月は怒らない の商品レビュー
主人公を途中までは わりと好意的に読めたのが 途中から ちょっとイヤになり。 垣根涼介には こういうのじゃなく ワイルドソウルみたいな話をもっとたくさん書いて欲しい。
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何処か壊れた女を介した何処か壊れた四人の男の物語。 吉祥寺の市役所に勤める地味目の女。 ひょんなことから、極道者ではないが限りなくグレーな男、市役所の目の前の交番の男、チャラついた大学生、病を抱える晴れた日曜の二時に亀に餌付けする初老。 誰からも好かれるというわけではなく、あ...
何処か壊れた女を介した何処か壊れた四人の男の物語。 吉祥寺の市役所に勤める地味目の女。 ひょんなことから、極道者ではないが限りなくグレーな男、市役所の目の前の交番の男、チャラついた大学生、病を抱える晴れた日曜の二時に亀に餌付けする初老。 誰からも好かれるというわけではなく、ある特定の人種にのみ好かれる。 過去に歩んできた人生が、その人物の表情、面構え、ものの見方、視線の動かし方、言葉の使い方を表す。 何処と無く共鳴し共感、共振する。 陰を落とした過去を持つ者は、言わずもがな、同じく陰を落とした過去を持つ者に魅せられる。 静かな一冊だが、作者が後書きで記すように仏教的な要素が強い。 人の出会いって、そうだよな、と。
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一人の女性をめぐるミステリアスな話。でもミステリーではないかな。垣根さんの作品ぽくなく、精神世界の話なのか、仏教ぽい話。でもおもしろくよめました。説教ぽくないし。
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恭子は市役所勤務の地味な女性。美人ではあるが特別目をひく程では無い。しかしチンピラ、警察官、大学生合計3人と付き合っている。彼らは彼女のどこにそれほど惹かれるのだろうか。 いやあ、これ僕なら絶対いやだなあ。しかも誰にも結果献身的かつ距離を保って付き合っているので、これじゃ自分が...
恭子は市役所勤務の地味な女性。美人ではあるが特別目をひく程では無い。しかしチンピラ、警察官、大学生合計3人と付き合っている。彼らは彼女のどこにそれほど惹かれるのだろうか。 いやあ、これ僕なら絶対いやだなあ。しかも誰にも結果献身的かつ距離を保って付き合っているので、これじゃ自分が付き合っているのか不安になっておかしくなっちゃうでしょう。 垣根涼介さんにしてはエロは薄めで、禅問答みたいな感じだなと思ったらそういう精神傾向の時期に書かれた本だったんですね。納得。
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4人の男性を虜にする女性。大衆的に受けのいい女性よりも、1人の人を魅了する女性になりたいと思う。その秘訣は何なんだろう、と期待しながら読み進めていったけど、結局は整った顔と、心を擽るような深い芯で通じる孤独。孤独はあるが整った顔はない。たぶん、どちらも必要要素で、ただ孤独だけある...
4人の男性を虜にする女性。大衆的に受けのいい女性よりも、1人の人を魅了する女性になりたいと思う。その秘訣は何なんだろう、と期待しながら読み進めていったけど、結局は整った顔と、心を擽るような深い芯で通じる孤独。孤独はあるが整った顔はない。たぶん、どちらも必要要素で、ただ孤独だけあるやつは相手にされない。結局、顔前提かよ、って。
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市役所の戸籍係の恭子。 恭子をめぐる3人の男。 警察官の和田、法ぎりぎりの金融業を請け負っている梶原、大学生の弘樹。 垣根さんの作品のなかでも珍しいなと。 あとがききお休みされていた。と書いてあったが納得。 かなり生き方に迫った話なので、何度か読んで消化する。そんなイメージの...
市役所の戸籍係の恭子。 恭子をめぐる3人の男。 警察官の和田、法ぎりぎりの金融業を請け負っている梶原、大学生の弘樹。 垣根さんの作品のなかでも珍しいなと。 あとがききお休みされていた。と書いてあったが納得。 かなり生き方に迫った話なので、何度か読んで消化する。そんなイメージの作品。
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悟りを開いた人生観を持った女性の話 人生は誰かに寄り添って生きることはできるけどその人生はいつまでも自分だけのもので交わることはない というのは正論だけどさびしい
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※このレビューにはネタバレを含みます
垣根作品が好きです。登場人物はみんなどっか欠けてて、でも憎めない。今度は主人公をどんな車に乗せてくるのかと楽しみに読み進めると、まあ実にマニアックな国産車をチョイス。このセンスがたまらない。
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なんか心惹かれる話だった。恭子さんに惹かれる男たちみたいなものかな。恭子さんの達観した強さには恐れ入った。
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なかなか感情移入は難しい。 私はこれほど達観もできないし、孤独に耐えられないだろう。 しかし、ギクリとくるものも幾つかあった。 「私をこんなにも愛してくれている」というのは形を変えた自己陶酔。 正論すぎた。一瞬受け入れられずにいた。 私は完璧な自己陶酔型であったのを、この年になっ...
なかなか感情移入は難しい。 私はこれほど達観もできないし、孤独に耐えられないだろう。 しかし、ギクリとくるものも幾つかあった。 「私をこんなにも愛してくれている」というのは形を変えた自己陶酔。 正論すぎた。一瞬受け入れられずにいた。 私は完璧な自己陶酔型であったのを、この年になってようやく確認した。 恥ずかしいと思った。 けどそれが自分なのだとも思う。 自分のことが好き。多分そうなのだろう。 ただ認めたくなかった。自分がそんな陳腐なものだと認識したくなかった。 しかし、それ自体が完璧な自己陶酔だ。 気づいたときには、笑っていた。 私は陳腐な生き物だった。 また、生きるに意味もなにもない。 この言葉にも考えさせられる。 けど、意味もない人生がどれほどのものなのか。 真実は必ずしも人を救わない。 逃げでもいい。意味を見出し、自身の立ち位置を見出したい。 それでいいのだと思う。 悪あがきの人生も悪くはない。
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