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「育休世代」のジレンマ 女性活用はなぜ失敗するのか? の商品レビュー

4.1

57件のお客様レビュー

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2014/11/18

切実な本だ。修士論文を元にした出版で、今後、このように新書に論文を書き直した出版は歓迎したい。 いわゆる女性の勝ち組にも、ケアとジェンダーの問題が根強く横たわっていたことを15人の「語り」の中で、分析している。 男女共同参画ではなく、ケアしているものの参画という指摘が鋭かった...

切実な本だ。修士論文を元にした出版で、今後、このように新書に論文を書き直した出版は歓迎したい。 いわゆる女性の勝ち組にも、ケアとジェンダーの問題が根強く横たわっていたことを15人の「語り」の中で、分析している。 男女共同参画ではなく、ケアしているものの参画という指摘が鋭かった。

Posted byブクログ

2014/11/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

有名大学を出て就職活動も勝ち抜き、大企業に就職して高収入を得て、早い時期に結婚・出産。どこから見ても「勝ち組」に見える女性たちが抱えることになったジレンマ。 男性中心に作られた競争のルールの中で、自分が女性であることを意識することなく育ち、実際に勝ってきた優秀な女性は、子どもを産んで初めてそれまで競ってきた男たちと同じ土俵に立たされていないことに気づく。この人たちは「男も女も仕事をしてこそ」と思っているので、逆に夫にケア責任を担ってもらうことができずに自分がやめる。 ふんふんなるほど。同じく企業で働く同僚として、またこれから自分も同じ立場になるかもしれない女性として、頷く点は確かにある。 でも、でもですよ。 有名大学出身で大企業の総合職となったエリート女性たちのインタビューの、口調のあまりの稚拙さにゾッとしたので星2つで… 話し方もそのまま掲載というのが重要なのかもしれないけれども、この人たちに社会人としての覚悟があるとは思えず不安になった。

Posted byブクログ

2014/10/16

「出産後も就労継続を志向する女性」(いわゆるバリキャリ?)の悩み・葛藤・その構造、そして解決策を検討したもの。ざっくりいうと「妊娠前のようにバリバリ働きたい」⇔「でも(十分な育児もしたいから)みんなと同じように働けない」「バリバリな仕事をやらせてくれない」というような。15人の女...

「出産後も就労継続を志向する女性」(いわゆるバリキャリ?)の悩み・葛藤・その構造、そして解決策を検討したもの。ざっくりいうと「妊娠前のようにバリバリ働きたい」⇔「でも(十分な育児もしたいから)みんなと同じように働けない」「バリバリな仕事をやらせてくれない」というような。15人の女性にインタビュー・ケースを分析するという形で書かれているのだけど、「わかる~」って話も多くすいすい読めました。 男女ともに働きやすくなるために必要とされているのは、第一にまさにこの本が「ケア責任」と名付ける責任の分散なんだと思う。子どもを育てるとなると、授乳・おむつ替え・泣いた時の対処・寝かしつけなんかから始まって、日中一緒に遊んであげる・危なくないよう見ててあげる・病気の時の対処等々いろんな「お世話」をする責任が待ってる。大人が生活するための家事も。産むことと母乳あげることは母親にしかできないけれど、それ以外は父母平等でいいはず。というところから「みんなが」出発するようにしないと解決しないと思う。 第二にそういう制約のある時期を「誰しもあるもの」として「適度な配慮」(この本では「過剰な配慮」=やりがいを感じられない「楽すぎる」仕事への配置も退職の一因になると指摘している)をしていく職場側の変革。成人男女の客観的な統計上も結婚して子供がいる人の方が多いのだから、子育てで大変な期間は一定の配慮をすればいいと思う。 私がこれまで見た限り、今の職場はこの面ではすごく「良い」部類なんだろうと思う。自分自身、子ども生むことが特段不利益とかそういう観念自体抱かなかった。そういえば「焦ることもあるかもしれないけど長い目で見れば変わらないから。」と言ってくれた先輩女性もいた。そして確かにその人自身、言ってくれた時点で十二分に能力を発揮・評価されているように見えたので「そうだよね」ぐらいにしか思わなかった。先輩女性たちは多くが子育てを経ている人だし、全体の男女比率に比べて管理職?の男女比率が劇的に変わっていないこともあると思う。育休明けの勤務地がどこであれ、「まあ今はそういう時期だな」程度にしか思わないと思う。 この本読んでてわかった、あと二つ、大きい要因は、仕事の「質」が変わらないということと、(たまたま上司の巡り合わせか?)男女問わず、子ども関係理由に早く帰ったり遅く来たりが、仕事に支障ない限り普通に行われていたことだと思う。 もしかしたら自分も目をそらそうとしているだけで、他の人から見たらそんなことないのかもしれない。でも育休とる側がこう思えるっていうのは大事だと思う。

Posted byブクログ

2014/10/14

働き方を考えてしまう本 インタビューの女性の妊娠前平均帰宅時間が20時から1時の時点で、若者にこんな働きをさせなければならない日本の雇用を考えてしまう。 マミートラックの定員問題やまだ結婚について女性の立場が弱いことがありありと書かれていた 。 上司が女性である場合、理解が得やす...

