死んでしまう系のぼくらに の商品レビュー
ヒリヒリした小さな切り傷のような言葉たち。痛いから生を認識できる。 最果タヒ氏の詩集は何冊か読んでいるけど、これが今のところ一番好き。テーマが明確だと思う。
Posted by
ご近所さんが絶賛して是非とも読んで、とおススメするので読んでみました。 著者の作品は初めてです。 現代の詩人ということですが、私には受け取り方が分かりませんでした・・・ 「死」をキーワードにしてるところがまず苦手。 どの詩も、 「私を見て。さみしさを埋めて。」 っ...
ご近所さんが絶賛して是非とも読んで、とおススメするので読んでみました。 著者の作品は初めてです。 現代の詩人ということですが、私には受け取り方が分かりませんでした・・・ 「死」をキーワードにしてるところがまず苦手。 どの詩も、 「私を見て。さみしさを埋めて。」 って感じがしたし、もっと言うと好きな人に対して 「独占出来ないから死にたいし、独占したいから死にたい。」 という、思い詰めた感じの作品ばかりでした。 あとは、 「この感情は私だけのもの。好き、とか、さみしい、とか名前を付けて他人と同じようにひとつにくくらないで。私だけの感情なんです。」 という繊細さを感じたかな。 いずれにしても、私はさみしがり屋ではないし、誰かを独占したいみたいな若くて青い気持ちもないし、世界に対して自分を理解して欲しいっていう欲望もないし、この詩をもっと深く読み取る繊細さもなくて、要するに響かなかったです。 もう一冊読むけど・・・多分この印象は変わらないだろうなあ。 ご近所さん、どんだけ純粋なんだろう。若くて青い。今でも青春してるね。羨ましいわ。
Posted by
わたしがかみさまなら、あなたとのこの関係性にあたらしく名前を付けて、友でも恋人でもなく、あなたの名前をつけていた。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
第33回現代詩 花椿賞受賞。 2014年刊。 とってもひねくれていて、世界とか、人との関係を冷めた目でみているちょっといじわるな詩が多いと思いました。 言葉通りに全部受け取ると冷めているのに、大火傷をしてしまいそうな詩だと思いました。 というか、新しい紙きれの端で、指をさっと切ってしまうような、そんな感じです。 でも、本当はあたたかい心も持っている方だからこういう冷めた詩も書けるかもしれないと思いました。 この前に拝読した2018年刊の『天国ととてつもない暇』のほうが、私は好きな詩が多かったです。 「その長い線」 冬の第三角形のひとつが、そろそろ消えてなくなるらしい。そしたら、 三角はきっと、冬の長い線として、云い伝えられてしまうんだろう。 取り消し線をつけた恋は、なかったことになって、夜から朝に移動する。空の溝に捨てられる。都合がいいことばかり言って、愛とかゆめとか恋とか言ってる大人達みたいな顔になる。細い指だからこぼれていく、感情は、具体的な名前を持つ、感想だけに簡略化されて、きみへは友情、きみへは愛情、よくわからないものは無視と、決められていってしまうのね。 ほんとうはきみはあいつを好きじゃない。 好きとか嫌いとかない世界で、きみはあいつを好きにはならない。 楽器の貸し借りと本の貸し借りを、繰り返し行うだけのそれだけの、名前がかわいいあの人、という印象。 それを50年後まできっと忘れず、ふと未来の友人達に、語りたくなるような思い出。 それだけの関係。だったはずだ。 きみは好きじゃない。あいつのことなんて。そしてだからきょう、恋じゃなかったと告げて、かれの顔に線をつける。さよなら、あなたを忘れます。 愛なんて、恋なんて、ゆめなんて、言わなければきみは、細い針みたいに感情を指先に刺しながら、きみだけの名前をきみ以外の人が、ずっとくちずさむのを聞いていられた。 殺しちゃったね、またひとりの友人を。 (さみしさがいつかきみを殺す) 「絆未満の関係性について」「きえて」「2013年生まれ」「LOVE and PEACE」「さよなら、若い人。」「わたしのこと」もよかったです。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
詩集を読むことはほぼないし、正直同四でいいのかわからなかったけれど、 普段何も考えずに使っている、ことば、について、 ツールとしてじゃなくて、ことば自体を、 感じ直すというか、 不思議と落ち着いた。
Posted by
最果タヒ『死んでしまう系のぼくらに』を読む 最果タヒのデビュー時 彼女を読んだ時より 判る感 今あり それは わたしが若くなったわけでは もちろんない おそらく わたしの中で 言葉の運動が多くなったからだと考 吉本隆明は 年上の言うこと書く事を理解するのはできる ただ 年下の...
