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福島第一原発観光地化計画 の商品レビュー

3.5

18件のお客様レビュー

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2014/03/11

ようやく読み終わった。β4-1チェルノブイリ本の続編。福島復興の具体的なアクションプラン。 人間にとって風化に抗うことはとても難しいことで、今日この日にこんな事を書いている自分も強く実感している。今日は3月11日。 単純に面白かった。夢のような構想もたくさんある。素人目、そしてど...

ようやく読み終わった。β4-1チェルノブイリ本の続編。福島復興の具体的なアクションプラン。 人間にとって風化に抗うことはとても難しいことで、今日この日にこんな事を書いている自分も強く実感している。今日は3月11日。 単純に面白かった。夢のような構想もたくさんある。素人目、そしてどうしても現地を遠巻きに見てしまうものからすると、足を運びたくなる夢プランはやっぱり楽しいのかもしれない。 不謹慎とされればそうだけど、それでも、こんなプランが実現して、足を運んで、学んで、楽しめる空間が出来るなら、それを応援したいと思う。僕は。 なんだかすごくキレイゴトになってしまった。

Posted byブクログ

2014/01/14

前編の「チェルノブイリ・ダークツーリズムガイド」に、原子力災害を経験した地域のその後を見て、福島第一原発観光地化ということに明るい光を見たと思っていた。本書には、それを前提にして、福島を中心とした東北を具体的にこうしていこうぜ、という提言が多数掲載されている。のだけれど、多数すぎ...

前編の「チェルノブイリ・ダークツーリズムガイド」に、原子力災害を経験した地域のその後を見て、福島第一原発観光地化ということに明るい光を見たと思っていた。本書には、それを前提にして、福島を中心とした東北を具体的にこうしていこうぜ、という提言が多数掲載されている。のだけれど、多数すぎるかな、という印象を持った。未来のイラストは清く明るくて、それは悪いことではないんだろうけれど、何か明るすぎるんじゃないか、と、特に論理的ではないけど感じるのだった。 建築という視点からどうするか、といういくつかの提言や、オフィシャルとアンオフィシャルのはざまにある東京電力復興本社の社長インタビューなど、コンテンツは多岐にわたる。 チェルノブイリは、ウクライナで一番有名な地名になってしまった、という。確かにそうだろう。日本はどうか。原子力発電所に県の名前がついているところは少ない。福島と島根だけである。僕の住む静岡県にも原子力発電所があるが、浜岡という、もうなくなった自治体の名前がついている。ここで事故が起きたら、静岡がシズオカになるのだろうか、それともハマオカなのだろうか。視点をいろいろ変えて読む。 本書は多岐にわたり、賛成できること、疑問視するようなことが混ざっているが、ともあれ一読する価値はある。

Posted byブクログ

2014/01/05

藤村龍至さんがどこかで発言していたが、時代を先どる提言は同時代の“学者さん”たちの放言的な批判にさらされる。彼らはそれらの批判に責任を持つ気などさらさらないが、傍からみると糾弾する側がえらく見える…ジレンマである。クリエイターはいつだって批判に耐えるロジックとメンタルの強さが必要...

藤村龍至さんがどこかで発言していたが、時代を先どる提言は同時代の“学者さん”たちの放言的な批判にさらされる。彼らはそれらの批判に責任を持つ気などさらさらないが、傍からみると糾弾する側がえらく見える…ジレンマである。クリエイターはいつだって批判に耐えるロジックとメンタルの強さが必要だ。 さて「ダークツーリズム」は、本当にこの国の義務教育で育った“ふつうの人たち”に訴えかけることはできるだろうか。「ラディカルな思想」と「耳障りのよさ」の狭間で揺られ、どこに着地するかに全てはかかっているのだろう。

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2014/01/05

福島第一原発事故を風化させてはならないというはっきりとした意図を感じた。私も原発は訪れて見たいと思うし、観光地化されたならば一度は足を運びたい。お客さんという立場からすれば、かなり面白い「パンフレット」だと思った。ただし、計画を全て実現させるのは不可能であろう。また、一人のサッカ...

