闇に香る嘘 の商品レビュー
ただでさえ表現の手段が言葉しかない「小説」というジャンルで、視覚障害者を一人称にもってくることがすごい。 当然、主人公の「見えていない部分」がトリックに大きく関わってくるのだけど… 主人公の考え方が思い込みの強い、極端な感じがして共感できなかった。 兄を疑いだす根拠的なものがもう...
ただでさえ表現の手段が言葉しかない「小説」というジャンルで、視覚障害者を一人称にもってくることがすごい。 当然、主人公の「見えていない部分」がトリックに大きく関わってくるのだけど… 主人公の考え方が思い込みの強い、極端な感じがして共感できなかった。 兄を疑いだす根拠的なものがもう少しあれば、ミスリードも効果的に働いたような気がする。
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盲目の主人公。残留孤児であった兄が日本に帰ってきた。あることから、自分の本当の兄ではないのではと疑惑を持ち、過去を調べていく話。目が見えないことの不便さ、大変さ、上手く行かない感は、よく伝わり、感心したり勉強になったり。 「江戸川乱歩賞」受賞作。ふと、賞としては名前を聞くが、受...
盲目の主人公。残留孤児であった兄が日本に帰ってきた。あることから、自分の本当の兄ではないのではと疑惑を持ち、過去を調べていく話。目が見えないことの不便さ、大変さ、上手く行かない感は、よく伝わり、感心したり勉強になったり。 「江戸川乱歩賞」受賞作。ふと、賞としては名前を聞くが、受賞作思い浮かばないなと調べてみる。殆ど読んだことが無く、2冊ほど読んでいた本もあまり記憶に無いので、この賞の本は合わないのだろうなぁ。 仕掛けも凝っているが、種明かしをされても、頭のスペックが高くない私にとっては複雑すぎて素直に楽しめない。「ああ、そう言うことなの?」と言う感じ。 戦時中、満州での話は大変な時代だったと心苦しくなる。
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よく考えられた組み立て、伏線のつながり さすが江戸川乱歩賞受賞作でも高評価のミステリー 人物描写が軽いというか、登場人物に感情がこもってないような? それでか読んでて盛り上がらず、しらけちゃうんですよね
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乱歩賞作品に最後に唸らされたのはいつのことか…… 太平洋戦争のさなか、満州から追われるように日本に戻った主人公が、残留孤児の兄を「やつは本当の兄なのか?」と疑い始めることから物語が始まる。 これでもか!というくらいに読者を楽しませようとサービスを盛り込んで、最後に伏線が全て回...
乱歩賞作品に最後に唸らされたのはいつのことか…… 太平洋戦争のさなか、満州から追われるように日本に戻った主人公が、残留孤児の兄を「やつは本当の兄なのか?」と疑い始めることから物語が始まる。 これでもか!というくらいに読者を楽しませようとサービスを盛り込んで、最後に伏線が全て回収され、しかもどんでん返しには、びっくりした。 しかし、どうも文章にキレがなく、しみじみと味わうには程遠い。乱歩賞作品には、それは求められていないのかもしれない。が、できれば、ミステリの謎をわかってもなお、二度三度と読み返したくなる作品が好きだ。 全盲の人たちの苦労や、中国残留孤児の話など、切実に迫ってくるところもあり、作者の取材の苦労がわかる。 すでに他の作品も出ているので、そっちも読んで評価したい。
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兄が偽者の中国残留孤児ではないかと疑い、調べ始めた視覚障がい者の主人公。 だが調べるほどに、身に危険が及ぶ。 真実が分かった時は驚いた。すべてが逆になる。 伏線の回収も見事。けど、伏線が多くてすべての真実を把握するのに頭の整理が必要だった。 話もおもしろいが、なんとなくしか知らな...
