Golondrina ゴロンドリーナ(4) の商品レビュー
ホントに、この先生の画、線には背筋がゾクッとさせるものがある 怨念っつーと語弊があるかも知れないが、キャラが何かに対して執着してるからこそ、強く発せられる生気が、線から薄く立ち昇っているように思える そんな画に加え、ストーリーがまた、リアル 闘牛士、その職業を丁寧に紹介しているだ...
ホントに、この先生の画、線には背筋がゾクッとさせるものがある 怨念っつーと語弊があるかも知れないが、キャラが何かに対して執着してるからこそ、強く発せられる生気が、線から薄く立ち昇っているように思える そんな画に加え、ストーリーがまた、リアル 闘牛士、その職業を丁寧に紹介しているだけでなく、生きている一つの生物を傷つけるべく正対している一人の人間の心理を、必要以上に浮き彫りにしている 少しでも気が沈んでいるタイミングで読むと、自分が闘牛士でなく、刃を向けられている牛であるかのような錯覚に囚われ、頭の奥に鈍い痛みを感じてしまうだろう えすとえむ先生は、確実に、私達、読み手の心臓に切っ先を突きつけているイメージを描いて、この漫画を描いているに違いない 怖いのに、目を逸らせなくなる 覚悟が、そこにハッキリと見えるのなら怖いとは思わないのだろうが、生と死の境界線を踏む人間が持っているのは覚悟じゃなく、狂気だ どんな窮地でも生にしがみついていられる人間、ピンチである時にあえて死の方に体重を傾けられる人間、どちらが生物として勝っているのか、は決め難いが、私は何があっても、生きる事を諦めず、死ぬ気になって全力で努力し、自分でい続けようとする人間に憧れる 人間の生物としての本性ってのは、逃げ出すのを辛うじて堪えられる、本当に恐ろしい存在と対峙せざるを得ない時にこそ、剥き出しになるのではないか? 綺麗事も、世迷言も、罵詈雑言も全てが吹っ切れる、領域にその線を自分の意志で踏み越えた人間は、そこで何を視るんだろうか 画で掴み、ストーリーで魅せ、キャラで惹き込んでくる漫画 『IPPO』もそうだけど、えすとえむ先生は、普通の感性を持つ大多数の人間が目を向ける機会が少ないディープを描くのが好きなのかな? 先生の漫画を読むと、知られざる職業の世界を覗きこみたいキモチが湧いてきて、やや戸惑う
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- ネタバレ
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フランシスコ・ファリャが立っていた場所は「生と死の境目だ」というヴィセンテ。 「ファリャの死は不幸な事故でしょ」と言い放つ女闘牛士ルナ。 そのセリフに込められた深い意味は理解できないけれど、とても印象に残った。
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表紙に描かれるヴィセンテが物語の主軸だが、その背後にフランチェスコの影がちらつく。 フランチェスコの生前の渾名は体を指すものだった。 アントニオだけでなくファン・ペドロでさえ、フランチェスコの亡霊に囚われていた。 死んだ英雄は迷宮のミノタウルスの如く暗い影を落としている。 チカ...
表紙に描かれるヴィセンテが物語の主軸だが、その背後にフランチェスコの影がちらつく。 フランチェスコの生前の渾名は体を指すものだった。 アントニオだけでなくファン・ペドロでさえ、フランチェスコの亡霊に囚われていた。 死んだ英雄は迷宮のミノタウルスの如く暗い影を落としている。 チカはフランチェスコの死が、人によって様々な捉え方をされている事を知る。 それは彼女にどんな答えを導くのだろうか―― ヴィセンテは‘生きる場所’である闘牛場で一命をとりとめた。彼は生きる道を見つけるだろうか?
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相変わらずの繊細な感情描写と闘牛を通しての人生観、新鮮で面白い。 覚悟はしていたのですがヴィセンテが…。父親とのやりとりで思わず涙。とても気になるところで終わってしまったので次巻も楽しみです。
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