夜の写本師 の商品レビュー
単行本で読んだ「魔導師の月」ほか幾つかの作品と舞台を同じくするシリーズの、初文庫化。 過去にさかのぼり前世を体験する部分に多くが割かれているのは、シリーズの特徴の一つなのかな。 復讐が目的のこの物語。痛みを痛みで返した後に、なにが残るのか・・・ということをちょっと考えさせられる。...
単行本で読んだ「魔導師の月」ほか幾つかの作品と舞台を同じくするシリーズの、初文庫化。 過去にさかのぼり前世を体験する部分に多くが割かれているのは、シリーズの特徴の一つなのかな。 復讐が目的のこの物語。痛みを痛みで返した後に、なにが残るのか・・・ということをちょっと考えさせられる。ラストがけっこうあっさりしていて、あんまり深く考え込むような余韻はないかもしれない。
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とても長い年月を積み重ねた復讐を描いたダークファンタジー。写本師vs魔導師。写本師が職人肌で新鮮だった。 もっと登場人物たちの交流、写本師の仕事を読みたかったけど、このページ数で考えれば濃厚なファンタジーでした。結末も爽やかな風が吹き抜ける感じで素敵。 他の作品も読んでみたい。
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久しぶりに地盤の堅い、根の張ったファンタジーを読めました。魔法の解釈が古き良き伝統を引き継ぎながらも新しくて、興味深かったです。 しかし、やや世界や魔法の説明が多すぎて、登場人物にあまり共感ができなかった気がしたのと、前半(正直言うととびらのあらすじ)で大筋が見えてしまったのが、...
久しぶりに地盤の堅い、根の張ったファンタジーを読めました。魔法の解釈が古き良き伝統を引き継ぎながらも新しくて、興味深かったです。 しかし、やや世界や魔法の説明が多すぎて、登場人物にあまり共感ができなかった気がしたのと、前半(正直言うととびらのあらすじ)で大筋が見えてしまったのが、個人的には残念。この手のファンタジー小説と比べるとページ数の足りなさと、内容の物足りなさを感じてしまいました。 とはいえ、完読しなければ、得られないものもたくさんあるので、最後まで読むべき、良いストーリーです。
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文庫になるのを待ち抜いた作品。 魔術の概要、世界観を説明的にならず読者に分からせる筆力は素晴らしい。引き込む力が強い物語で一気に「読まされた」。 アンジストの過去はいっそもう一冊別に用意するぐらい書き込んでもよかったように思う。非道な敵の理由付にしてはあまりにあっさりとした感...
文庫になるのを待ち抜いた作品。 魔術の概要、世界観を説明的にならず読者に分からせる筆力は素晴らしい。引き込む力が強い物語で一気に「読まされた」。 アンジストの過去はいっそもう一冊別に用意するぐらい書き込んでもよかったように思う。非道な敵の理由付にしてはあまりにあっさりとした感があった。故に終盤は若干収縮気味。 すでに既刊の「魔術師の月」は今作の守れなかった魔道師・レアルスの物語。キャラクターとキャラクターで作品を繋ぎ、一大叙事詩のような物語を創り上げて欲しい。
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多彩な人間模様が魅力。“生まれ変わり”のロマンとどんな人間にも闇と救いがある緻密なファンタジーの著者の世界は、日々の現実に縮こまった気持ちを一気に開放してくれる。 対抗する度に敗北してしまう展開と見え隠れする複雑な女心にやきもきしたが、男同士の終盤の決戦は落ち着いて読めた。シルヴ...
多彩な人間模様が魅力。“生まれ変わり”のロマンとどんな人間にも闇と救いがある緻密なファンタジーの著者の世界は、日々の現実に縮こまった気持ちを一気に開放してくれる。 対抗する度に敗北してしまう展開と見え隠れする複雑な女心にやきもきしたが、男同士の終盤の決戦は落ち着いて読めた。シルヴァインの真っ直ぐな愛に彼が救われて、あのラストになったと信じたい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
単行本で出たとき、表紙絵の美しさに惚れた本。どこかで見た推薦文が私の好きな作家で(有川浩だったかな?)、欲しいなぁーと思っていた本だったから、ようやく文庫化されて嬉しい。 日本のFT界の次世代、みたいな扱いだったから、どんな感じなんだろうと思ったけれど、ずいぶん煽ってあるだけあって面白かった。 文体は固めで、荻原規子(空色勾玉、RDG)や上橋菜穂子(精霊の守人、獣の奏者)の様な読みやすさはなかったけれど、凝った作りだなーという印象。 時空をバンバン越えていく書き方は、色んな物語を読んでるようで、お得感(笑) 3人の魔女の話だけで3冊書けたんじゃないかな。4冊目を、このカリュドゥの話にして完結でもそれなりに面白くはなりそう。海外のFTは、そういうの多いと思うし。でも私としては、この1冊に纏めて、冗長にならないような書き方は好き。海外FTは無駄に長い話が多すぎる…。 最後の、3つの力を取り戻していく描写はちょっとご都合主義で物足りなかったかなー。そこは少し残念。
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私の場合、ファンタジーものを読んで失敗した時のがっかり感は、他のジャンルの時よりもひどいような気がするので、迂闊に手を出せないのですが、この作品は、帯に書かれている「日本ファンタジーの歴史を変えたデビュー作」という文を信じて購入しました。 恐る恐る読み始めたのですが、やはり、帯...
私の場合、ファンタジーものを読んで失敗した時のがっかり感は、他のジャンルの時よりもひどいような気がするので、迂闊に手を出せないのですが、この作品は、帯に書かれている「日本ファンタジーの歴史を変えたデビュー作」という文を信じて購入しました。 恐る恐る読み始めたのですが、やはり、帯を信じて良かったです。 しっかりと作りこまれた世界観に、どんどんと引き込まれて行きます。 話が飛ぶ箇所も、きちんとフォローがされているので、置き去りにされる事もありません。 全ての謎が明かされた後の、最後のオチが和やかで、良かったです。 世界観も、それぞれのキャラも良かったので、続きが早く読みたいです。
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日本の作家ではあまり見かけない、ファンタジー小説。 単行本が出たときからかなり話題になっていたが、それも納得。やや古風な文体も作風に合っている。
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