エデンの果ての家 の商品レビュー
母が殺された 捕まったのは母に溺愛された弟だった 物語はこのショッキングな出来事から始まる。 両親の理想通りに育ち、一流企業に勤め優しく優秀な弟と愛される事を諦めた兄。 以前読んだ「ゆれる」と同じように事件は限りなく黒に近いグレーで弟の裁判が始まるのですが、この物語は犯人は誰...
母が殺された 捕まったのは母に溺愛された弟だった 物語はこのショッキングな出来事から始まる。 両親の理想通りに育ち、一流企業に勤め優しく優秀な弟と愛される事を諦めた兄。 以前読んだ「ゆれる」と同じように事件は限りなく黒に近いグレーで弟の裁判が始まるのですが、この物語は犯人は誰か?という事が焦点ではない。 弁護士の言葉が印象的でした 「親っていうのは、子どものことなんて、なに一つ知ってなんかいないんですよ。最悪なのは、なにも知らないってことを、わかっていないことです」 無実を頑なに信じる父親 弟を信じられない事に悩む兄 裁判が進むにつれてこの2人が少しずつ変わっていく様子がこの作品の一番の読みどころです。 桂さんの作品は何作か読んでますが、人が変わっていく姿が絶妙に上手いと感じます。 「エデンの東」へと桂望実がおくるオマージュ おすすめですd(^_^o)
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家族の嘘に気づく瞬間が、とても切なかった。弁護士さんの扱いが雑で、ちょっと気の毒でした(苦笑) 2019/6/12読了
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+++ 母が殺された――その悲しみの葬儀の席で逮捕連行されたのは、弟だった。 大企業勤務のエリートサラリーマンの父、良妻賢母を絵にかいたような料理上手の母、幼いころから両親の期待を一身に背負い、溺愛されてきた弟、そして彼らのなかで、ひとり除けものであるかのように成長した主人公、葉...
+++ 母が殺された――その悲しみの葬儀の席で逮捕連行されたのは、弟だった。 大企業勤務のエリートサラリーマンの父、良妻賢母を絵にかいたような料理上手の母、幼いころから両親の期待を一身に背負い、溺愛されてきた弟、そして彼らのなかで、ひとり除けものであるかのように成長した主人公、葉山和弘。 遺棄死体となって発見された母親の被疑者が弟であったことで、父親は半狂乱になって弟の無実を証明しようとするのだが――。 +++ ミステリでもあるが、名ばかりの家族がほんとうの家族になっていく苦しい道のりの物語でもあるような気がする。親は子どものことを、実は何もわかってはいないし、子もまた親の心底の気持ちを理解しているとは言えず、互いにすれ違い、思い違ったまま、別々の記憶を背負って苦しんでいるのである。葉山家の場合、それを解きほぐすきっかけになったのが、母の死だったのである。その後、犯人として弟が逮捕されてからの証人探しのなかで少しずつ明らかになっていく真実を直視することで、これまでの家族に対する思い込みが崩壊し、初めから組み立て直さなければならなくなる。被害者家族であり、加害者家族でもあるという複雑な立場に置かれた葉山家の葛藤と、だからこそ家族の形が取り戻せるかもしれないという微かな喜びがまじりあった一冊でもある。
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退屈だったとは言わないけれど、取り上げた題材の割に著者の力量が足りていないように感じてしまったな。話の筋はいいのに文章がどこか稚拙で。盆栽の記述は良かった。主人公の核となったその部分をもっと深く知りたかった。
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ある日突然弟が逮捕される。母と元恋人を殺した容疑で。 弟を信じたいが過去を思い出せば思い出すほど弟が真犯人であると確信していく兄和弘。 学歴、仕事すべてに頑な信念をもつ父との過去の思い出と確執。 壊れて行くはずの家族関係が弟の無実を求めながら再構築されてゆく。 実際は殺人犯(まだ...
