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虐殺器官 新版 の商品レビュー

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252件のお客様レビュー

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    82

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  3. 3つ

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2021/05/05

虐殺器官を最初に手に取ったのは高校生の頃だった。そこから何度も読み直しているのだが、その時の自分の置かれた環境によって毎回違った観点で読むことができる。内容の濃い素晴らしい作品であると思う。 SNS上で言葉の暴力が蔓延る現代を、伊藤計劃氏が存命であったならば、どんな作品を描いた...

虐殺器官を最初に手に取ったのは高校生の頃だった。そこから何度も読み直しているのだが、その時の自分の置かれた環境によって毎回違った観点で読むことができる。内容の濃い素晴らしい作品であると思う。 SNS上で言葉の暴力が蔓延る現代を、伊藤計劃氏が存命であったならば、どんな作品を描いたのだろうか。

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2021/04/22

SFとはいっても、現実のテクノロジーや宗教、歴史、価値観の延長線上の創作であるためにその世界観を想像しやすいことと、本質はやはり人間の意識や集団心理の怖さを書いてあること、そしてそれらが膨大な教養や趣味(主に映画)と、宗教(主にキリスト教)の文脈の上に敷かれている気がした。へぇ、...

SFとはいっても、現実のテクノロジーや宗教、歴史、価値観の延長線上の創作であるためにその世界観を想像しやすいことと、本質はやはり人間の意識や集団心理の怖さを書いてあること、そしてそれらが膨大な教養や趣味(主に映画)と、宗教(主にキリスト教)の文脈の上に敷かれている気がした。へぇ、そんな考え方もあるのかと読む手を止めてしまうこともしばしば。そんな感じで作者の独自の価値観に触れながらストーリーをなぞる読書体験はとても楽しいものでした。また日を改めて再読したい系の本でした。

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2021/04/19

SF、戦争、海外モノと苦手なジャンルが揃っているが面白い 。 哲学的な語りが多く会話で引用される小話が興味深かったりする レミング現象、ホロコースト、カフカ、ケビンベーコンゲーム、六人の隔たりなど 特に好きなのは120P〜 言葉が現実を規定すると言うよく聞く論の逆、 思考は...

SF、戦争、海外モノと苦手なジャンルが揃っているが面白い 。 哲学的な語りが多く会話で引用される小話が興味深かったりする レミング現象、ホロコースト、カフカ、ケビンベーコンゲーム、六人の隔たりなど 特に好きなのは120P〜 言葉が現実を規定すると言うよく聞く論の逆、 思考は言語に先行する、思考が対象とする要素の中に言語がある。 生存本能、生存適応から獲得した進化の産物としての言葉や集団行動を行うための利他行動があると言う主張が非常に面白かった。 生存のために他の存在と自分を比較してシミュレートする、そのために自分と他人、自我が発生した。予測した情報を個体間で共有するために言葉が発生した 良心は進化の過程で生まれた。ゲーム理論では初期の単純な状態では個々は自己都合で動き裏切り、暴力は有効。 複雑化すると目先の利益より集団を形成して行動した方が安定できる。 裏切り個体は初期では大きな利益を挙げるが安定を求めて集団を形成した層が増えると部が悪くなる にしても全く予備知識がなく読んだけどこの作者は本当の天才じゃないかと思った。 難しい言葉を使い思いテーマを扱うのに興味深くて読みやすい。 ミステリとしても面白い

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2021/04/14

SFはたまに気まぐれで読む程度だけど、これは名作だなと納得!緻密で精細な世界観と、それをベースにした問題提起と思索の深さに圧倒されました。 こういう作品を読むと自分の知識と理解力の乏しさに悲しくなります…笑

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2021/04/14

ハーモニーを読んで面白かったので虐殺器官読んでみました。正直、難しかったです。脳が身体に伝えるまでには人が無意識な意識ふくめて判断して行動していることがわかった。また、情報に人は操られ無意識に行動していることも知った。また動物を人間の臓器にするために生まれて育てる人間社会のしくみ...

