暴露 スノーデンが私に託したファイル の商品レビュー
政府権力に警戒するジャーナリストに、スノーデンが接触し、マスコミに発表する前後の経緯。人生を投げ捨てリスクを負うに至った背景。託されたファイルの内容。 沢山の人が組織的に行ってきた活動、新人教育からノウハウ、結果の評価や分析、秘密裡になんてレベルじゃない。暴露もまた、場当たり的...
政府権力に警戒するジャーナリストに、スノーデンが接触し、マスコミに発表する前後の経緯。人生を投げ捨てリスクを負うに至った背景。託されたファイルの内容。 沢山の人が組織的に行ってきた活動、新人教育からノウハウ、結果の評価や分析、秘密裡になんてレベルじゃない。暴露もまた、場当たり的なものじゃなく、収集を含めて周到だったことを知った。
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いつもより早く読み終えることができた。 今や日常生活に深く浸透しているインターネット網の整備構築がアメリカ主導で行われた(と私は理解している)ことの、当然と言えば当然の帰結なのだろうか。すべてのインターネット通信トラフィックがアメリカを経由している(と私は理解している)のだ...
いつもより早く読み終えることができた。 今や日常生活に深く浸透しているインターネット網の整備構築がアメリカ主導で行われた(と私は理解している)ことの、当然と言えば当然の帰結なのだろうか。すべてのインターネット通信トラフィックがアメリカを経由している(と私は理解している)のだから、アメリカがこの優位性を手放しで見ているはずはないと思う。私たちがインターネットという至極便利なツールを手にして、この快適性・利便性を享受し始めた時点で、本書で述べられているような事態(アメリカが「すべてを収集する」)は、ある程度受け入れざるを得ないことなのかもしれない。 第4章以降は特に興味深かった。これを読むとさすがに、平凡人の私でさえ、監視されてしまうことの薄気味悪さを感じずにはいられない。 アメリカのマスメディアが、考えていた以上に保守的であることには驚かされた。特に外交軍事面、安全保障面においてであろうが、報道できる範疇について、事前に政府側にお伺いを立てているというのは驚きだ。世界のリーダー、警察を自任するアメリカだから、最終的な安全保障的な局面では保守的にならざるを得ないということか。不安定なアメリカというのも怖い気がするし。さらには、イギリスには憲法で報道の自由が保障されていないとあったが、本当なのだろうか・・・。そして日本の政府の監視状況はどんなものなのだろうか? 私はグーグルのファンである。アンドロイドのスマホを持ち、最近IEからクロームに乗り換え、仕事でもプライベートでも検索するときは迷わずグーグルだ。そんなグーグル社、本書によるとアメリカ政府筋に協力して情報提供しているとのことである。少し残念だ。 本書の最後に述べられている、アメリカ経由以外のインターネット網構築の動きや、アメリカ政府の影響・干渉を受けないツールには注目していきたい。選択できることはいいことだ。 しかしながら、今の自分にとって、これらの事実をどう受け止めるべきなのだろうか。 私はただの暇な凡人である。本書にもあるように、「私の平凡な日常なんか、どうぞご自由に。」という感じだ。スノーデンのような生き方ができるはずもなく、そんな覚悟もない。日常生活や仕事の瑣末なことに汲々としているだけである。今やインターネットは自分には欠かせない。「ブクログ」を楽しみこのようにレビューを投稿できるのも、インターネットのおかげである。 一部の人間がその気になれば、自分の素性やプライバシーなど暴かれるのは簡単だという前提に立って、日々の生活を過ごしていくのだ。 本書でふれられていた、ジョージ・オーウェルの著作、「一九八四年」がとても気になりだした。ほかにも読む予定の本があるのだが、いつもの電子書籍サイトで、ざっと立ち読みしてみた。とても気になる。なぜかというと、これまで自分が無意識にまたは意識して夢想してきた世界がそこにあるような気がするのだ。全体主義の監視社会。自分が夢想していたのとは違って、あまりいいものではなさそうだ。しかも少なくとも最近の作品ではなく、相当程度前のものである。 そうこうしているうちに、電子書籍版を購入完了してしまった。
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2013年に世界を騒がせたスノーデン事件の顛末がよくわかる。 著者のグレン・グリーンウォルドはブラジル在住のジャーナリストで、政府の秘密主義がもたらす危険性や市民の自由への侵害についての講演をする活動をしていた。そんなところを、エドワード・スノーデンは信用したのだろう。 この...
