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泡 裸木 の商品レビュー

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2017/10/25

小津ものと呼ばれる作品を集めた本。 ずーっとそれ。たぶん同じ時間軸のところがたくさんあるんだけど、それを手を変え品を変えて、散々深堀して書いている。途中、割とつらかった(笑) ここまでの執念、いったいどこから出てくるのだろう。「何のために生まれて来たのやら」返答に困ると書いてい...

小津ものと呼ばれる作品を集めた本。 ずーっとそれ。たぶん同じ時間軸のところがたくさんあるんだけど、それを手を変え品を変えて、散々深堀して書いている。途中、割とつらかった(笑) ここまでの執念、いったいどこから出てくるのだろう。「何のために生まれて来たのやら」返答に困ると書いている人なのに。 最後の作品からあとがきにかけて、一人の女性の生涯が見え、自分がいかに生きる力の弱いことかを思い知らされた。 生きていく、彼女はそこまで強い意志をもって生きてはいなかった、というより、意識をして生きていないような気がする。変な例えかもしれないけれど、生きているから生きていく、犬や猫…そう、長太郎の晩年の作品にある、自殺を知らない牛や馬のように、とでもいうのかな。 小津や長太郎より一番生きていた、そんな感じのする女性だった。理屈抜きのしたたかさ。 そこには孤独な生い立ちがあるんだけれどね。 ちょっと目が覚めた気がした。

Posted byブクログ