夜の写本師 の商品レビュー
ハードカバー版(図書館から借りた)も読んだけど、文庫になったので購入。 月、闇、海の三つの印を持って生まれたカリュドウは、育ての親エイリャが殺されるのを目の当たりにする。復讐を決意したカリュドウは・・・ 二度目だけど、ぐいぐい引き込まれる。 前よりは登場人物の把握ができたので...
ハードカバー版(図書館から借りた)も読んだけど、文庫になったので購入。 月、闇、海の三つの印を持って生まれたカリュドウは、育ての親エイリャが殺されるのを目の当たりにする。復讐を決意したカリュドウは・・・ 二度目だけど、ぐいぐい引き込まれる。 前よりは登場人物の把握ができたので、より話に引き込まれたのかも・・・ 常に闇を背負う魔道師。 宿敵アンジストと千年にもわたる因縁。 そして、アンジストの秘密・・・ ダークな部分ばかりだけど、ラストは爽やかに感じる。 詩的な文章は最初苦手だったけど、それがダークな部分を払拭してより引き込んでくれるのかも。
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※このレビューにはネタバレを含みます
ライトノベルとも児童文学とも違う正統派ファンタジー。 作者は日本人だが、イギリスやアメリカの作家と言われても違和感のないレベル。 三つの証を持って生まれてきた天才少年が、大事な人たちの仇をとるために最強の魔術師を追うという王道。 さらに輪廻転生のおまけつき。 思わず引き込まれる強さを持つ物語だが、惜しむべきは魔術師の女に対する恐怖の説明が中途半端でわかりづらかった。 主役を4人にしたのは飽きさせなくていい演出だが、その分ひとりひとり、特に中心人物である写本師の存在が薄くなってしまっている気がする。
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ストーリーも人物的魅力も薄い内容だけど不思議とぐいぐい読んでしまう。世界観というか、設定となの魅力があるんだと思う。魔法がどちらかといえばおまじない?呪術?のようの怪しく暗いもの。ありそうでなかった魔導師の姿。写本師の修行をしているところはわくわくしてしまった。 ストーリーとして...
ストーリーも人物的魅力も薄い内容だけど不思議とぐいぐい読んでしまう。世界観というか、設定となの魅力があるんだと思う。魔法がどちらかといえばおまじない?呪術?のようの怪しく暗いもの。ありそうでなかった魔導師の姿。写本師の修行をしているところはわくわくしてしまった。 ストーリーとしては、1000年前から続く復讐劇といったところ。名前が覚えずらかった。
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びっくりしました。本を選ぶ時、出版元の腰巻とか宣伝文句は全く参考にしないので、実際に手に取るまで随分時間がかかってしまいましたが、他作品も読みたいと思う作家さんに出会えました。 比喩と体言止めの多い文体は実は苦手で、世界に入るまではちょっと大変に感じました。具体的な描写なのだか、...
びっくりしました。本を選ぶ時、出版元の腰巻とか宣伝文句は全く参考にしないので、実際に手に取るまで随分時間がかかってしまいましたが、他作品も読みたいと思う作家さんに出会えました。 比喩と体言止めの多い文体は実は苦手で、世界に入るまではちょっと大変に感じました。具体的な描写なのだか、抽象的な叙述なのだか見分けがつきにくいのも、異国の文化のイメージは豊かなのに、細部はともかく広く俯瞰した光景が思い浮かばないのも、なかなか取っ付きにくさを感じました。まぁ、普段アホのように濃密描写の小説を好んでいるせいかもしれませんが。 ぐぐっと心を引きつけられたのは、本の世界に投げ込まれた場面からです。何のことだか分からなかった三つの品物、三人の魔女、三つの時代、三つの人生が一つの物語に撚り合わされていく運命の妙が素晴らしくて、後は一気に読み切りました。 静と動の、光と闇の、そして男と女の、単なる対立項にならない、とても流動的で生物的な結びつきを窺わせる世界を感じました。読める限り、読んでみたい。以前読んだ『夢の蛇』を思わせる感触の本でした。
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全体的に淡々と物事が進む印象。 前半は訳がわからず話に振り回されたような気がするけど、後半、前半にあった話が繋がり一気に読みました。 私は好きなようです。
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これは…すごいものを読んでしまった。 コンパクトながらしっかりしたストーリーもさることながらその描写力、設定にびっくりした。 モモとか、なんだろう、そういう児童文学のファンタジーを大人用に昇華させたような読み味がすばらしいです。この、世界にぐいぐい持っていく力は小野不由美レベルか...
