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思想地図beta(Vol.2) の商品レビュー

4.4

49件のお客様レビュー

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2011/11/26

終りなき日常を生きていたことを意識すらしなかった。オウム事件は自分にとっては小さい頃に奇妙な音楽と共に地下鉄サリンという言葉で覚えている程度である。その後のオタク文化やネット文化は自分と共に成長していたものでなぜ世間が騒いでいるのかを考えることはあまりなかった。まあ自分が無知だっ...

終りなき日常を生きていたことを意識すらしなかった。オウム事件は自分にとっては小さい頃に奇妙な音楽と共に地下鉄サリンという言葉で覚えている程度である。その後のオタク文化やネット文化は自分と共に成長していたものでなぜ世間が騒いでいるのかを考えることはあまりなかった。まあ自分が無知だったのだ。  この本ではその日常が終わったことを教えてくれ。自らが考え決定することを促している啓蒙書だ。今や人々はテレビ、新聞ではなくtwitterやネットを駆使して自分で情報を集め行動している。見えないもの暮らしていくことがこれからは求められるんだろう。  いいね!だけではなく、いくない!も欲しいなあ。

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2011/11/22

冒頭に掲載された和合亮一さんの詩を読み、自分も震災を体験したかのような錯覚に陥った。震災・原発に対する怒りや悲しみ、やるせなさというものが内からこみ上げてきた。 東浩紀との鼎談で和合さんは「一番重要なのは「川」で溺れて震災を経験する。それは直接経験じゃない、間接経験、想像しながら...

冒頭に掲載された和合亮一さんの詩を読み、自分も震災を体験したかのような錯覚に陥った。震災・原発に対する怒りや悲しみ、やるせなさというものが内からこみ上げてきた。 東浩紀との鼎談で和合さんは「一番重要なのは「川」で溺れて震災を経験する。それは直接経験じゃない、間接経験、想像しながら被災を経験して、日本社会のみんなで、川で溺れながら考えていかないと同じことが繰り返される」と述べている。少なくとも僕においては、その試みは成功していたと言えるだろう。 溺れる経験を共有するために、ぜひ読んでほしい詩です。

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2011/11/17

震災でどんな被害が起きたのかは後からでも残るでしょう。 しかし、そのとき何を考えていたのか?ということは記録としては残りづらいと思います。 震災後に何を感じ、どんな行動をしたのかということを残すアーカイブとして、様々な言論人や科学者が寄稿している本書は貴重であると感じました。 ...

震災でどんな被害が起きたのかは後からでも残るでしょう。 しかし、そのとき何を考えていたのか?ということは記録としては残りづらいと思います。 震災後に何を感じ、どんな行動をしたのかということを残すアーカイブとして、様々な言論人や科学者が寄稿している本書は貴重であると感じました。 義援金ってもう支払われたのかなとサイトを見に行ったら情報が更新されてなかったのが残念。

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2011/11/07

恐らく過去に読んだ本及び雑誌の中でここまでコンテンツの密度が濃いものは無いと思えるくらい濃かった。 特に3.11の時期的に早い段階での総括をするにはもってこいの本だと思う。

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2011/10/29

まだ読んでる最中です。 家長として、という猪瀬氏の言葉が宮台とつながる。島の記憶、日本という国が持つ、断絶されたアイデンティティを回復すること。それが村上隆的な外側を経由した正統性もあり得るのでは、って話はなるほどなと。日本が内圧で変化することはないだろう、今のところは。まあし...

まだ読んでる最中です。 家長として、という猪瀬氏の言葉が宮台とつながる。島の記憶、日本という国が持つ、断絶されたアイデンティティを回復すること。それが村上隆的な外側を経由した正統性もあり得るのでは、って話はなるほどなと。日本が内圧で変化することはないだろう、今のところは。まあしかし、もっと貧困が進行すれば話は別だが。まあそうなると教育の水準が下がるので、逆にそういう内圧による変化ってのは生まれ得ないのかも。そんで多分日本はどんどんそっちに引っ張られている。そうなる前に、外側から正統性をすげ替えられんもんだろうか。。 と、やはり思うのは、僕らのような若い世代が、この国の過去と今と未来の問題とどう向き合うのか、がどうも不明確だってこと。ゼロ年代に思春期だった僕らは、その次の日本をどういうパースペクティブでとらえるのか。。 まだわからない。。

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2011/10/27

東北の震災があったとき、Twitterではものすごい量の情報が飛び交った。避難所の情報、原発の状況、放射性物質の行方、各地で計測される放射線の量。デマもあれば、煽りもあり、どれが信用に足る情報なのかさっぱりわからなくて、混乱の渦に放り込まれたことをよく覚えている。そういう人間のこ...

