それでも猫は出かけていく の商品レビュー
思想家 吉本隆明さんのご長女で よしもとばななさんの お姉さんである 漫画家ハルノ宵子さんの 猫のエッセイ集。 猫が自由に出入りできるように 1年中ドアをあっけぱなしという吉本家。とにかく猫のために…という生活。猫を飼う人間として いろいろ考えさせられました。
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うちの猫もみんな捨て猫だけど、シロミほど重い障害を持っている猫はおらず、著者の猫愛には、本当に頭が下がる。 著者が、どれだけ深い愛と覚悟を持って猫と生きているかが伝わってくる。大島弓子と似ている。 室内飼いしないとか、病気持ちの猫を健康な猫と一緒に飼うなど、明らかに批判されそうな...
うちの猫もみんな捨て猫だけど、シロミほど重い障害を持っている猫はおらず、著者の猫愛には、本当に頭が下がる。 著者が、どれだけ深い愛と覚悟を持って猫と生きているかが伝わってくる。大島弓子と似ている。 室内飼いしないとか、病気持ちの猫を健康な猫と一緒に飼うなど、明らかに批判されそうな飼い方だが、批判も受け入れる(そしてちゃんとした根拠もある)こういう人を見ると、清々しい。 吉本隆明に特に思い入れはないが、母(隆明の妻)という人はなかなか一筋縄ではいかない興味深い人物みたいで、だれかこの妻を主人公に小説書いてくれないかな、と思った。(よしもとばなながもう書いているのか?寡聞にして知らず。) 近所の目と病気や怪我や事故をおそれて(またそれに伴う手間と出費を懼れて)室内飼いしてる私は猫を不幸にしているのではといつも思っている。 ハルノさんや大島さんには批判に屈することなく、頑張ってほしい。 猫飼いには参考になること多数。ペントナイトの良さや、尿の匂い消しの方法など、本当にためになった。 そんじょそこらのスポンサー付きの猫雑誌やサイトより、ずっとためになる。
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ある夏の夜、家の隣の墓地で障害を持った白い猫を拾ってからの8年間の記録。 濃厚です。 かなり軽い感じの文章で書かれてますが、 何度も泣き、驚き、感服し、何日か読むのを休みました。 シロミちゃん他猫たちの記録の連載、 父母の介護、ご自身の病気。 その上この毎日のように何かが起...
ある夏の夜、家の隣の墓地で障害を持った白い猫を拾ってからの8年間の記録。 濃厚です。 かなり軽い感じの文章で書かれてますが、 何度も泣き、驚き、感服し、何日か読むのを休みました。 シロミちゃん他猫たちの記録の連載、 父母の介護、ご自身の病気。 その上この毎日のように何かが起きている猫たちの世話。 それも家猫だけではなく、 自分の家にやってくる外猫まででもなく、 近所のノラたちの餌やりや世話まで。 尋常では考えられない多忙とお金問題。 でも弱音が書かれてないんです。 決断力・覚悟・信念が鋼のように心を貫いているんです。 潔すぎて…私はまた泣いてしまいます。 猫から学んだことが多いのではと思います。 猫を介護しているようで、 かえって猫たちに守られている気もします。 自身の病気の発見も、 ハルノさんが泣いて感情を吐き出さねばいけないポイントも はからずとも傍にいた猫がちゃんと誘導しています。 ハルノさんが猫から学んだことを、 惜しげもなく分けていただけてありがたいです。 私にも近い将来、親と家族猫の介護がやってくると思います。 決断できない私。とことん付き合って ハルノさんが出かけていく猫を見送る時の覚悟に近づけるよう、 「その日」がくるまで、何度か読み返して 教えを乞いたいと思う一冊です。 父である吉本隆明さんの『フランシス子へ』は 後日絶対に読みたいと思います。
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※このレビューにはネタバレを含みます
すげー!この人は猫飼いのプロだ! 吉本隆明氏の長女であり よしもとばななさんのお姉さまでもある著者が、同居する父と母を介護の末に看取り、自身も乳ガンを患いながらも、病気を抱えた飼い猫たちとの日常を綴るエッセイ。親と同居の独身女子である著者にかなり共感できたし、将来の自分と重ねて「いっちょ覚悟を決めるか!」と背中を押された気分にもなりました。 外猫を外猫として見守るということは、その猫が生きられないかもしれないということまで受け容れる覚悟を持つこと。安易に拾い上げてうち猫にしてしまうより、よっぽど覚悟のいることなんだ…。時にご近所の冷たい視線にさらされつつも、猫の生(せい)を丸々認め、受け容れ、外猫にエサをやって面倒を見る一方で、外猫の避妊・去勢手術や病気の治療、苦情があればウンコの処理などもきっちりと行うその姿勢には、頭の下がる思いでした。 ところで亡くなった吉本隆明氏のお骨は、愛猫のお骨と共に四十九日を過ぎてもまだ家にあるのだとか(2年前の話なので今はどうだか分かりませんが)。うちもそれでいいかい?!(笑)。隆明氏と愛猫フランシス子の関係が、うちの父とうちのコマとの関係にそっくりで面白い。
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