないか...

俺はこういう昔話、まんが日本昔話(古っ)的な展開が好きなんだなぁと思った。いや。違う。改めてこの作家の持つ不思議な力に、自然に惹き込まれていくんだなぁと一晩明けて気づいた。 まったく時代の古さは感じず、あたかもいま日本のどこかで起きているような新鮮な感じすらする(ンなことはないか)。あやかし、の持つなんとも言えない、ゾクっとする感じが心地よし。間違っても朝の通勤電車

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2021/04/30

ひとと、ひとならざるものとのかかわりの短篇集。個人的には「ムジナ和尚」「真向きの龍」が好き。 舞台は現代ではないが、どこかかなしかったり、おそれを抱かされたりと、『異なる』ものに目を向かせられた、ように感じた。

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2021/02/04

『真向きの龍』、白石晃士監督の『戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ!FILE-02【暗黒奇譚!蛇女の怪】』って作品を彷彿とさせる…

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2020/12/21

千早作品は最初に「魚神」を読んで以来、現代物ばかり読んでたので久しぶりの時代物。 京極夏彦や恒川光太郎の様な雰囲気があってとても好み。 作者独特の世界観と言うか何とも言えない温かさがある。 藤沢周平の短編のような、どれだけ読んでも飽きさせない筆力を感じる。 改めて作者との相性の良...

千早作品は最初に「魚神」を読んで以来、現代物ばかり読んでたので久しぶりの時代物。 京極夏彦や恒川光太郎の様な雰囲気があってとても好み。 作者独特の世界観と言うか何とも言えない温かさがある。 藤沢周平の短編のような、どれだけ読んでも飽きさせない筆力を感じる。 改めて作者との相性の良さを感じた作品。

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2019/07/22

6編から紡がれる、人とあやかしの物語。 人の世界は残酷で、あやかしの世界は純粋で。 昔話のような教訓的な何かではない、人としての在り方、考え方を振り返る。 互いに学ぶことはできても、共に在ることは幸福とは言えないと感じたのは、自分があやかしと交わった事がないからなのか否か。

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2019/04/17

面白かったです。 千早さんの、今度は日本の妖をモチーフにした短編集でした。 こちらも妖しく暗くて良かったです。 情景や色彩を鮮やかに感じました。夜の闇、竹林の緑、夕日のままの国の赤。映像的です。 お話は、天狗と姫の間にあった気持ちが切ない「天つ姫」と、アルビノの座敷わらしが子ども...

面白かったです。 千早さんの、今度は日本の妖をモチーフにした短編集でした。 こちらも妖しく暗くて良かったです。 情景や色彩を鮮やかに感じました。夜の闇、竹林の緑、夕日のままの国の赤。映像的です。 お話は、天狗と姫の間にあった気持ちが切ない「天つ姫」と、アルビノの座敷わらしが子どもを夕日の国に閉じ込める「機尋」が好きでした。 妖…畏怖する存在ですが、どこか物悲しくて惹かれます。

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