1,800円以上の注文で送料無料

闇に香る嘘 の商品レビュー

3.8

165件のお客様レビュー

  1. 5つ

    31

  2. 4つ

    66

  3. 3つ

    37

  4. 2つ

    10

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2014/09/18

伏線の回収などストーリー運びはうまいと思う。ただ、主人公が69才という年齢設定を読んでいると忘れてしまうほど、幼く感じる。また、主人公の白内障での失明に違和感。白内障で失明することはありません。手遅れもない。眼底疾患があるならともかく、オペすれば見えるようになります。自身の仕事柄...

伏線の回収などストーリー運びはうまいと思う。ただ、主人公が69才という年齢設定を読んでいると忘れてしまうほど、幼く感じる。また、主人公の白内障での失明に違和感。白内障で失明することはありません。手遅れもない。眼底疾患があるならともかく、オペすれば見えるようになります。自身の仕事柄、盲人への違和感が。。。 あと、オチが早い段階で予想できたのも残念。。。 それでも、やはり江戸川乱歩賞。 読ませてくれたと思います。

Posted byブクログ

2014/09/15

まず、盲目の主人公の視点から語られる臨場感が、はんぱない。外出先で方向感覚を失った時の恐怖、誰もいないはずの自宅で何者かの気配を感じた時の恐怖、吹雪の北海道でひとり取り残された時の恐怖。そして衝撃の真実と主人公の心の変化、最後は数々の伏線がきれいにまとめられいる。すばらしいです。

Posted byブクログ

2014/09/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

著者も全盲なの?と思うくらいに全盲の人の生活や苦労、工夫が上手く描かれています。 伏線も見事に回収してスッキリした終わりでした。 絶対評価でSです(笑)

Posted byブクログ

2014/09/14

江戸川乱歩賞ということで興味を持ちました。 満場一致で賞をとられたということで、かなり期待して読みました。 確かに内容は読みやすく、伏線をすっきりと回収し、なおかつ考えさせられる深い内容、救いのある終わり方でした。 中でも、目の見えない主人公の生活感が非常にリアリティーを持って描...

江戸川乱歩賞ということで興味を持ちました。 満場一致で賞をとられたということで、かなり期待して読みました。 確かに内容は読みやすく、伏線をすっきりと回収し、なおかつ考えさせられる深い内容、救いのある終わり方でした。 中でも、目の見えない主人公の生活感が非常にリアリティーを持って描かれていたのではないかと思います。 ただ一点、本当に些細なことで指摘するほどではないのかもしれませんが、左利きの兵士の謎解きの部分のみどうしても腑に落ちません。 おそらく当時は左利きは右利きに強制させられていたでしょうし、そうでなくても刀を振るうのに左利きだから普通と違う、というのは少々無理があるのではないでしょうか。 概ねすっきりとまとめられていたからこそ、ほんの些細な部分が気になってしまいました。 しかし、中国残留孤児という重いテーマをしっかりと扱っており、昨今の軽いミステリが流布する中で、こういったミステリももっともっと出てきてほしいと思います。

Posted byブクログ

2014/09/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2014年度ミステリー最大の収穫 たった一行のくだりで殆どの謎や違和感は解消してしまう。 そこで世界も反転する。――京極夏彦 絶対評価でA。 還暦を迎えた記念すべき年に、江戸川乱歩賞は素晴らしい受賞作を得た。――有栖川有栖 完璧なミステリーを構築している。 多くの布石があり、それをすべて拾っている。――今野敏 全盲の村上和久は、孫娘の腎臓手術のために兄・竜彦を頼るが、その兄は検査さえも頑なに拒否する。 その態度に不審館を抱く和久。実は竜彦は中国残留孤児であり、日本に永住帰国したときには和久は全盲となっていた。 兄は本当の兄なのか。伝手を辿って関係者に話を訊いていく和久だったが、入管を称する人物らとの接触や、何者かに命を狙われている気配に困惑するが……。 という話で、京極先生のコメントが正鵠を得ている。 終盤pp.297である事実が明かされるが、それがそこまでの様々な伏線を一気に回収してみせる。 何度も最終選考に残られただけあって新人離れしていると感じた。 読後感もよい。 気になった点は、孫娘が誘拐されるところがそこまでやるか、というのとそのあたりのアクションシンーン。 ミステリ  :☆☆☆☆ ストーリー :☆☆☆☆☆ 人物    :☆☆☆ 文章    :☆☆☆☆