ハーモニーを読んで面白かったので虐殺器官読んでみました。正直、難しかったです。脳が身体に伝えるまでには人が無意識な意識ふくめて判断して行動していることがわかった。また、情報に人は操られ無意識に行動していることも知った。また動物を人間の臓器にするために生まれて育てる人間社会のしくみに考えさせられた。地球に存在するものを使わせてもらっている感謝の気持ちは持ち続けて生活したいと思いました。勝ち組になるために人間の倫理観も洗脳されることに人間のよく深さも感じる作品だと思う。

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2021/04/09

数年前に映画を観ており、今月読み終わりました。 全編、主人公の詩的な感性が自分にインストールされていくような感覚で、美しさすら感じるようなグロテスクな描写を中心に、事実説明、心情描写など、全てに没入して読んでいました。 私がこの本を読んで最も楽しめた部分は、舞台や展開やキャラ...

数年前に映画を観ており、今月読み終わりました。 全編、主人公の詩的な感性が自分にインストールされていくような感覚で、美しさすら感じるようなグロテスクな描写を中心に、事実説明、心情描写など、全てに没入して読んでいました。 私がこの本を読んで最も楽しめた部分は、舞台や展開やキャラクターではなく、それらを総合して描き出され、我々読者に気づきを与えるような啓蒙的側面でした。 この本の中でキャラクター達が主張する事が全て正しいとは思いませんが、この本を通してほんの少しの自由を手に入れた気がします。 映画の内容も忘れてしまったので、また映画を見直してみたいと思います。 まだ、『ハーモニー』『屍者の帝国』も残っているので、楽しみです。

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2021/03/28

SF小説は初めて読んだがこの作品を超えるようなものはしばらく読めないのではないかと思うくらいに衝撃的だった。 果てしなくフィクションの世界なのに、今でも世界のどこかで起きているんじゃないかと思わせられるリアリティを感じさせられた。 死が日常と化してしまった世界で問われる命の価値と...

SF小説は初めて読んだがこの作品を超えるようなものはしばらく読めないのではないかと思うくらいに衝撃的だった。 果てしなくフィクションの世界なのに、今でも世界のどこかで起きているんじゃないかと思わせられるリアリティを感じさせられた。 死が日常と化してしまった世界で問われる命の価値とは。作中を通して問われる問いに読後も考えさせられる。忘れた頃に読み返してみたいと思う。 現代の「罪と罰」がここに。

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2021/03/24

オーウェル読んでからずっとディストピア的な気分で今更読むが、これはゼロ年代の1945年と言える大傑作!911以降のテロ世界としてリアルかつ斬新な世界観、ドライに見せて人間的な主人公と惹き込まれる。"地獄は頭の中にある"、これは地獄をみた著者自身の言葉なんだろう...

オーウェル読んでからずっとディストピア的な気分で今更読むが、これはゼロ年代の1945年と言える大傑作!911以降のテロ世界としてリアルかつ斬新な世界観、ドライに見せて人間的な主人公と惹き込まれる。"地獄は頭の中にある"、これは地獄をみた著者自身の言葉なんだろうと想像する。

Posted byブクログ

2021/03/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

はじめに目に飛び込んでくる過激な描写に、正直目を背けたくなる。 けれどすぐに、この世界観にどっぷりはまっている自分に気付く。 近未来と、そして自分の知っている歴史とが混ざったこの世界は、どこまでが本物なのだろう。 これは現実?本当に未来はこうなるのかも?と思えてしまうほど。 正直、戦闘シーンは最後まで辛い… けれど目を背けるなと言われているよう。 結局、ジョン・ポールと主人公は表裏一体なのではないか。 会話を重ねるにつれ、主人公の語り口から、例の文法が主人公の中に染み付いているように感じる。 そして、その語りが一人称の意味… タイトルの意味するところが徐々に分かってきた時、それまでの言葉たちが共鳴し合う。 自分の意思はどこか。 罪と罰。そして救済。 読み終わった後もずっと頭をぐるぐるしている、答えのない問い… ずっと考えさせられる。 何度も読み返したい。

Posted byブクログ

2021/02/25

攻殻機動隊の世界観を思わせる作品。 重厚で文学的な景色が広がっている。 正直、難しくて若干飛ばし読みしながらの読了だったけど内容は理解できた。 時間があるときにどっしりと構えて読みたい一冊。

Posted byブクログ