国家の危機管理 の商品レビュー
元内閣危機管理監による、国家の危機管理の入門書。 経験がものを言う部分が大きい危機管理について、筆者の在任中の事例をふんだんに用いて解説しており、初心者にも分かりやすい。 また、政府の危機管理機構の仕組みについても噛み砕いて説明されている。 危機管理においては、必然的に、限られ...
元内閣危機管理監による、国家の危機管理の入門書。 経験がものを言う部分が大きい危機管理について、筆者の在任中の事例をふんだんに用いて解説しており、初心者にも分かりやすい。 また、政府の危機管理機構の仕組みについても噛み砕いて説明されている。 危機管理においては、必然的に、限られたリソースをどのように振り分けるかという優先順位をつけることが求められ、その判断は、意思決定者がこれまで培ってきた価値観によるところが大きく、そのため、危機管理に携わる者は、国民一般の価値観や国家観を自己のものとするよう努めなければならない。
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【122冊目】4年弱もの間、東日本大震災時に内閣危機管理監を務めた元・警視総監による危機管理の本。タイトルが全てで、「国家の」危機管理について書いてある本なので、一般受けはしなさそう。 同じ内容の繰り返しが多く、かつ、(校正の問題ではあるが)元官僚の本とは思えないほどに誤字脱字が目につく。 それでも、経験知に負うところが多い(という印象がある。筆者もその点は認めている)危機管理の分野をなるべくかみ砕き、体系立てようとする努力がかいま見える。また、80以上もの豊富な事例を記載することで、総論だけではイメージしづらい部分を見事にカバーしている。学問的な探究の進展よりも実戦に活かされることが期待される分野の本としての趣旨をきちんと押さえていて好印象。 ……ただし、決して一般受けはしない笑
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公助が期待できないこともあるので、自分の命は自分で守るということを考えておいた方がよい。 クライシスマネジメントで重要なのは当該事態におけるマネジメントの目的を見据え、事態が想定や当初の予測を超えてもその目的を見失わないこと。 情報分析にあたる時間的余裕がないことも多く、危機...
公助が期待できないこともあるので、自分の命は自分で守るということを考えておいた方がよい。 クライシスマネジメントで重要なのは当該事態におけるマネジメントの目的を見据え、事態が想定や当初の予測を超えてもその目的を見失わないこと。 情報分析にあたる時間的余裕がないことも多く、危機管理担当者は日ごとからの経験とイマジネーションによって判断していく以外ない。 危機管理においてももっとも重要なことは、あらかじめ起こりうる危機にはどのようなものがあるかを事前に想定しておくこと。
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