Posted byブクログ

2014/09/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

第60回江戸川乱歩賞受賞作はとても、新人とは思えない筆圧と作品のレベルの高さ。この作品はとても凄い。中国残留孤児と全盲についてあまり知識がないまま、読んだのだがそんな事も忘れさせてしまうくらいリアリティが溢れる文章である。憎しみや悲しみ、家族の絆が複雑に絡み合い、いろいろな事を考えさせられる作品。そして、読了後に点と線が繋がるような感覚に嬉しさとそのほかの感情が混ざり、ホッとする。人間の不器用さというものをひしひしと感じる。今後の作品も注目の作家である。

Posted byブクログ

2014/08/19

中国残留孤児で日本に戻ってきた兄が本当に血が繋がっている兄なのか?疑い始めた盲目の弟。70歳に近くなってから疑問が生じたのは孫娘の腎不全の移植適合検査を頑なに拒否する兄の態度。弟は独自に残留孤児の調査を始めるのだが、実は…第60回江戸川乱歩賞の作品。 予想可能な謎だったがストーリ...

中国残留孤児で日本に戻ってきた兄が本当に血が繋がっている兄なのか?疑い始めた盲目の弟。70歳に近くなってから疑問が生じたのは孫娘の腎不全の移植適合検査を頑なに拒否する兄の態度。弟は独自に残留孤児の調査を始めるのだが、実は…第60回江戸川乱歩賞の作品。 予想可能な謎だったがストーリーは秀逸で盲目ゆえの恐怖も盛りだくさんあり面白く読めた作品でした。

Posted byブクログ

2014/08/19

終盤で、こういう小説だったのか!と驚いた。 とてもよくできてる。 自分の好きなタイプではなかったけれど好む人がたくさんいそうな小説だと思う。

Posted byブクログ

2014/08/16

人生の半ばで失明した主人公が語るミステリー。周りが見えない、事実が見えない怖さに主人公ともども巻き込まれました。人はこんなにも自己中心的で攻撃的になる。謎は終盤すっきりと解決されます。帯や新聞広告に書かれていた通り、こんな収拾法があったかという形で。 立場が違えばものの見方も変...

人生の半ばで失明した主人公が語るミステリー。周りが見えない、事実が見えない怖さに主人公ともども巻き込まれました。人はこんなにも自己中心的で攻撃的になる。謎は終盤すっきりと解決されます。帯や新聞広告に書かれていた通り、こんな収拾法があったかという形で。 立場が違えばものの見方も変わる。そこを踏まえて、歴史や社会の認識を新たにしようと向かっていく元気がでてくるまでには少々時間がかかりそう。読み終えたとたんにバタンキューと寝てしまいました。

Posted byブクログ

2014/08/15

帯文で興味を持って購入。 27年間兄だと信じていた人物は何者なのかという謎を全盲の弟が追う、という設定。 全編に漂う閉塞感、不安感はさすがの筆力で、読みながら「見えない」感覚をずっと味わっていた。こんなに不安で閉じ込められた感じがするものなのかと。 残留孤児の問題もそうだが、満州...

帯文で興味を持って購入。 27年間兄だと信じていた人物は何者なのかという謎を全盲の弟が追う、という設定。 全編に漂う閉塞感、不安感はさすがの筆力で、読みながら「見えない」感覚をずっと味わっていた。こんなに不安で閉じ込められた感じがするものなのかと。 残留孤児の問題もそうだが、満州からの引き揚げの話はとても重かった。私の父も引き揚げ者なのだ。かつて一度だけ話をしてくれたが、とても苦しそうだった。 ちょうど敗戦記念日の今日この作品を読んだことになにかしらの意味があるようにも思う。 疑念や疑惑が次々に生まれては反転し、いったいどういうことなのかという興味に引っ張られて一気に読んでしまった。たった一行ですべてが変わる、と選評にもあるが確かにそうだった。伏線も見事に回収されていて、途中で浮かぶ違和感がきちんと解決されていて気持ちがいい。ラストはじんわりとあたたかいものが胸を満たす。 大変読み応えのある作品だった。

Posted byブクログ