2013年に世界を騒がせたスノーデン事件の顛末がよくわかる。 著者のグレン・グリーンウォルドはブラジル在住のジャーナリストで、政府の秘密主義がもたらす危険性や市民の自由への侵害についての講演をする活動をしていた。そんなところを、エドワード・スノーデンは信用したのだろう。 この本を読むと、スノーデンがカネ欲しさなどで行動しているのではないことが分かる。「プライバシーやインターネットの自由」と「国家による監視の危険性」について、世界中で議論するようになって欲しいと純粋に思っているのだ。彼をカネで釣ることは難しいだろう。 スノーデン事件で明らかになったことは多いが、有名なNSAのPRISM計画(通信監視プログラム・システム)だけではない。PRISMでは、Microsoft、Yahoo、Google、facebook、Appleなどのインターネット企業各社のサーバーから情報を直接収集しているが、安全保障上の情報収集だけでなく、経済・外交のスパイ活動にも関わってきた。さらには、アメリカ国民も含む一般市民を対象とした監視活動をしていることが分かる。すくなくとも、この本を読んでいる限りは、「結果を出すためならば法律無視も厭わない」という態度がありありと見える。また、アメリカの防諜予算の70%は民間企業に支払われているという記事もあり、ここまでくると、国家・企業がぐるになった監視活動のようだ。 ところで、子飼弾の本書の書評はかなり厳しい。 http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51920196.html その通りだね、と頷ける点もあるけど、それでも、この『暴露』はスノーデン事件の顛末を知るには読んでおく一冊だと思う。
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【Entertainment】暴露:スノーデンが私に託したファイル/グレン・グリーンウォルド/20140805(64/238) ◆きっかけ ・あまりにも有名な事件。 *Kindleを購入、電子書籍で読了。メモを作成したツイッターへ転送し、引用部分はそれをまとめている。 ◆感想 ...
【Entertainment】暴露:スノーデンが私に託したファイル/グレン・グリーンウォルド/20140805(64/238) ◆きっかけ ・あまりにも有名な事件。 *Kindleを購入、電子書籍で読了。メモを作成したツイッターへ転送し、引用部分はそれをまとめている。 ◆感想 ・題材は衝撃的(スノーデンいわく、合衆国政府は世界中の電子通信プライバシーを完全に取り除くこをと最終目標とするシステムを構築したと)。しかし報道等で知っていたこともあるが、想定の範囲内。前半は、ハリウッドのスパイ映画並みのストーリー仕立てだが、中盤から入手した情報の細かな暴露にあると飽き飽きしてくる。端的に言えば、Yahoo等ネット会社が裏でNSAと結託して、監視システムに情報を垂れ流しにしていた、その他電話の盗聴等々で、個人が丸裸にされているということなのだろう、それをダラダラと記しているのは、告発する勇気と告発した内容を示すジャーナリズム精神なのだろうが、読んでいてあまり興味がわかなかった。3,4章は途中よりスキップ。5章も読むもあまり頭に入らず。 ・少し前にはエシュロンの話もあり、なんとなく皆分かっているのだが、本書で決定的な証拠を突き付けたわけだ。しかし、それにしても、その後の人々のメディアの反応はどうだ?スノーデンがロシアに逃亡して以来、ニュースになることはあまりなく、こうした事実もピークを過ぎ除々に忘れ去られていはいないか。鈍感になっている? ◆引用 ・フェイスブック〉の創設者でCEOのマーク・ザッカーバーグも、二〇一〇年のインタヴューでこう言い放った。「今じゃ、情報を共有することに人々の抵抗感はどんどん薄くなっている。多種多様な情報の共有はもちろん、より多くの人とオープンに共有することもね。彼に言わせれば、デジタル時代におけるプライバシーはもはや社会規範ではなく、個人情報を売り物にするハイテク企業に儲けさせさるための概念ということになる。 