ハリー・クバート事件(下) の商品レビュー
玉ねぎの皮をむくように,犯人があるいは真相が,どんどん変わっていく驚き.本当は,みんなもっと幸せになって良かったはず!最初にどこかで何かが狂ってしまったのだ.
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この小説は推理小説ではない。 ノラ ケラーガンが誰に殺されたのか?というのは主眼ではなくて ハリークバードは何を隠しているのかの方が主たるものだと思う。 そしてそれを解くにはマーカスゴールドマンが小説家足りうるための美学に基づき解決していくというメタ構造になっている。 (各章...
この小説は推理小説ではない。 ノラ ケラーガンが誰に殺されたのか?というのは主眼ではなくて ハリークバードは何を隠しているのかの方が主たるものだと思う。 そしてそれを解くにはマーカスゴールドマンが小説家足りうるための美学に基づき解決していくというメタ構造になっている。 (各章の序文もそれを表している。) どんでん返しというよりは マジックでいうミスリードのニュアンスの方が近い気がする。 読書をあなたはこう思いますよねーと追い込んでひっくり返すという。 読者が囚われている《35歳と15歳の禁じられた恋愛》の外堀にあるものの方が人間臭くて、香しい匂いを発している。
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上下巻の感想をまとめて。 ☆4つか5つかで結構迷ったけど種が少しややこしく感じたので4つにした。しかしながら結末の種明かし以外は独創的で楽しく結構分厚い上下巻にも関わらずすぐに読み終えてしまった。登場人物にも好感が持てた。 それから『その女アレックス』の時も感じたが橘明美...
上下巻の感想をまとめて。 ☆4つか5つかで結構迷ったけど種が少しややこしく感じたので4つにした。しかしながら結末の種明かし以外は独創的で楽しく結構分厚い上下巻にも関わらずすぐに読み終えてしまった。登場人物にも好感が持てた。 それから『その女アレックス』の時も感じたが橘明美氏の翻訳はほんとに素晴らしい! 訳者が誤訳を恐れて直訳調にして意味不明な表現になったり、日本語は主語をくどくど付けないのにそのまま付けていたり、主要登場人物に「その警察官は言った」みたいな言い回しは日本人はしないのにそのまま訳していたり、などは翻訳の駄目な例であるけど橘氏はそういう部分が皆無。 終始日本語として自然であることに賛辞を送りたい。
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期待した謎の回収がちょっと強引。最後は何となくわかったけど、これも強引な印象が。訳者あとがきにも書いてあるが、ミステリーとしてではなく読んだ方が面白いかも。
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過去と現在が入り混じりながら話が進み、上巻は甘ったるい少女と中年作家との恋愛ものから、下巻は一気に話が展開し、主要な登場人物たちが少しずつ隠していることが絡み合って真相に至っていくというクライマックスまでは一気に読ませるのは、新人作家とは思えないほど。解説にもあるように荒削りな部...
過去と現在が入り混じりながら話が進み、上巻は甘ったるい少女と中年作家との恋愛ものから、下巻は一気に話が展開し、主要な登場人物たちが少しずつ隠していることが絡み合って真相に至っていくというクライマックスまでは一気に読ませるのは、新人作家とは思えないほど。解説にもあるように荒削りな部分はあるが破綻はしてない。結構なおすすめである。
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話題作の後編です。 面白かった! 1作目が大ヒットした若い作家マーカス・ゴールドマン。 2作目が書けずに苦しんでいるとき、大学の恩師ハリー・クバートが逮捕される。 海辺の町にあるハリーの家の庭で、33年行方不明だった少女の遺体が発見されたのだ。 ハリーは34歳当時、15歳の少女...
話題作の後編です。 面白かった! 1作目が大ヒットした若い作家マーカス・ゴールドマン。 2作目が書けずに苦しんでいるとき、大学の恩師ハリー・クバートが逮捕される。 海辺の町にあるハリーの家の庭で、33年行方不明だった少女の遺体が発見されたのだ。 ハリーは34歳当時、15歳の少女ノラと恋仲で、ハリーの代表作「悪の起源」はノラとの恋愛のことを、年齢差を階級差におきかえて描いたものだった。 過去の事情を調べるマーカスには、町を出て行けという脅迫状が何度も舞い込む。 ノラには秘密があり、関わった人間は実は多かった。 マーカスは有力な容疑者を突き止め、2作目として「ハリー・クバート事件」を書き上げる。 ハリーは釈放され、事件は決着したかに見えたが‥ どんでん返しに次ぐどんでん返し! と、見返しにあるとおり。 書き込みの説得力という点では、冷静に考えると、いやそれはちょっと、ないんじゃない‥? 私がエージェントなら、ここは書き換えさせる!という点もありますが(笑) この若さでこれだけの内容をぐいぐい読ませてくれたのだから、大したもんですよ。 先輩作家ハリーとの友情や、新進作家の悩みなどもリアリティを増しています。 作者はまだ若く、デビュー作で評価されたが、その後6年間ボツの連続だったそう。 この作品の後はどうなるでしょうね~楽しみです☆
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私の評価基準 ☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版 ☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも ☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ ☆☆ 普通 時間があれば ☆ ...
私の評価基準 ☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版 ☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも ☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ ☆☆ 普通 時間があれば ☆ つまらない もしくは趣味が合わない 2015.3.27読了 上巻のところに併せて。
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恩師であるハリーを助けようとするマーカス。少女ノラをめぐる謎はさらに深まっていく。 面白かった。ミステリーとしてのオチは無理がある気がするが、マーカスがハリーから離れ成長していく所や出版業界の事情も描かれており、興味深く読むことができる。 上下巻とボリュームがあるが、スピード感の...
恩師であるハリーを助けようとするマーカス。少女ノラをめぐる謎はさらに深まっていく。 面白かった。ミステリーとしてのオチは無理がある気がするが、マーカスがハリーから離れ成長していく所や出版業界の事情も描かれており、興味深く読むことができる。 上下巻とボリュームがあるが、スピード感のあるストーリー展開で飽きさせずに読ませる。
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前半じれったかったけど、後半の伏線回収はスピードアップして良かった。でもちょっとズルいかな…動機が弱すぎて犯人がクライマックスまでピンとこない。
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最後までどんでん返しの連続。 上巻を読み終えて、下巻の図書館の予約が回ってくるのを待ち切れず、本屋の立ち読みで最後まで読み終わった。立ち読みで一冊読み終えたのは人生初めて。それほど面白い小説。 ミステリーとは言うものの、本格的謎解きを期待してはいけない。犯人を知る楽しみが物語の...
最後までどんでん返しの連続。 上巻を読み終えて、下巻の図書館の予約が回ってくるのを待ち切れず、本屋の立ち読みで最後まで読み終わった。立ち読みで一冊読み終えたのは人生初めて。それほど面白い小説。 ミステリーとは言うものの、本格的謎解きを期待してはいけない。犯人を知る楽しみが物語の一つの流れだとすれば、オーロラという街の住人はじめ この事件に関係する人々の人生の積み重ねを楽しむのがもう一つの流れといえる。 作者はまだ若いようだが、なぜこのような親子の情の妙や人間関係の綾を描き出せるのか、驚き。 でもミステリーとしてみたら、ご都合主義で荒唐無稽すぎる面もあるので、本格推理が好きな人には これはミステリーではありません と言っておきます。 最後に邦題について一言。原題の直訳である『ハリークバート事件の真実』としたほうが、この作者の意図にのっとっているだろうと思われる。なぜ「真実」を省いたのか理解に苦しむ。
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