闇に香る嘘 の商品レビュー
伏線の回収なんか、やり過ぎ感はありますが、とても上手いなぁと思います。テクニックは見事ですが、キャラクターの魅力が薄く、ストーリーが流れていないかな。でも、これから期待出来そうです。
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この著者、盲目の時代があったのかと思うほど、目の見えない日常生活がリアルに描かれていた。 (お札もそれぞれ5ミリの長さの差を確認してから外出用に二つ折りと四つ折りにしておくとか) この主人公の妄想で途中まで実家の兄は偽者かもと思ってしまっていたよ。 最後の最後に帳尻を合わせて、なるほど、そういうことだったのかと納得させられた。 まさか主人公の方が中国人で、双子の兄がいたとは…。 日本人の兄は幼い頃のいつも弟をかばっていた利発なお兄ちゃんのまま、成長していたんだね。 読後感も良かった。
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5はつけすぎな気もするけど、面白かった。今年の江戸川乱歩賞受賞作。中国残留孤児なんて、今まで知ろうともしていなかった。言葉だけ、ニュースで聞いていたけど、全然どういう人達なのか、考えていなかったと思う。そういう知らない世界を知ることができるのが、本のいいところだと思う。フィクションである小説でも、いろんなことを学べるのだ。戦争って、本当にひどい。その後の処理も含めて、ひどかったのだ。裁判とかもほんとにあったんだろうな。全く、無知の恥だ。さらに主人公が70近い、中途視覚障害者。北海道の吹雪の中、取り残されたところは、自分だったら、と本当に怖かったし、妻や娘と縁が切れた原因は身につまされる。自分が全盲になったら。自分の家族が全盲になったら。母の愛はすごい。透析も成功して、最後が明るく終わったのは良かった。江戸川乱歩賞受賞作って、最後の審査員のコメントを読むのも楽しみの一つ。この作者は過去4回も最終選考まで残ってたそうだ。過去は審査員からどう言われていたのか気になる。9回目の応募でようやく受賞したってんだから、すごいよね。私の4つ下。今33歳か。次の作品も楽しみだ。
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いろいろ賞をとってるみたいです。主人公が全盲者というのがちょっと面白い設定だと思いました。通常であれば看破できてしまうものでも見えないので謎が深まる。そこに疑心暗鬼が生まれる。読んでいてなんとももどかしい気持ちに。 この一冊が処女作ということで、いろいろぎこちないところみたいなも...
いろいろ賞をとってるみたいです。主人公が全盲者というのがちょっと面白い設定だと思いました。通常であれば看破できてしまうものでも見えないので謎が深まる。そこに疑心暗鬼が生まれる。読んでいてなんとももどかしい気持ちに。 この一冊が処女作ということで、いろいろぎこちないところみたいなものはありはしますが、それでもいい感じにまとまった一冊だと思います。
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視覚障害者の視点で展開するので何をするのにもドキドキさせられてしまった。そして帯の京極夏彦さんのコメントが凄く的を得ていて! 「そこで世界も反転する」 さすが江戸川乱歩賞! あと、日中関係で知らないことが多いなと考えさせられてしまった。
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視聴覚障害者の人が主人公で、お兄さんが中国残留孤児という設定。 ミステリとしても面白かったけど、視覚障害を持つ人や中国残留孤児の苦労がよく分かる良い本だった。
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全ては戦争が招いた悲劇の結末だ。 理不尽にも親子が引き裂かれ、幸運にも命が救われたにもかかわらずこのような結末は余りにも切ないし惨い。
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第60回乱歩賞受賞作。 帯に騙されることが多いが、これは久々のヒット! ここ数年では秀逸な出来です! ここまで綺麗に伏線を回収している作品はなかなか無いです。 お勧め!
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とっても良かった。 ミステリーとしても、人間愛の物語としても。 何故、今、残留孤児の話なのかなと思いながらよんでいました。 残留孤児調査や山崎豊子さんの「大地の子」を思い出しながら読み進めてました。 常闇の主人公の真相が明かされる場面では、深い人間愛にホットしました。 今年は、戦...
とっても良かった。 ミステリーとしても、人間愛の物語としても。 何故、今、残留孤児の話なのかなと思いながらよんでいました。 残留孤児調査や山崎豊子さんの「大地の子」を思い出しながら読み進めてました。 常闇の主人公の真相が明かされる場面では、深い人間愛にホットしました。 今年は、戦後70年ですが、日中関係も、早くこの物語の兄弟のようになって欲しいと思います。 密入国時に何故空気穴が塞がれていたのかは小さな疑問です。
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反転した後のストーリー展開があれよあれよという具合で読み応えたっぷり。 前半、腎移植、残留孤児や中国人の細々とした社会派を思わせる書き込みがちょっと重たすぎたので、飛ばし読みしてしまったけれど伏線もあったんだなぁ~後にして思えば。 謎の人物、不可解な点字など、盛り沢山だったのでミステリー読みには楽しめた本でしたね。
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