人間のほんとうの価値は、その人が言ったことや信じるものによって測られるべきではありません。ほんとうの尺度になるのは行動です。自らの信念を守るために何をするか。もし自分の信念のために行動しないなら、その信念はおそらく本... ・今日、ジャーナリズムの世界に身を置く多くの者にとって、政府から〝責任ある〟報道というお墨つきをもらうこと──何を報道すべきで何を報道すべきでないかについて、彼らと足並みを揃えること──が名誉の証しとなっている。アメリカのジャーナリズムがどれだけ体制の不正を監視する姿勢を失ってしまったか、そのことを如実に物語っている。 ・オバマ氏は〝行政機関は与えられた権力をすべて行使し、ひいては濫用する〟という自明の理を証明してみせた」と皮肉った。 ・政府は携帯電話やノートパソコンを遠隔地から起動させ、盗聴器として使うことができるからだ、と。電源を切るだけでは効果がなく、バッテリーを抜くしかない。
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この人は確実に歴史に残るだろう。 相当に勇気ある行動である。 アメリカがアメリカ市民を監視していることにフォーカスが多くて、中国やロシアとのサイバー攻撃について書かれていないのが残念。
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この問題は解決済みと言えるのだろうか。勇気ある告発、正義感に対し、国家はあまりにも冷酷で強力だ。しかし、この問題は、国民全体の不利益のみならず、次のような事が考えられないのだろうか。例えば、情報の政治利用。時の権力者が、敵対者の情報を入手し、そのことにより政争を有利に運べる場合、...
この問題は解決済みと言えるのだろうか。勇気ある告発、正義感に対し、国家はあまりにも冷酷で強力だ。しかし、この問題は、国民全体の不利益のみならず、次のような事が考えられないのだろうか。例えば、情報の政治利用。時の権力者が、敵対者の情報を入手し、そのことにより政争を有利に運べる場合、政党の転覆が困難なばかりか、自らの立場も危ういのでは。政治エゴの観点からも野放しにして良いはずはない。つまり、ターゲットとなり易いのは、一般市民よりも著名人だという論拠には、理があると考える。では、本来反対すべきは、野党では無いのか。 国家シギントには、プライバシーの権利から反対する。まさに、共産主義社会の体である。そもそも、国家による監視は、必要なのだろうか。組織的犯罪者はこのシギントをすり抜ける可能性が高い。経済においては有効だろうが、これを許せば、無法地帯になるのでは。経済活動は、ルールの上でお互いの信頼に基づかなければ、行き着く先は、原始的な暴力社会だろう。 スノーデン氏の憤りが、よくわかる。これは、あってはいけない事である。権力に屈せず、戦い続けて欲しい。このような事は、国に限らず、企業でもよく起こる。企業内の価値観、同調圧力は、外から見たらすぐ分かるような異常性を許容し易く、正義による告発を裏切りと判別し易い。組織に益があり、仲間とのルールが破られず、バレさえしなければ、その行為が正義だと。組織と戦うには、別の組織の力が必要だ。組織が国家である場合、果たして戦い切れるのか。そのための司法の独立ではないのか。 新時代のルール作りは、暗闇を一歩一歩進むようなものだ。そのルールでさえ、強国有利に作られる。我々は、これからどこに進んでいくのか。
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すばらしい。 スノーデン、イカす! 顔はイマイチだけど。 ソウルは最高。 逃げるんだ!ベイビー! 逃げ切ってくれ。 君は最高にヒップな野郎だ。
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米国のインターネット盗聴を暴露したスノーデン。その情報を得て発表した記者グリーンウォルドによる、事の顛末とその影響を描いたノンフィクション。ロシアに逃れたスノーデンは、米国政府の引き渡し要請や国防観点からの非難があり、いまだ進行中の案件である。情報を渡していた米IT業界の各社につ...
