波風 の商品レビュー
7編の短編集。どれも非常にレベルが高い。人生の切なさと希望が心にしみる。若い人には理解できないかもしれないが、40代も半ばを過ぎると、人生の悲しみや喜びが決して単純なものではないことが分かってくるものだ。ハッピーエンドではない結末が多いけれど、すべての作品で、最後に明るい何かを感...
7編の短編集。どれも非常にレベルが高い。人生の切なさと希望が心にしみる。若い人には理解できないかもしれないが、40代も半ばを過ぎると、人生の悲しみや喜びが決して単純なものではないことが分かってくるものだ。ハッピーエンドではない結末が多いけれど、すべての作品で、最後に明るい何かを感じさせるのは、生きることへの肯定と優しいまなざしがあるからだろう。本を閉じた後も余韻が残る傑作集である。
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6編からなる短編集。医療の現場のものが多い。その中で「結い言」は86歳の男性が女性ばかりの着物の着付け教室に通ってきてというお話。着物のことはわからなかったけど、興味深く読んだ。86歳の男性が凛として素敵、着物のことがわからないけど日本の美を感じることができた。
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命の話、7編の短編集 「今までまっとうに生きてきたけれど、 ここらでひとつくらいルール違反をしてもいいんじゃないかな」 というのは《波風》の中だけど、 不倫してる時点で十分に波風立たせてますけど。。。 と思うのは私の基準なのか。 私のそういうところは、 作品の幅も深さも小さ...
命の話、7編の短編集 「今までまっとうに生きてきたけれど、 ここらでひとつくらいルール違反をしてもいいんじゃないかな」 というのは《波風》の中だけど、 不倫してる時点で十分に波風立たせてますけど。。。 と思うのは私の基準なのか。 私のそういうところは、 作品の幅も深さも小さくしてしまっているなぁ。 仕方ない、これが私だ。 でも、どのの作品も、その立場の人の、 その時の息づかいが聞こえてきそうだった。 お気に入りは《月夜のディナー》と《結い言》 とてもいい1冊でした。
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- ネタバレ
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短編集。それぞれに面白かった。 ・波風 カトモの元に突然元同僚の美樹が来た。彼女の頼みで一緒に沖縄旅行に…。 →ラストの美樹の本当の想いには驚かされたけれど、なるほどとも思った。 ・鬼灯 母の手術を待つ間に、祥子(さちこ)と姉・千紗は、母と義父の出会いを初めて聞く。 →自分が知らないだけで理解しようとしない、何もないと考えてしまうのではなく、当事者だけが知り得ることもあるということを知っておくべきだな、と。 ・月夜のディナー 華絵と弟・裕輔は家の事情で独り身のおばさんに育てられた。裕輔の結婚式の前日、3人で外食をすることになり… →これが一番良かった。なんとも言えない話なのだけれど最後にこう言える関係性を持てたことは華絵にとっても裕輔にとってもよかったな、と思います。 ・テンの手 大事な試合の日に名投手・テンが来ないため、晃平は代わに投げることになった。そのとき、テンは… →読み続けていくととてもつらいというか、やるせない気持ちになる話だった。 ・結い言 まみは着付教室でともに学んだ倉嶋さんの死を知り、彼のことを思い出していく… →倉嶋さんの人柄を全編を通して知る…という感じなのだが、実際こういう感じで思い出してくんだろうなぁ…と思った。 ・真昼の月 介護施設で働く弘基は入所者・横澤さんの娘を名乗る女性に次第に惹かれていくが…。 →「冴えない人生」の中で最後のリア充?というようなリードもあったけれど、それぞれの家庭があり、事情がある、という弘基の先輩の言葉通り、そんな簡単な話ではなかった…。 ・デンジソウ もうけのことしか考えない町医者のところで、離婚をきっかけに働きはじめた奈緒。 教育係の四方さん以外の勤続年数は短く、新聞記者も何かを嗅ぎ回っていて… →自分には何もないと思っている奈緒が、だからこそ真実を知った時、四方さんの心を動かす行動に出られたんだろうなぁ…と思う。
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『手のひらの音符』がものすごく良かったので、藤岡さんの他の作品を読みたいと思い、これが2冊目。 やっぱり藤岡さんの作品はいい!相性が合う。心が心地よく揺さぶられる。他の作品も全部読みたい。 今回は短編集だったけど、ひとつひとつドラマがある。 特に『テンの手』は友情について書...
『手のひらの音符』がものすごく良かったので、藤岡さんの他の作品を読みたいと思い、これが2冊目。 やっぱり藤岡さんの作品はいい!相性が合う。心が心地よく揺さぶられる。他の作品も全部読みたい。 今回は短編集だったけど、ひとつひとつドラマがある。 特に『テンの手』は友情について書かれているが、短編なのに長編を読んだかのような満足度。何度も泣いてしまった。テンがなんて心が男前なんだろう。 『月夜のディナー』『結い言(ゆいごん)』も良かった。人との出会いは素晴らしいと思わせる。『結い言』なんて17ページしかないのに、倉嶋さんが他の登場人物とは短時間での関わりであったにも関わらず印象深かったように読者にも焼きつく。
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この本を何で知ったのだったか、でも読んでよかったと思えた。 やや出来すぎな話が多いようにも思うが本人の経歴にもあるように主に医療現場や介護の実態に鋭く取材していて引き込まれた。 月夜のディナーがやはり泣ける。ミスドで読んでてホロリときてしまい少し恥ずかしかった。
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号泣必死というような書評につられて読んでみた。泣きはしなかったが、「家族」に関する心に沁みるようなストーリーが多い短編集だった。普通というか典型的というか、マジョリティの家族から何かが欠けている人たちが多く登場する。その意味では、家族小説なのかもしれない。その欠損がほかのもので埋...
号泣必死というような書評につられて読んでみた。泣きはしなかったが、「家族」に関する心に沁みるようなストーリーが多い短編集だった。普通というか典型的というか、マジョリティの家族から何かが欠けている人たちが多く登場する。その意味では、家族小説なのかもしれない。その欠損がほかのもので埋め合わされたり、されなかったり。テーマとしてはありがちなのかもしれないが、作中人物の考えや描写が繊細で、ていねいに描いているという印象を受けた。万人向きではないかもしれないが、これを好きになる人は多いように思う。
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グッとくる短編が7編。「月夜のディナー」が泣けました。叔母に育てられた姉弟が選んだ道が…って思い出すだけで泣けてきます。 意外な結末のものやしみじみするものなど味わい深い短編ばかりで楽しめました。
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いろいろな人間の関わりが語られる。愛だつたり、ま、いろいろ。感動的でいい話です。ちょっと、きれいすぎるかもしれない。
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