ある日突然弟が逮捕される。母と元恋人を殺した容疑で。 弟を信じたいが過去を思い出せば思い出すほど弟が真犯人であると確信していく兄和弘。 学歴、仕事すべてに頑な信念をもつ父との過去の思い出と確執。 壊れて行くはずの家族関係が弟の無実を求めながら再構築されてゆく。 実際は殺人犯(まだ容疑者)の家族は仕事も失い悲惨な末路になると言うけど、この話ではそうはならない。そこは現実離れしてる感じはする。
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母が殺され、犯人として逮捕されたのは、実の息子である弟だった。 真実はどこにあるのか。 裁判と主人公の過去の記憶の中で、残された父と息子の関係性が変わっていく。 面白かったです。 家族の中での疎外感を感じ続けてきてきた主人公和弘。 裁判を通じて、また父との会話から、自分の思い違...
母が殺され、犯人として逮捕されたのは、実の息子である弟だった。 真実はどこにあるのか。 裁判と主人公の過去の記憶の中で、残された父と息子の関係性が変わっていく。 面白かったです。 家族の中での疎外感を感じ続けてきてきた主人公和弘。 裁判を通じて、また父との会話から、自分の思い違いに気づくことが出来、父との関係が修復されるようで良かった。 お父さん、嫌なヤツでしたが、こういう人いますよね。 裁判が続く中で、少しずつ変わっていく姿にホッとしました。 犯人とされる弟の様子が一切わからない感じが、却って興味深く、好奇心を刺激させられた気がしています。
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父親に認められたい、また兄弟にコンプレックスを感じる主人公。RUN RUN RUNに似ている。読みやすいのだけど、後味がいまひとつさっぱりとしない。弟に真実を語って欲しかった。死日記の時はそのへんきっちり丁寧に書いてたのに、桂望実読みやすくて好きなんだけど雑になったなー。せっかく...
父親に認められたい、また兄弟にコンプレックスを感じる主人公。RUN RUN RUNに似ている。読みやすいのだけど、後味がいまひとつさっぱりとしない。弟に真実を語って欲しかった。死日記の時はそのへんきっちり丁寧に書いてたのに、桂望実読みやすくて好きなんだけど雑になったなー。せっかく盆栽のことも自分に例えたりして詳しく描写してるんだから、梶本や、あるいは弁護士についてももっと掘り込んで書くとか、、。図書館にて。
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母が殺された。 その悲しみの葬儀の席で逮捕連行されたのは、弟だった。 大企業勤務のエリートサラリーマンの父。 良妻賢母を絵にかいたような料理上手の母。 幼いころから両親の期待を一身に背負い、溺愛されてきた弟。 そして彼らのなかで、ひとり除けものであるかのように成長した主人公、葉山...
母が殺された。 その悲しみの葬儀の席で逮捕連行されたのは、弟だった。 大企業勤務のエリートサラリーマンの父。 良妻賢母を絵にかいたような料理上手の母。 幼いころから両親の期待を一身に背負い、溺愛されてきた弟。 そして彼らのなかで、ひとり除けものであるかのように成長した主人公、葉山和弘。 遺棄死体となって発見された母親の被疑者が弟であったことで、父親は半狂乱になって弟の無実を証明しようとするのだが――。
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盆栽は矯正されることで好みの形に作られる。そしてそれ故に丹精込めて大切に育てられる…読むのが辛くて苦しかったです。家族でも全て分かり合えなくてよい、ただ丸ごと受け止めるよ、という存在がどんなに難しいか。でも家族だから気付いた時からまたやり直していける。 最後救いがあり希望がみえま...
盆栽は矯正されることで好みの形に作られる。そしてそれ故に丹精込めて大切に育てられる…読むのが辛くて苦しかったです。家族でも全て分かり合えなくてよい、ただ丸ごと受け止めるよ、という存在がどんなに難しいか。でも家族だから気付いた時からまたやり直していける。 最後救いがあり希望がみえました。
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キャラクター設定に時々あざとさを感じるけど、読後感はよかった。弟が母の殺害容疑で逮捕され、残された父親と主人公である長男が弟の無罪を信じて裁判に挑むお話し。主人公は加害者の身内という世間から批難される立場でありながら、被害者の遺族でもあるという立場がせつない。
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