米国のインターネット盗聴を暴露したスノーデン。その情報を得て発表した記者グリーンウォルドによる、事の顛末とその影響を描いたノンフィクション。ロシアに逃れたスノーデンは、米国政府の引き渡し要請や国防観点からの非難があり、いまだ進行中の案件である。情報を渡していた米IT業界の各社についても、秘密情報の保持という点で信用を落としており、これまでのように無条件に信頼を得れらる存在ではなくなっているようだ。 世界の通信情報を収集するという「PRISM」の存在についてはスノーデン以前から噂にはなっていたものの、自分としては現実のものとも思えずトンデモの類かと思っていた。本書を読み、本当にここまでやっていたのかというのが感想だ。全ての情報を収集するということが、その対象となる量からして現実的とは思えないことと、全てを収集できたとしてその情報量が多すぎてそこから有益な情報を得るのが難しいのではないかと直感的に考えていたからだ。 電話の仕事をしていたらCALEA (Communications Assistance for Law Enforcement Act)対応機能が米国向けでは必須であることは知っていた。司法の許可があれば米国内の全ての通信は傍受可能とするのが目的だ。その思想を敷衍するとすべてのインターネット通信を捕捉しようとするのは当然の帰結なのかもしれない。特に911の後の世論やジャーナリズムは、これをよい機会とする人々によって利用された。 米国ではHuaweiやZTEなどの中国製ネットワーク機器は国家安全保障上のリスクから採用されないということになっている。中国のメーカーは、本当にそういうことをやっているのかもしれないが、自らが外国に対してそのようなことをしているという事実からこそ逆に実行されている政策とも言えるだろう。そこまでやるのか、という観点で見ると、先日のOpenSSLのバグも、彼らが置いたバックドアなのではという噂も現実的になってくる。米国が選定した暗号方式であるAESについても何か裏があるのではとこうなると勘繰りたくなる。日本の通信などは裸になっているのだろうか。 著者は、第4章で政府が監視しているという事実が社会与える影響について論じる。監視の対象になるのは、悪いことを考え、悪いことをしようとしているものであり、われわれはそのために庇護されるのだという考えを非難する。 フーコーが『監獄の誕生』以降で分析した内的監視のメカニズムがまさにすみずみまでその射程に捉えようとしている。人は、自らの自由意志という錯覚をもってその監視社会の中で住むことになる。それは、抑圧的で不可逆的なプロセスであり、自分は悪いことをしていないので、気にならない、という話ではないのだ。 著者は、米国政府だけでなく、唯々諾々として政府の意図に沿う大手ジャーナリズムも批判する。それこそが大きな問題なのかもしれない、と。 物語としても面白いが、事実として知っておくべきが書かれている本。
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驚きの事実だ。CIAやFBIが何が入っているかわからないからLenovo製PCを使うなと通達を出したが、それ以上のことをしている。シスコから定期的にルーターの新製品を納めさせ、チップを加えてまた新品にして返してくる。メールアドレスがわかればどんな情報も取得することが出来る。一度で...
驚きの事実だ。CIAやFBIが何が入っているかわからないからLenovo製PCを使うなと通達を出したが、それ以上のことをしている。シスコから定期的にルーターの新製品を納めさせ、チップを加えてまた新品にして返してくる。メールアドレスがわかればどんな情報も取得することが出来る。一度でもネットに繋げばマルウエァを埋め込み、たとえPCの電源を切っていても起動させることが出来る。唯一秘密が保たれるは、一度もネットに接続されていないPCだ。こんな事が自由主義、オバマ政権で実施されている。
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世界を震撼させた告発の全容がこの一冊です。 スノーデンがNSAの内部情報を告発するに至った経緯とその内容の一部が書かれています。 ただし、この一冊はNSA秘密裏に行っていた監視のみを告発した一冊ではありません。政府と癒着し、真実を報じれないジャーナリズム、都合の悪いことは力づくで...
世界を震撼させた告発の全容がこの一冊です。 スノーデンがNSAの内部情報を告発するに至った経緯とその内容の一部が書かれています。 ただし、この一冊はNSA秘密裏に行っていた監視のみを告発した一冊ではありません。政府と癒着し、真実を報じれないジャーナリズム、都合の悪いことは力づくで押さえ込もうとする政府権力に対する告発であり、挑戦の一冊であると思います。 ただ、告発内容が専門用語や暗号だったりするので読みにくいですし、英語も読めなかったりする部分があったので、ちゃんと解説や日本語に直した資料を添えて欲しかった。 秘密保護法の可決や、日本版NSAの設立の動きのある日本だからこそ今一読して考える価値があると思います。
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