刀伊入寇 藤原隆家の闘い の商品レビュー
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大陸の人が日本に攻め込んだという話では元寇が有名。が、それより200年ほど前の平安時代に壱岐・対馬・博多湾に攻め込んだ刀伊という集団がいる。大陸北方にいる女真族がルーツといわれる。その集団を撃退したのが貴族の藤原隆家。名門貴族の出ながら相当暴れ者だったようだ。刀伊というのは昔うっすら聞いたことがあったが、こういう事件だったのかとあらましがわかる。
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以前読んだ沖方さんの"はなとゆめ"がフィックスし、第一部からのめり込む。葉室節炸裂、、ファンタジーかつ武勇伝かつ浪漫譚。面白過ぎる一作♪。
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葉室先生がすごいってことを再認識した作品。 正直、刀伊入寇も藤原隆家も、本書で説明を読むまではほとんど記憶になかった。 隆家については「くらげの骨」の下りで「ああ、この人か!」とつながったが、殿上人である彼が外敵を退けることができるなんて、普通は考え付かないのではないだろうか。 ...
葉室先生がすごいってことを再認識した作品。 正直、刀伊入寇も藤原隆家も、本書で説明を読むまではほとんど記憶になかった。 隆家については「くらげの骨」の下りで「ああ、この人か!」とつながったが、殿上人である彼が外敵を退けることができるなんて、普通は考え付かないのではないだろうか。 だが、葉室先生は、そこを見事な視点で結びつけている。 冒頭で隆家の呟いた「どこかに、強い敵はおらんものかな」という言霊が、彼と共に百鬼夜行を見た乙黒法師が、至る所にちりばめられた伏線が、「刀伊入寇」に収束していく。 謎でしかなった藤原隆家が奮闘した理由、「雅の解し方」も、頷かずにはいられないものだった。 本当に、葉室先生、すごい。
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藤原隆家といえば枕草子の海月の骨くらいしか記憶になかったのだけど。その隆家の雅な京での暮らしと大宰府での刀伊との死闘のギャップが埋まった。 前半、枕草子で読んでいろんなエピソードが一つにつながってもう一度読んでみたくなる。 刀伊入寇にこんな物語があったと思えば隆家の戦いぶりもいっ...
藤原隆家といえば枕草子の海月の骨くらいしか記憶になかったのだけど。その隆家の雅な京での暮らしと大宰府での刀伊との死闘のギャップが埋まった。 前半、枕草子で読んでいろんなエピソードが一つにつながってもう一度読んでみたくなる。 刀伊入寇にこんな物語があったと思えば隆家の戦いぶりもいっそう華やかに。
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一条天皇の周りの出来事を、藤原隆家というレアな人物の目線から書いていて、斬新。渤海族などもからみ、平安時代の政治と外交が見ることができた。清少納言視点から見たこの時期の作品はあるけれども、その多くが定子が亡くなると同時に終わってしまう。なので、それ以降の平安時代の流れがわかってお...
一条天皇の周りの出来事を、藤原隆家というレアな人物の目線から書いていて、斬新。渤海族などもからみ、平安時代の政治と外交が見ることができた。清少納言視点から見たこの時期の作品はあるけれども、その多くが定子が亡くなると同時に終わってしまう。なので、それ以降の平安時代の流れがわかっておもしろかった。
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出版時の帯が「戦う光源氏」だったんだとか。ヒドい煽り文句だなぁと、これは余談。 安部晴明が出てきて、正体不明の武器を使う集団が出てきて、「俺はもっと強い敵と戦いたい」という主人公が出てきたら・・・夢枕獏の小説と勘違いしてしまうやん。まぁ濡れ場は昭和のジュブナイルなみにサラっとしてるけど。 実は俺、平安貴族文化、特に道長・頼通時代の円熟したあたりが肌に合わない。藤原道長、紫式部が狂言回しってのも嬉しいなぁ。「この世をばわが世とぞ思ふ望月の・・・」って歌が大嫌いで、源氏物語もなんだかピロートークの寄せ集めみたいで好きになれない俺には、この2つをネタにしてくれたものオモロかった。 前半は葉室麟の伝奇小説、後半は葉室麟の水軍合戦小説。どっちも異色で魅力的だけど、2部に分けてしまったことで少々ボリューム不足で食い足りなさを覚えたのも事実。それぞれで1冊ずつでも良かったんじゃないかなぁ。
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貴族が躍る平安な時代の外敵入寇。いったいどんな出来事で、当時の人々は何を想い、どう動いたんだろう。昔から謎だった事件を描いてはくれてるけど、やっぱりわからん平安時代。
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刀伊の入寇と言う割と地味な題材を選んだな、と思ったら話のメインは道長、伊周、隆家、花山院の宮廷劇だった。翁麻呂は出ないけど、枕草子嫌いじゃない人には、登場人物に入りやすいと思う。刀伊が花山院に仕えている設定は少し苦しいと思う。
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ピックアップされることはたぶん珍しい、藤原隆家が、道長との政権争いを繰り広げながら、最終的には外敵襲来に立ち向かう……というテーマは面白いのですが。なんか文章が読みにくい……そして中弛む……(汗) 清少納言と紫式部の対比とかは面白かったのですが、むむぅ。
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雅という一言に尽きる。 平安中期、叔父である藤原道長と政争し九州大宰守として外敵と戦った藤原隆家を描いている。登場人物は安倍晴明、清少納言、紫式部などもおり、前半は朝廷の政争が、後半は外敵との戦いが展開される。 平安時代なのに戦記?と思って読んでみたが、予想以上に雅だった。
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