最果タヒ『死んでしまう系のぼくらに』を読む 最果タヒのデビュー時 彼女を読んだ時より 判る感 今あり それは わたしが若くなったわけでは もちろんない おそらく わたしの中で 言葉の運動が多くなったからだと考 吉本隆明は 年上の言うこと書く事を理解するのはできる ただ 年下の言うこと書く事を理解するには 三倍の力がいる とは誠である 最果タヒを若い人たちが読んでいる わたしも読む 判りたいと思う 判らないが好きじゃない だからしつこく読む とにかく読む 判るまで読む 赤本も併用して読む 最果タヒを徹底的に読む そういう覚悟があるわけではないけれど 判らない というのが嫌いなのだ けれど 今不思議だけれど 以前より ずっと最果タヒの詩が判る それはわたしにとって 喜び以外何物でもない 無理してでも 理解したい たとえ 実感が伴わなくても 言葉への思いがつづられた 「あとがき」を読めば 作者の言葉への思いが判る 「あとがき」こそ 今回の読書において 大事だった そうだよな そう思った 長い詩 短い詩 最果タヒは 「ご立派なことをいうのはもうやめませんか」 と言っている 最果タヒは 「花がきれい、ということをいうのはもうやめませんか」 と言っている 最果タヒを読んでいて 思うことは ・できる限り正確な言葉を使いましょう ・そうでないなら黙りましょう この誠実さ 言葉への誠実さがきれい また随所で出てくる 『獣』という言葉が気になった けれど それを理性との反復などと 「乱暴な言い方はやめませんか」 と 最果タヒは言うので 言えない 思潮社の『現代詩文庫』シリーズの 詩人たちはわずかだけれど 好きだし そこには 自然と思想がたくさんある けれど 最果タヒの詩は その自然と思想の外側に出て 「窮屈です」 と言う そこらへんが 一番面白い 判らないものを批判してはいけない 自分の持っているものがすべて だと確信することは危険 「感動しなかった」で 済ませてはいけない と切に思う 判らないの向こうに 荒野がある それをわたしは 高橋源一郎が判らないと思った時 執念で一年は食べた 結果 パッとわかった そのあとの言葉の豊饒さ 広がりほど 凄いことはなかった そういう実感があるから 今回も食べます まだ数冊借りてきている もっと食べる 冬眠前の 熊の如く
Posted by
こんな物騒なタイトルの詩集が若い人たちのバイブルなのかとの心配もタヒさん特有のボクやキミに寄り添う親和性の高い言葉たちがそれはちがうよと教えてくれる。 そうそれはどうせいつかは死んでしまうのだから一所懸命に生きなさい、一所懸命に愛しなさい、それが出来る今は今しかないのだから…との...
こんな物騒なタイトルの詩集が若い人たちのバイブルなのかとの心配もタヒさん特有のボクやキミに寄り添う親和性の高い言葉たちがそれはちがうよと教えてくれる。 そうそれはどうせいつかは死んでしまうのだから一所懸命に生きなさい、一所懸命に愛しなさい、それが出来る今は今しかないのだから…との応援のメッセージ。 残念ながら死んでしまう系ファイナルラウンドのおっさんのくたびれた肌はヒリヒリとはならなかったがこんな素敵な言葉を今受け取れる世代を羨ましく思ってみたりする。 人生あっという間だぞ、いのち短し恋せよ乙女
Posted by
20190623 よく分からなかった。一緒に手を繋いで歩いてると思ってたら自分だけ崖から落ちてたみたいな気分になる。
Posted by
『夜空はいつでも最高密度の青色だ』よりは、すっと頭に入ってきたし、わかるな、知ってるかもな、この感情(と括ってしまうことこそこの人が忌避したものかもしれないれけど)と思った。 わたしがもしも今10代で、たとえば中学生や高校生であったときに読んでいたとしたら、もっとずっと鮮烈に響い...
『夜空はいつでも最高密度の青色だ』よりは、すっと頭に入ってきたし、わかるな、知ってるかもな、この感情(と括ってしまうことこそこの人が忌避したものかもしれないれけど)と思った。 わたしがもしも今10代で、たとえば中学生や高校生であったときに読んでいたとしたら、もっとずっと鮮烈に響いたのかもしれない。まだまだ若いぜなんて思ってたけど、あの頃の気持ちを抱え込んだままここまで生きてくるなんてことがそもそも不可能だったってこと、今更に気づいてそれが今すこしだけさみしい。
Posted by
たまには詩集でも読んでみようかと思って手に取ったが…、あかん詩を味わえるスキルが俺にはなかった。詩よりも文章の方が、言葉の紡ぎ方として、好きというか、すんなり入ってくるというか…。 もっともっと基本的な詩集から読んでみるか、詩という表現を理解することを諦めるか。検討課題やなこり...
たまには詩集でも読んでみようかと思って手に取ったが…、あかん詩を味わえるスキルが俺にはなかった。詩よりも文章の方が、言葉の紡ぎ方として、好きというか、すんなり入ってくるというか…。 もっともっと基本的な詩集から読んでみるか、詩という表現を理解することを諦めるか。検討課題やなこりゃ。
Posted by