少女庭国 の商品レビュー
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決められた設定はシンプルで殺し合いを見せられるのかと思えば文明を発展させ一国を築き上げてしまう流れが面白かった。 人類の発展の歴史をなぞる様に少女帝国が築き上げられて、そこは腑に落ちる様なリアリティがあった。 そもそも設定自体にリアリティはないけれどね。
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面白い作品であるとは思うけど、第二部は実験結果の羅列の様な状態に物語がいくつも挟まる形になっており、ただでさえ読みにくく感じるのに、同訓異字や日常的には言わない表し方がいくつもあり、読み仮名が振ってあるわけでもなく、不親切感がひどく、面白いと感じる以前に読みにくいと感じてしまう。
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たとえば学研の科学とかで送られてくる、蟻の観察セット(真っ白い砂とそれを入れる容器があって、そこに蟻を入れて巣を作る様子を観察する)だとかを思い出す。ああいうのを見ている時、そう思っても思ってなくても我々は蟻たちにとって神なのであり、また神というのは言葉に代表される対象との共通...
たとえば学研の科学とかで送られてくる、蟻の観察セット(真っ白い砂とそれを入れる容器があって、そこに蟻を入れて巣を作る様子を観察する)だとかを思い出す。ああいうのを見ている時、そう思っても思ってなくても我々は蟻たちにとって神なのであり、また神というのは言葉に代表される対象との共通コードみたいなものでその対象にはたらきかけることはない。だから私たちは天災や異常気象を神の怒りとするし、それが"怒り"と擬人化されていたり、怒りだとして因果関係を伴っているとみなしているのは人間だけで、結局我々はそのように考えることで自分たちの不安を軽減させているにすぎない。 「少女庭国」および「少女庭国補遺」(こっちの方が圧倒的だが)の世界に神がいるかいないかはともかく、分断されたり持続したりする立女の八十期卒業生たちにとっての完全なる客観というのは存在する。そして"客観"そのものと"客観視している"ものは別個に存在していて、だからそういうものを神とするかは考え方によるが、外部というニュアンスでそれらを神とすれば、神は二人いる。書き手と読み手である。 個人的には「少女庭国」のラストまでのところが一番好きだったが、ラストで言うならば「少女庭国補遺」の方が好き。
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少女が閉じ込められる脱出ゲーム、もしくはデスゲームといった話かと思って読んでみたら、あまりのスケールの展開に衝撃受けました。油断していたら後ろから殴られたような衝撃。 「庭国」というタイトルにもあるように、一つの箱庭を観察しているかのよう。もしかしたらそういう観察している存在がいるのかもしれないが、登場する少女たちには関係なく、少女たちは少女なりに生きているのだろうと思います。 登場人物の名前の独特さ、文体が統一されずあえて崩してきたりと、読みにくいところも。これは意識的なものなのかと思うけど、そこから出る気持ち悪さも合わさって、独特の世界観に驚きます。 (間違ってKindle版を登録していたので、再登録)
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>卒業式会場の講堂へと続く狭い通路を歩いていた中3の仁科羊歯子は、気づくと暗い部屋に寝ていた。隣に続くドアには、こんな張り紙が >>卒業生各位 >>下記の通り卒業試験を実施する。 >>【ドアの開けられた部屋の数をnとし死んだ卒業生の人数をmとするとき、n-m=1とせよ。時間は無制...