働き方を考えてしまう本 インタビューの女性の妊娠前平均帰宅時間が20時から1時の時点で、若者にこんな働きをさせなければならない日本の雇用を考えてしまう。 マミートラックの定員問題やまだ結婚について女性の立場が弱いことがありありと書かれていた 。 上司が女性である場合、理解が得やすいケースはあるものの、女性管理職がまだまだ少ない現在、現場が変わるには時間がかかりそうだ。

Posted byブクログ

2014/10/13

共感の嵐。そして今まで漠然と感じ続けていた将来への不安について、これほどまでに的確に示してくれたことはなかった。本当にありがとう! 私自身は今、この本でいうところの「ケア責任を抱えない女性(出産を遅らせる女性)」にあたる。ただ100%本意でこの道を選んできたかというと、決してそ...

共感の嵐。そして今まで漠然と感じ続けていた将来への不安について、これほどまでに的確に示してくれたことはなかった。本当にありがとう! 私自身は今、この本でいうところの「ケア責任を抱えない女性(出産を遅らせる女性)」にあたる。ただ100%本意でこの道を選んできたかというと、決してそうとはいえない。 仕事と子供(妊娠・出産)を天秤にかけ、迷うタイミングはこれまで何度もあった。周囲からはその都度、「それってバーターにするべきものじゃないんじゃない?」とアドバイスされ、私自身その意見に納得していた。ただ、それでもついバーターとして捉えてしまうのは、自分の余裕や能力の無さに起因する気がして、勝手にひとりで落ち込むこともあった。 だからこの本を読んで、私と同じような思いを抱えた人がこんなにもいるのか、と勇気づけられるとともに、こうした悩みは個々人の問題ではなく社会全体の問題として捉えるべきだという筆者の思いに強く共感した。 中学高校を女子校で育って、大学に入って初めて受けたカルチャーショック。それは「女がしゃしゃるのはダメなんだ・・・」ということだった。冷静で頭のいい同期女子(共学校出身者)が決して同期男子を論破しないうえ、最善策といえない結論にも黙って従う。はじめはその行動が全く理解できなかったし、今でも頭では理解していても心の奥底では納得できていない、と思う。 だからこそ、売り手市場の波に乗って総合職として就職した訳だが、これまでも今も正直将来のキャリアが描けていない。 今後どうしていきたいか、どうやって生きていきたいか、改めて真剣に考えてみようと思う。

Posted byブクログ

2014/11/04

「私、自分が女であることに気づくのが遅すぎたんですよ」 この、おわりにに書かれている著者の言葉が深い。社会人になって男性と同じように仕事してきた女性にとっては、この言葉に深く頷くはず。 女性活用だとか男女平等だとか言われているけれど、別に女性だからと言って何も特別ではなくて。...

「私、自分が女であることに気づくのが遅すぎたんですよ」 この、おわりにに書かれている著者の言葉が深い。社会人になって男性と同じように仕事してきた女性にとっては、この言葉に深く頷くはず。 女性活用だとか男女平等だとか言われているけれど、別に女性だからと言って何も特別ではなくて。性別、年齢、国籍など関係なく、全ての人がそれぞれ望むキャリアを築いていける環境を作らなければ何も解決しないんだなとしみじみ思う。 とは言っても、そんな理想の環境は誰かが用意してくれる訳ではないので、そこは賢く選択していく必要があるのでしょう。

Posted byブクログ

2014/10/04

予想以上にエンジョイしました。女性だけでなく、男性も含めすべての人が平等に自身に合うライフスタイルを自ら選択できる世の中。資本主義という仕組みの中で「お金を稼ぐ」というタイプの労働に過剰な価値が置かれ、ケア労働の大切さ•必要さが軽視される世の中への疑問の提示。今までモヤモヤしてい...

予想以上にエンジョイしました。女性だけでなく、男性も含めすべての人が平等に自身に合うライフスタイルを自ら選択できる世の中。資本主義という仕組みの中で「お金を稼ぐ」というタイプの労働に過剰な価値が置かれ、ケア労働の大切さ•必要さが軽視される世の中への疑問の提示。今までモヤモヤしていたものが、非常に分かりやすく整理され、考えるきっかけをいくつも与えてくれた良書。

Posted byブクログ