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波風 の商品レビュー

4.1

19件のお客様レビュー

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2024/07/23

現在出版中の藤岡作品はこの短編集でコンプリート。 どの短編もページ数以上の世界観に加えて奥行があり短編といえど侮るべからず、です。 今までは未読の作品がストックされてたのですが一旦これで藤岡作品は読み納めとなります。 今から9月発売予定の新作が待ち遠しいです。

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2024/01/15

短編集だが、一編、一編、とても読み応えのある作品たち。 短い文章の中で、ここまで描けるのってすごいな。 描かれているのは、人の生き方。 人には色んな生き方があるけれど、やはり、真剣に生きていくことこそ大事なんだなって思える作品たち。 藤岡陽子さん、すごいなー。

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2023/09/13

藤岡陽子さん、わりと初期の短編集。 女性目線の物語だけでなく、さまざまな物語で、理屈ではない喜びや悲しみが染み込んでくる。 中でも、「テンの手」が良かった。 「運だけだとか思ってんのなら、行くの、やめろよ。……運のなかったやつの前でそういうこと言うな」 才能だけでも、努力だ...

藤岡陽子さん、わりと初期の短編集。 女性目線の物語だけでなく、さまざまな物語で、理屈ではない喜びや悲しみが染み込んでくる。 中でも、「テンの手」が良かった。 「運だけだとか思ってんのなら、行くの、やめろよ。……運のなかったやつの前でそういうこと言うな」 才能だけでも、努力だけでも、あるいは運だけでもない。 他人に比べて目立つことだけが、成功でもない。 今のところ「金の角もつ子供たち」が藤岡さん著作のマイベストなんだけれど、つまり子供や若者が真摯に生きる物語に弱いのかしら。

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2023/01/12

短編6つ、どれも良き作品でした_φ(・_・ なかでも「鬼灯」「月夜のディナー」が飛び抜けて良かった〜♪ 鬼灯のラスト…サインする所でウルッときて… 月夜のラストでダァ〜(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`) この二作で☆4です!

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2020/08/18

7つの短編からなる本。 藤岡さんの小説はこれで3本目かな。これもよかった。どれも、人が人を想う気持ちに溢れている。 「波風」  加藤朋子の元に前の同僚美樹が訪ねてくる。亡くなった師長の遺言を果たすために。 「鬼灯(ほおずき)」  娘から見ると、“冴えない男”と再婚した母。でも...

7つの短編からなる本。 藤岡さんの小説はこれで3本目かな。これもよかった。どれも、人が人を想う気持ちに溢れている。 「波風」  加藤朋子の元に前の同僚美樹が訪ねてくる。亡くなった師長の遺言を果たすために。 「鬼灯(ほおずき)」  娘から見ると、“冴えない男”と再婚した母。でも、その義父と母との出逢い、また、義父の生い立ちを聞くと、”冴えない男”ではない。人を想う心に溢れている。 「月のディナー」 母親が再婚し、再婚相手との間に子どもが生まれてから、居場所をなくした裕輔と姉。母の家を出て、叔母の家で暮らすことになる。その裕輔が一結婚式前日に、叔母と姉を豪華なディナーショーに招待。  ラスト、おばさんに裕輔「ありがとう。ぼくの・・・・・・お母さん」という下りに、泣いた。 「テンの手」 北海道の天才野球少年「テン」。その試合に勝てば、弱小校と言われた自分たちが甲子園に行ける、というその試合に、テンは来なかった。自己で右腕の肘から下を喪ってしまう。それでも、彼は腐らずに生きた。その姿が本当に男前。 「結い元(ゆいごん)」 女性ばかりが通う着付け教室に86歳の男性が通ってくる。初めは戸惑う講師や周り。でも、その人柄に魅せられていく。その男性と共に学んだのはほんの10日間。でも、彼のお葬式には、着付け教室の仲間が集まってくる。 「真昼の月」 介護施設で働くアイドルオタクの青年の話。 「デンジソウ」 離婚して田舎の病院で働く奈緒は、離婚後、思考を止めなければ生きていけなくなった。そんな彼女が看護助手の先輩四方さん、新聞記者の森川さんを通して、立ち直っていく。映像化されたなら、小説では描かれなかったけど、尚人森川さんは結ばれるんだろうな。

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2019/01/19

全部それぞれよかった中でもテンの手がよかった。 人の弱さ、強さをやさしく描いてある。 一人では生きていけないし、ちゃんと生きていればきっと寄り添ってくれるひとがいる。 最後のデンジソウにもそのメッセージが込められていた。

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2018/11/19

短編集。 小説の楽しみの一つに言えば、自分と遠く離れた立ち位置の人々の心情を疑似体験出来るということがある。 そういう意味で満足を感じる一冊。 北海道の野球少年。介護施設で働くオタク青年、母が再婚相手と暮らす家から出て叔母さんの家で成長した姉弟。 離婚して片田舎の病院で働く女性。...

短編集。 小説の楽しみの一つに言えば、自分と遠く離れた立ち位置の人々の心情を疑似体験出来るということがある。 そういう意味で満足を感じる一冊。 北海道の野球少年。介護施設で働くオタク青年、母が再婚相手と暮らす家から出て叔母さんの家で成長した姉弟。 離婚して片田舎の病院で働く女性。 彼らの目を通した世界はどう見えるか。 様々な人のリアリティを表現出来るってやっぱり凄いな。

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2018/03/21

「真昼の月」に違和感。介護職ああいう人ばかりじゃないと思いますが。資格や経歴がなくても頑張っている人はいるんだけどなー

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2017/07/30

2017/7/29 短編ものですが、それぞれが読み応えありました。今まで短編ものは、薄っぺらな感じ( 過去に読んだもので固定観念をかってに描いていた) はまったく無く、良くここまで凝縮できたな と思わせるものばかりでした

Posted byブクログ

2017/03/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

いつ、どのタイミングで読みたい本リストに入れたのか全く覚えてないのだけど、全く未知だった作家さん。で、これがスゲー本だった。唸らせる泣かせる心ジワジワ響かせる短編集。早くも今年ベスト候補、少なくとも上半期の五指には入ってくるだろう傑作。 人間だれしも1回は死ぬ、ってことは思ってる以上に、親しい人との死別ってのは、かなり身近なことである。ただ、その死別には百人百様の思い入れやドラマがあって、そのドラマ部分を上手く切り取って料理してやると小説になる。 こういうと簡単そうだが、デリケートなメンタル部分に無神経に手を突っ込むとどうなるか…上手く切り取ったり上手く料理するのが、とてつもなくやっかいなのが「親しい人との死別」の特徴でもある。 この短編集に収録されている7編には、いずれも「親しい人との死別」というテーマが含有されている。その含ませ方の配慮に溢れていること。そしてデリケート部分に手を突っ込まれたにもかかわらず、その仕上げの心地よいこと。 読んですぐガツンときたのが「月夜のディナー」、読み終わってしばらくしてジンジン効いてきたのが「鬼灯」…。その他の5編もデリケートなメンタルを掴んで離さない仕上がり。藤岡陽子か、またしても要注意な作家さんに出会ってしもた。

Posted byブクログ