化物で楽しむ江戸狂歌 の商品レビュー
『狂歌百鬼夜狂』は、天明5年、 蔦屋重三郎が企画した狂歌会をもとに刊行されました。 狂歌会には、狂歌ブームの火付け役である四方赤良(大田南畝)をはじめ、 16名の狂歌師が集まり、当時人気の素材であった化物をお題に、 「百物語」に倣って、百首の狂歌が詠まれました。 本書は、狂歌の基...
『狂歌百鬼夜狂』は、天明5年、 蔦屋重三郎が企画した狂歌会をもとに刊行されました。 狂歌会には、狂歌ブームの火付け役である四方赤良(大田南畝)をはじめ、 16名の狂歌師が集まり、当時人気の素材であった化物をお題に、 「百物語」に倣って、百首の狂歌が詠まれました。 本書は、狂歌の基礎知識、各歌の原文・現代語訳・語釈、化物の挿絵を収録。
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怪しいものを見ても怪しまなければ春秋左氏伝に描かれた化物話も嘘となり、怪しいものを見て怪しめば六十六部の語る地獄の沙汰も真実となるだろう。今日の学者怪異を頑なに否定し、僧侶が不思議を好むことから、最近では怪しいものを怪しいとは思わず、かえって怪しくないものを怪しむものだ。化物が身...
怪しいものを見ても怪しまなければ春秋左氏伝に描かれた化物話も嘘となり、怪しいものを見て怪しめば六十六部の語る地獄の沙汰も真実となるだろう。今日の学者怪異を頑なに否定し、僧侶が不思議を好むことから、最近では怪しいものを怪しいとは思わず、かえって怪しくないものを怪しむものだ。化物が身近にあった江戸享楽の時代。化物とは言うが意外に人間的。狂歌が化物を通して時代の風情、風俗、世相を楽しませてくれる。情趣という点で今とさほど変わらない江戸庶民の心に日本人としてのアイデンティティーを感じた。
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酒宴のさなかに窓の外に人魂のような光を見たことから始まったのは化物狂歌会。古屋敷にて百物語よろしく百の狂歌を楽しむ人々。参加者が来ない、変な音がした、あるはずのない簀戸がある等すべて妖怪のしわざとみなし大はしゃぎ。でもみんなまったく怖がってないのが行間からダダ漏れですね。 詠むに...
酒宴のさなかに窓の外に人魂のような光を見たことから始まったのは化物狂歌会。古屋敷にて百物語よろしく百の狂歌を楽しむ人々。参加者が来ない、変な音がした、あるはずのない簀戸がある等すべて妖怪のしわざとみなし大はしゃぎ。でもみんなまったく怖がってないのが行間からダダ漏れですね。 詠むにあたり7つのルールを決め、知性とユーモアを混ぜて狂歌をつくり、時々怖がらせるようなこと言って、酒と肴をつまんで蝋燭ともして大盛り上がりの17人のおっさん。濃いぃ。 本文もですが解説に笑わせてもらいました。序文は臨場感ありすぎー!相当楽しかったんだろうな。
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