東北の震災があったとき、Twitterではものすごい量の情報が飛び交った。避難所の情報、原発の状況、放射性物質の行方、各地で計測される放射線の量。デマもあれば、煽りもあり、どれが信用に足る情報なのかさっぱりわからなくて、混乱の渦に放り込まれたことをよく覚えている。そういう人間のことを情報被災者というらしい、とこの本を読んで知った。 千年に一度という規模の津波、人類始まって以来初めてというレベルの放射能漏れ事故。 こんな時に言論の力で何ができるだろうか、という東氏の問いがこの本の屋台骨となって、さまざまな論客が持論を展開している。 現地からのレポートあり、新しい形の都市/人のつながりかたへの脱皮を提案するものあり、震災後にTwitterでどんな言葉が飛び交ったかのデータあり。 結論は、東氏の意見に集約されていく。「喪の作業をきちんとしなくてはいけない」。その時に言葉はとても役にたつ。(続きはのちほど)

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2011/10/24
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東浩紀編『思想地図β』第2号。寄稿者、座談会出演者は、津田大介、和合亮一、藤村龍至、佐々木俊尚、竹熊健太郎、猪瀬直樹、村上隆、鈴木謙介、福嶋亮大、瀬名秀明など。 『思想地図β』第一号は、非実在青少年の問題などポップカルチャーよりの記事が多かったが、今回もそういうのを期待して買うと裏切られる。 紙面は震災特集。真面目な論壇誌みたく震災、復興、原発といったテーマに対する論考が並ぶ。座談会などところどころで『魔法少女まどか☆マギカ』、『シュタインズ・ゲート』など旬なオタク作品の名前が出てくるが、ポップカルチャー中心ではない。震災によって、日本のポップカルチャーの前提、「豊かさ」は崩壊してしまったという認識が雑誌冒頭に語られる。今号は、ゼロ年代の批評を引っ張ってきた東浩紀によるゼロ年代との決別である。 日本の未来を絶望し、娘を持つ父親として振舞う東の発言を呼んでいると、あずまんも柄谷行人みたいになってしまったかという気持ちになるけれど、アマゾンでは高評価だ。ポップカルチャー崩壊の危機を前にして、ポップカルチャー批評は一切やらないというあずまんの方針転換に対して、多くの読者は共感したようだ(ネット文化は切り捨てられておらず、ネットを経過した新しい情報メディアのあり方は書かれている)。 これに対して、同じく震災のショックを前にしながら、ポップカルチャー批評を行った宇野常寛の『リトル・ピープルの時代』は、アマゾンでも酷評が並ぶ。編集者としての東浩紀のポジション取り勝ちだ。 原発事故以降、他国に比べてポップカルチャーに関する情報量が多いと言われてきた日本のネットメディアだけれど、原発事故に関するぐだぐだの展開、マスコミの使えなさが好契機となったのか、政治や社会問題に対する情報量が増えてきた。記者ではない、多くの人が、自分の意見をツイッターで発信してもいる。この時代変化の波、危機意識の変化に乗るかそるか。 人々が求めているのはイデオロギーや新しい思想ではなく、チュニジア、エジプト、ロンドン、ギリシアなどで爆発した「公平さ」に対する渇望だろうか。巨大で理不尽でどうしようもない災害、経済的、社会的格差の拡大は、人々に超基本的な倫理基準、哲学的価値を希求させる。

Posted byブクログ

2011/10/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

巻頭言「震災でぼくたちはばらばらになってしまった」 その通りだと思った。 以下は私の気持ち。 被災地のひとたちは、それぞれの県や地域単位で心はつながっているけど、物理的にはばらばらになってしまった。 非被災地のひとたちは、「日本はひとつ」と感じているかもしれないが、実際のベクトルはばらばらである。 むしろ、もともとばらばらだったものが露呈しただけ。 この、被災地人と非被災地人との間のギャップが日々の生活を送りながらも、私の中では未だに埋まらない。 必ずしも被災地対非被災地という二分法が絶対的だとは思わないけれども。 でも、現にいま自分の中で、震災以来まるでのどにひっかかった魚の小骨のような何かをうまく言葉にできず、常に視界に靄がかかっているように感じられるのは事実だ。 この感覚を共有できる人とできない人との間の溝は確実にあると思う。 そしてその溝は、震災の有無にかかわらず、ずっと前から私たち自身の心と心の間に隠されていたはずだ。 とても時間をかけて読んだ。 絶対に急いでは読まなかった。 福島では時間がやっと動き出したばかりだ。

Posted byブクログ

2011/10/20

β1もそうだがとにかく分量が多い。楽しみ方,読み方,受け取り方は人それぞれだろう。印象に残ったのは”日本”の危機意識についての部分。読み終えるのに日をまたぎすぎたのでβ1に引き続き再読決定。

Posted byブクログ

2011/10/09

震災に対しての本。 ルポルタージュあり、 復興に向けた提案あり、 これを受け止めて変わるもの、変わらぬものの提案あり、 とにかく多方面から震災に向き合っている。 和合亮一氏の詩に出会えたことも大きい。 個人的には「竹熊健太郎氏」の書いたものに一番 シンパシーを感じた。

Posted byブクログ