画家 の商品レビュー
ただ心を動かされるだけではなく、絵具を手に、自分も神の創造のように働きたいー。 An artistというシンプルなタイトルの、短い絵本ですが、画家の創造を旅するような豊かさがありました。
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「ある本はたった32ページしかないのにもかかわらず、読者にゆたかな読後感をもたらす(イメージしているのは、ゴフスタインの『画家』という本だ)。(島田潤一郎『長い読書』p.172) と書かれているのを見て気になり手に取った。 パラパラとめくっていると一瞬で読み終わる。 しかし何...
「ある本はたった32ページしかないのにもかかわらず、読者にゆたかな読後感をもたらす(イメージしているのは、ゴフスタインの『画家』という本だ)。(島田潤一郎『長い読書』p.172) と書かれているのを見て気になり手に取った。 パラパラとめくっていると一瞬で読み終わる。 しかし何かが引っかかって、2周・3周と読んでみる。何かというのははっきり分からないけど、不思議と身体に絵と詩が浸透してくる心地良さがある。 -------- 彼は神の創造をまねようとする。 我が手で美をかたちづくろうとする。 自然のそとに秩序をつくろうとする。 心の中の考えや気持ちを描こうとする。 -------- 「表面の繊細さと壊れやすさの奥に隠れている芯は、驚くほど強い」とワシントンポスト紙が評しているのがよく分かる、揺らぎのある優しいしかし確固たる意志を持った絵と詩だと思う。 大河ドラマ「光る君へ」でちょうど枕草子の美しさに感動した後なので、なおさらこの静かな美しさが響いてくる。
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視界のほとんどが、青色でいっぱいの時、 ふっと、気付いたように空を見上げる。 (雲とか、すごく夏っぽーーい♪) ・・・で、すごく嬉しくなる。 風も爽やかだし、 光も柔らかい。 何もしないで、ずっと眺めていられる画家はいいなー、と、いつも思う。 画家は、 いつも 遠くを見て...
視界のほとんどが、青色でいっぱいの時、 ふっと、気付いたように空を見上げる。 (雲とか、すごく夏っぽーーい♪) ・・・で、すごく嬉しくなる。 風も爽やかだし、 光も柔らかい。 何もしないで、ずっと眺めていられる画家はいいなー、と、いつも思う。 画家は、 いつも 遠くを見ている、って誰かから聞いたから。 遠く。 あんなにキレイな遠くを、私は呼ばれた時しか、見ていない。 だから、いいなー、と、羨ましく思う。 (詩人になれなければ、他の何にもなりたくない。)と、ごねていたのは ヘルマン・ヘッセだっけ。 我儘だよな。 自分が何者であるべきか、ちゃんと知ってるからこそ、 他は全て捨てられるんだ。 なんて、羨ましい… おっとっと。画家はどうしてたっけ? 画家は、 画家も、そうそう。 自分が何者かを、ちゃーんと知っている様だ。 何故かと言うと、 絵の具を意のままに動かすことが出来るから。 見るべきものを、 ちゃーんと知っているから。 一生が、長いとか短いとか、 そんな事はどうでもよく、 自分がいるべき場所とやるべき事を間違いなく知っている。 すると、 見えてくる世界が青空の様に眩しく思えるんだなぁ~ と、感じた絵本。
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久しぶりに読み返したらぐっときた。初心に帰りたかったり、迷ったりしたときに私はこの一冊の大切さを思います。
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