これは…すごいものを読んでしまった。 コンパクトながらしっかりしたストーリーもさることながらその描写力、設定にびっくりした。 モモとか、なんだろう、そういう児童文学のファンタジーを大人用に昇華させたような読み味がすばらしいです。この、世界にぐいぐい持っていく力は小野不由美レベルかもしれません。 あらすじを書くと、どこからがネタバレになるのか悩むが、一言で表すと「復讐」だ。 主人公カリュドゥは月石を右手に、左手に黒曜石、そして口の中には真珠を持って生まれてきた。この三つの品には大きな意味があるのだが、そのために母からも気味悪く思われ魔道師エイリャに育てられる。小さな田舎の村で膨大な書物と、いろんなことを教えてくれる育ての親に囲まれて成長するが、ある日、エズキウムの国の魔道師長アンジストが現れカリュドゥの目の前で幼馴染のフィンとともにエイリャを無残に殺してしまった。カリュドゥはアンジストに復讐するため、魔道師の修行をしようとエイリャの遺言であるパドゥキアに向かうことにする。そこで師匠のガエルクのもとで修行を積むが、ある事件により、魔術とは別の力を知る。そして「紙に触れるだけで」殺してしまうことも出来るという「夜の写本師」を目指し、アンジストの暗殺を試みるが、実はアンジストとカリュドゥには知られざる因縁があった。その因縁とはなにか、カリュドゥの生まれながらに持っていた三つの品との関係はなんなんのか…。 とにかく面白いです。 細かな描写がまた美しいんです。 繊細なレースを編むような、丁寧な始まりで、話が大きく動き出すまではむしろ描写の美しさばかりを見てしまいます。丁寧に、ゆっくり読みたい。 そして魔術や、カリュドゥが使う写本師の戦いの描写もすごい。残酷な描写も見られますが、この世界での「魔術」というものは明るさだけではない、闇も苦しみも恨みもあっての魔術なんだ、ということなのでしょう。ちょっと怖いです。 最後はなんとなく切ないけどすてきな終わり方で、悲しくないのに泣きそうでした。 映像化して欲しいようなしてほしくないような。 井辻朱美さんの解説もいいです。 魔法を扱ったファンタジーの代表作を挙げながら、この作品の良さを再認識させてくれます。 シリーズ物の1巻とのことなので続きも追いかけたいです。 ただ文庫化されたのはまだこの作品だけのようなので、ハードカバーで続編を読むかは悩み中です!
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何もかも奪われた者視点で淡々と書かれた復讐譚。一昔前にライトノベルで流行したRPGファンタジーよりは昔ながらのヒロイックファンタジーに近く、国や魔法の体系が凝ってない(良く言えば原始に近い、悪く言えば別れているだけで踏み込みがない)。 長い歴史が関わるので国の興亡や権謀術数やら出...
何もかも奪われた者視点で淡々と書かれた復讐譚。一昔前にライトノベルで流行したRPGファンタジーよりは昔ながらのヒロイックファンタジーに近く、国や魔法の体系が凝ってない(良く言えば原始に近い、悪く言えば別れているだけで踏み込みがない)。 長い歴史が関わるので国の興亡や権謀術数やら出てきそうなものですが、そこはあくまで個人の復讐に終始しており、 原初の因果の規模も規模。登場人物も感情が足りず、ドロドロしそうな所業にも関わらず全体的にさらーっと進むので、ちょっと物足りなかった。終わりはいかにも女性が起因した終わり方。宝石とか本の装飾とか人形とか、小物が綺麗。文調は静謐で、さらーっといく原因の一つでもありますが、私は好み。
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右手に月石、左手に黒曜石、口のなかに真珠を持って生まれた運命の子。 幼いころに大きな喪失体験をした彼はやがて、<夜の写本師>として世界一の魔導師に挑む。これは、千年以上の時を経た壮大な物語です。 ブクログのレビューを通して知ったこの本、ずっと気になっていたのですが、先日図書館で...
右手に月石、左手に黒曜石、口のなかに真珠を持って生まれた運命の子。 幼いころに大きな喪失体験をした彼はやがて、<夜の写本師>として世界一の魔導師に挑む。これは、千年以上の時を経た壮大な物語です。 ブクログのレビューを通して知ったこの本、ずっと気になっていたのですが、先日図書館で偶然見つけてすぐに借りてきました。これがデビュー作だなんて信じられないくらい濃厚なファンタジー小説です。ファンタジー好きにはたまらない、しっかりと確立された世界観、体系的な魔術の数々、運命的な巡り合わせ、深い闇などなど、心をひたすらくすぐります。 夢あふれるファンタジー小説というより、これは「ゲド戦記」に近い闇の色が濃いファンタジー小説でした。なかなか残酷で、結構怖い。映像化したら美しい場面も数々あるけれど、ホラーになるかもしれない場面もあって、そのバランスがまた絶妙。 嬉しいことに、どうやらこれはシリーズが出ているようで、この世界をまだまだ楽しむことができるよう。大人になっても一気に心を異世界に飛ばしてくれるファンタジーはやっぱりいいと改めて嬉しく噛みしめた1冊でした。写本をはじめ、本好きには嬉しくなる設定もたまらないですね。
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非常に読み応えのある魔法ファンタジー。 文章の密度が濃く、易々とは読み尽くせないストーリーですが、それでいてテンポよく美しい文体なので、読み疲れはしませんでした。様々な魔道師の手仕事や、メインのテーマでもある写本師の繊細な仕事の描写がすばらしく、よくよく練られた世界観がより想像を...
非常に読み応えのある魔法ファンタジー。 文章の密度が濃く、易々とは読み尽くせないストーリーですが、それでいてテンポよく美しい文体なので、読み疲れはしませんでした。様々な魔道師の手仕事や、メインのテーマでもある写本師の繊細な仕事の描写がすばらしく、よくよく練られた世界観がより想像をかき立てる作品でした。
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読みだして、まず思いだしたのはタニス・リーだった。それからル・グィンのゲド戦記だった。そして、あの巨星のようなダンゼニイを思いだした。 これがデビュー作だなんて信じられないくらい、濃厚で、濃密な読書時間を味わった。とんでもない新人作家が出てきたものだ。これだから読書はやめられない...
読みだして、まず思いだしたのはタニス・リーだった。それからル・グィンのゲド戦記だった。そして、あの巨星のようなダンゼニイを思いだした。 これがデビュー作だなんて信じられないくらい、濃厚で、濃密な読書時間を味わった。とんでもない新人作家が出てきたものだ。これだから読書はやめられないんだ。
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