ねじまき片想い の商品レビュー

柚木麻子(著者)

2016/07/11

仕事と恋による主人公の成長譚かと思いきや、ミステリーや冒険活劇要素も有りつつ、発酵し過ぎて腐りかけた片思いの物語。

私も大胆になれる勇気はなく外堀を徹底的に埋めたいタイプなので、宝子が直接的にぶつかるのを避けてズレた献身をする気持ちは分かる。
分かるけれど章毎の成長が何もなくひたすらグズグズしているので、さすがに物語後半に至る頃には苛ついた。
それにいくら何でもスリはないだろう…。
読みながら最初は宝子の片思いを応援していたけれど、途中からは彼女の行動に苛立っていた為その気が失せてしまった。
ラストは吹っ切れた様子でまだ良かったけれど、最終章で時間が飛び過ぎていて唖然としている間に物語が終わってしまった印象。
目黒刑事も玲奈もようやくアクション起こしたと思ったら即自己完結してしまって時間が経つので色々消化不良になった。

貯水タンクの話なんかは最初という事もあって宝子の行動含めて意外過ぎる展開で面白かった。
この路線で少しずつでも宝子が前に進んでてくれたらもう少し爽快な話になったのに。

2016/06/29

この著者の本は２冊目です。
私は、いろいろな職業が垣間見れる話が好きなもかもしれないです。
最後は、宝子が西島に対する本当の気持ちに気付いて、
それを西島に言えたところがスッキリしました。
”自分の心にネジを巻いてくれるのは自分だけ”
私のネジは、子供の世話をし、それが喜ばれた時。
子供が小さい時はネジを巻く毎日だったけど、
最近はネジを巻く機会が少なくなっています。
あと２年弱でほぼネジを巻くことがなくなりそう。。。
別の喜びを見つけて、自分でネジを巻いていかないといけないなぁ。

2016/06/18

おもちゃプランナーの宝子は、片想いをしている。そしてその相手のため仕事、の他に探偵まがいな事まで一生懸命に…。宝子の仕事への熱心さと、西島への余計な熱心さ？が物語を進ませてて一気に読んでしまった。いやー目黒さんのがいいと思うんですが！会社もいい人達ばかりだし、宝子は今のままで幸せだと思うので、最後で本人がすっきりしてよかった。

2016/06/12

敏腕おもちゃプランナーとして働く宝子は、私生活では5年間も片想いをずるずると続けていて、いまいちうまくいっていない。彼女は片想い相手のトラブルを解決するために、こっそりとけれど大胆に行動を重ねてゆくが…
というお話ですが最初の短編からそんな重い事件をそんな軽く…というちょっとした違和感というのがあって、ミステリっぽさはあるんですが、あまり作風やキャラクタと合ってないように個人的には感じました。
そういう系統のエピソードは入れなくとも良かったんではないかなあ…。ダメンズとしか言いようのない西島と同居女性の玲奈、同僚たちの人間模様は濃くて楽しめたので、そう思いました。

2016/06/07

暇つぶしにはなった。題名からほのぼの系かと思いきや、殺人事件やら詐欺女やら・・。いきなりやってくる闇にびっくりしつつ・・。主人公とルームメイトの関係、婆さんスリ師との関係にはどきどきした。

2016/04/16

その後が気になるけどどの章も面白かった。ちょうど今の時代に合うお話。今読んでおかないと数年後にはちょっと古いお話になってしまうかも。楽しかった！

2016/03/25

「思いつくままにぺらぺらしゃべると、なんだか嘘ではない気がしてきた。」

繋がってるけど短編としても読めそうな宝子のお話が5つ。
サクサク読めるよ。
現実にはあり得ないっしょってことも多くて、
いつもの柚木さんとは違う感じ。
わたしはダントツ、玲奈がスキ。

2016/03/05

実際の施設などを舞台にしているので、行ったことがある人はそれだけでも楽しめるかも。
でも、片想い探偵とか、いつ言ったっけ？すんごいうじうじもしてますが、話的には面白かったかな。

2016/03/14

いや、そんな展開無理でしょ、ありえない！
とか、
だからそんな男やめなさいってば、目を覚ましなさい！
とか思っているうちに、ぐるぐる回って降りられなくなってしまった。

今の時代、みんな自分の中の遊園地で生きているのかもしれないなあ…
みんな自己完結、いつまでも子供。
本が売れなくなった、ゲーム機も売れなくなった、子どもが生まれなくなった…携帯の中の世界さえあればいい、という社会現象は、そういうことなのかな…

というつまらないことを考えずに読書を楽しめばいいのだろうけれど、読み終わったら、遊園地の帰りの電車で明日のことを考え始めたような気持ちになってしまった。

ヒロインの名前の元ネタは、タカ○ト○ーでしょうか。

2016/02/28

おもちゃプランナーの宝子の仕事と恋愛、友情。

不毛な片思いをしている宝子は美人なのに恋愛には奥手で外部デザイナーの西島にずっと片思い。

西島のために前のマンションの貯水槽をどけたり、西島の彼女の危機を救ったりと本人の知らないところでたくさん西島のために動く。

それでも当人は知る由もなく、もちろん気持ちは伝わらない。

西島が家をなくして、宝子と玲奈と一緒に暮らすようになり、同棲？みたいなものが始まるものの

宝子の気持ちって、少し独りよがりで、相手が西島じゃなくてもいいような気もしたし
ルームメイトの玲奈が出て行って、2年後に再会するんだけど
なんかほんと玲奈のことが好きなんじゃないかと
西島じゃなくても思うような、のめり込み方。

玲奈がいなくなって、ほんとに二人暮らしになったのに関係は変わらないし
もうどうにもならないと思っている宝子。

すっごい遠回りと牛歩戦術で、なんだかんだ
西島をとりこにしてたのかな。
逆に西島が、ロンドンまで追いかけてきた時はなんかびっくり笑。

これからどうなるかは宝子次第な気がするラスト。