兄が偽者の中国残留孤児ではないかと疑い、調べ始めた視覚障がい者の主人公。 だが調べるほどに、身に危険が及ぶ。 真実が分かった時は驚いた。すべてが逆になる。 伏線の回収も見事。けど、伏線が多くてすべての真実を把握するのに頭の整理が必要だった。 話もおもしろいが、なんとなくしか知らなかった中国残留孤児についても勉強になった。 あと、視覚障がい者の生活・音や手触りなどの感触・温度や風やわずかな光を感じて生きている世界も、実際のほんの少しだろうけど知ることができた。
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(図書館本)始めはちょっと苦手な分野かなと思いながら読んでました。なんせテーマが「中国残留孤児」の話なので、かなり重たく感じてましたが、さすがは江戸川乱歩賞を受賞するだけあって、最後まで読み進めるとそれなりの伏線が徐々に解明されていき、最後にはハッピーエンドで終わってよかったなあと思える作品です。たた、ちょっと不平を言わせていただくと、主人公が盲目ということもありますが、彼の全行動を長々と読まされたという感じで途中で飽きてしまいそうになってしまいました。それさえ無ければ、面白い展開だと思います。
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私の評価基準 ☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版 ☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも ☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ ☆☆ 普通 時間があれば ☆ ...
私の評価基準 ☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版 ☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも ☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ ☆☆ 普通 時間があれば ☆ つまらない もしくは趣味が合わない 2016.6.4読了 平成26年 第60回江戸川乱歩賞受賞作品。 まさに、受賞に相応しい作品です。 まず、全盲の視覚障碍の主人公という設定が面白い。小説でなければ出来ない試みです。 最後の展開で、物語の雰囲気もそれまでの謎も一気に変わって見えて来るのも素晴らしい。 たくさん仕掛けられている伏線を丁寧に回収しているのも評価できる。 しかし一方で、うがった見方かもしれないが、作者は本当にこの物語を書きたかったのだろうかと思ってしまう。9回目のチャレンジで受賞されたとの事ですが、それまでに実力を付け、構想を練り、受賞に値する作品を創出することに力を尽くされて来たのが今回の受賞になったのでしょう。 でも、それが受賞の為の作品になっているようであれば、やはり寂しい。 次回作は作者そのものという物語を読んでみたいです。 いつも思うのですが、最終選考に残った作品は読んでみたいなあ。まあ、どこかで読めるのかもしれないんだけど。
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※このレビューにはネタバレを含みます
お兄さんが偽物かもしれないと疑いだすのがあまりに唐突でちょっと置いてきぼりでした。。 え、いきなり?って。これまでに小さな違和感とか不審な点とかあって、それが積み重なって、というなら理解できるんですけど、ほんとにいきなりでちょっとびっくり! 他にもものごとを結びつけ考え方が少し極端というか短絡的じゃないかなぁって感じられてあんまり入り込めませんでした。 でも文章の雰囲気とても好きです! なので他の作品も読んでみたいな。
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読み始めてちょっと後悔する。 中国残留孤児の問題とか、視覚障害者の生活とか、若くして人工透析を受けざるを得ない少女とか、なんだか重くて読んでいても気の滅入ることばかり書いてあるなぁと。 差別ととられれば申し訳ないと謝るしかないのだけど、こういう類の話は読んでいてツラくなってしまう...
読み始めてちょっと後悔する。 中国残留孤児の問題とか、視覚障害者の生活とか、若くして人工透析を受けざるを得ない少女とか、なんだか重くて読んでいても気の滅入ることばかり書いてあるなぁと。 差別ととられれば申し訳ないと謝るしかないのだけど、こういう類の話は読んでいてツラくなってしまうのだ。 しかも、主人公は盲目で、過去を回想する場面を除いて文章に視覚を頼る言葉があまり出てこない、聴覚・嗅覚・触角に頼った表現の文章を読むのが、これほどしんどいとは思わなかった。日常をこういう感覚で暮らしている方々は本当に大変だろうなぁと思う。 主人公に巻き込まれるようにネガティブ感が心に溢れてきて、読み進めるにつれネガティブ雲がどんどん心を覆い尽くしたところで… (以下ネタバレ警戒警報) どんでん返しは見事である!いやーハマったハマった。悪意を心に貯め込んだところで、その全てが善意に展開する瞬間の、どうしようもない結末に付き合おうと決心した決意が破られる瞬間の。なるほどこの瞬間がミステリー読みの醍醐味なんやろなぁ、と感心した次第。読み返すと粗をほじってしまいそうなので、この余韻だけ大事に持って本を置きました。
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最初から引き込まれた。 中国残留孤児の話とあってもっとややこしく読み辛いかと思いきや、最後の最後まであー、あれはそういうことだったのか!とドキドキさせられた。全盲の人の視点というのが新鮮であり、こういう大変さがあるのかとしみじみ。 久しぶりに手放しで人に薦められる本。
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