>卒業式会場の講堂へと続く狭い通路を歩いていた中3の仁科羊歯子は、気づくと暗い部屋に寝ていた。隣に続くドアには、こんな張り紙が >>卒業生各位 >>下記の通り卒業試験を実施する。 >>【ドアの開けられた部屋の数をnとし死んだ卒業生の人数をmとするとき、n-m=1とせよ。時間は無制限とする】 >羊歯子がドアを開けると、同じく寝ていた中3女子が目覚める。またたく間に人数は13人に。 扉を開けるたび中3女子が無限に増えてゆく、ホラー(グロ)SF、というジャンルでいいのか、SFシリーズのJコレクションの一冊です。 少年漫画で長らく流行っているデスゲーム物、の皮を被った不条理小説。 表題作「少女庭国」と後半の「少女庭国補遺」でなっており、表題作は言うなれば普通の中学生たちの普通の(?)デスゲーム。殺し合いをするなんて思いもつかない13人の選択。 圧巻は「補遺」。ここがめちゃくちゃ面白かった。 補遺というからには13人の前日譚やら後日談やらやるのかと思ってめくると、一人あたり数行で新たな卒業生たちが、目覚めた後に殺したり殺されたり自殺したり一般的な(?)行動を延々と繰り返したのち、 以下ネタバレ 19人目が2千人の卒業生を起こして回り(最後には一人を残して全滅し)、55人目にして食糞・飲尿を経て食人に発展し、開拓に成功して資源(新たな卒業生を順次目覚めさせ奴隷化もしくは食料とする)開発を進め無限の石の回廊に大帝国を築くにいたるという。 えー、それはムリがあるのでは、と思ったら著者の術中であることに間違いなく、無限の試行回数の中には大帝国を築く回があっても不思議ではない、というのがSFらしいところ。 石の壁と鉄の扉、あとは無限に湧き出る女子中学生の衣服とポケットの中身と血肉骨しか資源の無い(つまり水がない)世界で数十年だか数百年続く文明が興せるかというと、どうなの。でも明らかに無理な状況を設定していることは自明なので明らかに無理と思わせるための設定です。 何もない迷宮で文明をというと「ギャルナフカの迷宮(小川一水)」が思い起こされ、無限でグロというと「最後にして最初のアイドル (草野 原々)」の雰囲気が凄く近い。 ラストでややメタ的に示唆されるように、色んなパターンを書いてみましたという実験小説かな。 ラストの爽やかさがまた、たまらない。
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中学の卒業式に向かう途中、少女は2つのドアしかない部屋で目覚める。開けられる方のドアを開けると同級生らしき少女が。それが無限に続く。「ドアを開けた数-死んだ卒業生=1」がこの奇妙な状態から逃れる条件の中、様々な条件に対する挑戦が描かれる。短編の「少女庭国」は女生徒達らしい逃避の上...
中学の卒業式に向かう途中、少女は2つのドアしかない部屋で目覚める。開けられる方のドアを開けると同級生らしき少女が。それが無限に続く。「ドアを開けた数-死んだ卒業生=1」がこの奇妙な状態から逃れる条件の中、様々な条件に対する挑戦が描かれる。短編の「少女庭国」は女生徒達らしい逃避の上での収束がリリカルだが、長編の「補遺」での思考実験が圧倒的で置いていかれた。3行で終わるデスバトルが続いたかと思うと生存するために人肉食が始まったり、さらに豪快な方向に発展して文明が発生したり。ついていける人凄いの一言だ。
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再読完了~やっぱりすごい小説だと思う。 この本を読むとこの世に生きる意味が少しだけつかめる。 この小説の「無意味さ」と比べると 鬱々とした時に考えちゃったりする、 自分が世界が無意味かもなんて思うことは間違いだと明らかになる。 どこまでも意味がなくそれを散々あらゆる方向から示されてその果てのなさにゾッとする。 三人称視点で書かれているのだけど その神視点に女生徒っぽさがいくぶん奇妙ににじみ出ているため 閉じ込められた彼女たちの「今」が 文体のおかげでより伝わってしまう。若さゆえの独特の一瞬の弾けるような楽しさの空気感&絶望とかを読者に共有させる。 設定の理不尽さ、舞台の静かさ、残酷な事態の数々の淡々とした記述、全てがあの部屋そのもののようで不気味さは延々と続く。休憩なしでぶっ続けの不気味さをまとわせるなんてすごいことじゃないか?一切癒されない。すごい。 読後現実に戻ることが憂鬱に感じることはあれど 現実を実感することで安堵するっていう作品なので やっぱりジャンルはホラーなのかなぁ。ホラーSFかなぁ。
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「少女庭園」 卒業式を目前に閉じ込めたのは。 結局上辺だけの自己紹介から得た知識のみで導きだされた答えだったが、あの場に閉じ込められてから相手を知るにはそれしか無かったのだろうな。 「少女庭園補遺」 書類を見て各々が起こした行動。 他人を殺して生き残る者もいれば自殺をし相手を生...
「少女庭園」 卒業式を目前に閉じ込めたのは。 結局上辺だけの自己紹介から得た知識のみで導きだされた答えだったが、あの場に閉じ込められてから相手を知るにはそれしか無かったのだろうな。 「少女庭園補遺」 書類を見て各々が起こした行動。 他人を殺して生き残る者もいれば自殺をし相手を生かそうとする者、皆を集め行動する者など人の生死が関わるとそれぞれの人間性が見えてくる物だな。
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図書館で。 うん、なんかダメだった。文体なのか内容なのかキャラクターなのかその全部か。まぁもう自分、女子高生が多数出てくると誰が誰だったか認識エラーを起こすのでこちらの適正年齢が合わなくなってるからかもしれませんが。
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38:現代版、ファジーな耽美のようで少女小説のようでホラーのようでSFのようで。面白がっちゃイカンと思うのだけど、楽しく読めました。が、このいかんともしがたい不条理感! なんだかモヤモヤが拭えない……。
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