福島第一原発事故を風化させてはならないというはっきりとした意図を感じた。私も原発は訪れて見たいと思うし、観光地化されたならば一度は足を運びたい。お客さんという立場からすれば、かなり面白い「パンフレット」だと思った。ただし、計画を全て実現させるのは不可能であろう。また、一人のサッカーファンとしてJヴィレッジはあくまでサッカーをメインとして復旧させたい。個別具体的な計画には反対のものがあるが、理念的には概ね賛成である。(非常に生産性のない意見ではあるが…)

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2013/12/30

前回のチェルノブイリ本が「チェルノブイリに行って来ました」メインだったのに対して、「福島行って来ました」「福島こうしましょう」と焦点がばらけちゃったかも。井出さんとか一つ一つの記事はおもしろいけどトータルとしてどうだろう?という。まぁ仕方ないっちゃないんだけど。

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2013/12/03

賛否両論、福島第一原発観光地化計画のいわば叩き台。計画に対して懐疑的な人との対談や、現地のレポートも含めた内容。以後、本計画を批判するのであれば、簡単にでも、この本に目を通してほしい。 発起人の東もあとがきの中で認めるように、現実と夢想が混ざり合った状態の計画かもしれないが、まだ...

賛否両論、福島第一原発観光地化計画のいわば叩き台。計画に対して懐疑的な人との対談や、現地のレポートも含めた内容。以後、本計画を批判するのであれば、簡単にでも、この本に目を通してほしい。 発起人の東もあとがきの中で認めるように、現実と夢想が混ざり合った状態の計画かもしれないが、まだ見えない状態のもの対して、こうしたい、という形を考えて、調べて、議論して、まとめて、提示しているだけでも充分賞賛に値すると思う。 あとがきの文学、哲学に対する意志は、程度の違いこそあれ、少しでもそれに触れたことのあるつもりの自分としては、よく言ってくれたと思う。

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2013/11/17

お疲れさまでした! 個人的に、結論の出ていること、ではあるので、「ああ、ここまでくるのにこんなに時間が経ったのか。あれから2年半、あれもこれも読んできたけど、そんなにかかったのか…」という感慨の方が大きい一冊となりました。考えを形にする、ということ、人に分かるようにする、という...

お疲れさまでした! 個人的に、結論の出ていること、ではあるので、「ああ、ここまでくるのにこんなに時間が経ったのか。あれから2年半、あれもこれも読んできたけど、そんなにかかったのか…」という感慨の方が大きい一冊となりました。考えを形にする、ということ、人に分かるようにする、ということ、それを広める、ということがいかに大変なことかを、改めて感じました。本当にお疲れさまでした。 とにかく分かりやすく、イメージの膨らむ形での紙面構成。こんなこと考えたこともない、3.11をどのようにとらえたら良いのかまだわからずにいる、という向きには是非。一読に値すると思います。 距離もあり、なかなか直接的に何が出来るということではないけれども、自分の立ち位置で同じように未来を描く力について考えたい、実行していきたい、という意味で、とてもエネルギーを頂きました。あとはこれがどのように世界に染み渡っていくのか、を見つめ続けたいし一緒に考え行動していきたいです。 私的には、巻末の東氏が、今後のテーマを「超越について」とされていたのが一番の見所でした。そこかなやっぱそこかな!

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2013/11/16

はっきり言おう。これは福島を自らの「思想」のもとに従属させる、極めて醜悪な計画だ。もう少し突き詰めて言うと、これは福島を永久に「原発事故」という枠に押しとどめる行為でしかない。 そもそも計画者らは「風化させないことが大事」と言うが、なぜ「風化してはいけないのか」を本書から考える...

はっきり言おう。これは福島を自らの「思想」のもとに従属させる、極めて醜悪な計画だ。もう少し突き詰めて言うと、これは福島を永久に「原発事故」という枠に押しとどめる行為でしかない。 そもそも計画者らは「風化させないことが大事」と言うが、なぜ「風化してはいけないのか」を本書から考えると、そもそも「原発」という象徴に(昔も今も未来も)縛り付けるための方便にしか見えない。そしてその視線が向いているのは、被災地の現実ではなく彼らが打って出たい「東京」「世界」だ。同書には(申し訳程度に藤田浩志の寄稿があるものの)地元経済に対する視線が観光ガイドの育成以外にない。 さらに、同書では導線が世界-東京-福島と設定されているが、震災という視点から考えれば岩手などを経由する必要があろう(世界-東京-八戸-久慈-釜石-大船渡-気仙沼-石巻-仙台-福島第一原発など)。同書にとって福島は「象徴の中心」でしかない。また同書の中には「ツナミの塔」という作品案があるが、津波瓦礫を使った芸術品と称されているにも関わらずなぜか原発事故関連の作品ということになっているのがそれを象徴しているだろう。 もう一度言うが、これは福島をある種の差別構造に従属させるものでしかなく、こういった「思想」の押しつけにどのような効果があるのか、極めて大きな疑問を持たざるを得ない。

Posted byブクログ