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終活難民 の商品レビュー

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2015/11/04

★は3か4か迷いましたが、最後の数ページで4かなと。 人には「弔う権利」があり、「弔われる権利」があるというのはなかなか面白いなと思いました。 死者を弔うのは家族だけでなく万人が有する。 また、死者は誰に弔われても構わないし、弔ってほしくないやつもいる。 けれど、死者に権利な...

★は3か4か迷いましたが、最後の数ページで4かなと。 人には「弔う権利」があり、「弔われる権利」があるというのはなかなか面白いなと思いました。 死者を弔うのは家族だけでなく万人が有する。 また、死者は誰に弔われても構わないし、弔ってほしくないやつもいる。 けれど、死者に権利なんてありますかね。 弔われ方を希望する権利はあるでしょう。でも弔われる権利は、物理的にないわけです。 ここで筆者が訴える「弔われる権利」とは、生前に身寄りのない方々の、死の、死後の恐怖への緩和のためでしかないように思います。 現実的に社会の個人化、脱家族化が進んでいるのは事実でしょうし、孤独死やお一人様問題は早急に対処しなければならず、それらに対して筆者の提案はとても有効です。NPOなどの非営利組織による葬送の社会化。家族のいない者や家族を拒否する者には有効な社会デザインだと思います。 ただそれは極めて短期的な視点であり、むしろ、個人化する社会、脱家族化する社会をそどうするか、という根本的な解決こそが真に求められることではないでしょうか(もちろんそれは筆者のフィールドを大きく超える話になります)。 人は望むと望まないと一対の男女から生まれ、家庭という小さな社会の中で成長発育して大人になるわけです。 ですから、どんなに社会が脱家族化していこうと、その原点に帰結していくのが、人間の望むところではないのでしょうか。 社会主義者の描く葬送デザインだなという印象がどうしても拭いきれなかったですね。 社会が個人の葬送を担うのではなく、家族が故人を葬送するその支援体制を社会の中でもっと充実させていくことはできないのだろうか。 家族という旧来の共同体の崩壊というものの、家族は極めて原始的かつ原初的な、究極のつながりであるはずだから。 そういう意味で、最後に寺院への期待を提言したところに好感が持てました。新しいシステムの構築ではなく、旧来のシステムを上手く現代版に利用するという提言の方がはるかに現実的で優しい。もっとページ割けばよかったのに。 少子高齢化における死をめぐっての「安心システム」を構築することは、家族だけでも、NPOだけでも、行政だけでも、企業だけでも無理であることははっきりしている。公助だけでも、共助だけでも、もちろん自助だけでも不可能なのである。いま求められているのは個人化社会で広がっている「自助>共助>公助」の構図ではなく、自助と共助と公助が必要に応じて支えあう構図である。(本書より)

Posted byブクログ

2015/08/25

【終活のあり方が変わっていく現状を伝える】 家族のあり方が変わっていく中で、死への向き合い方にも変化が起こっている。 家族に看取られるような死、親戚大勢に看取られる死は年々減少し、少人数での葬式や孤独死などが増加している。そん中で、家族との関係が疎遠となった人たちがどのようなエ...

【終活のあり方が変わっていく現状を伝える】 家族のあり方が変わっていく中で、死への向き合い方にも変化が起こっている。 家族に看取られるような死、親戚大勢に看取られる死は年々減少し、少人数での葬式や孤独死などが増加している。そん中で、家族との関係が疎遠となった人たちがどのようなエンディングストーリーを描くのかにフォーカスを当てた一冊になる。 お一人様が増加する世の中、一体人々はどのように死に向き合うのか。そんな問に答えてくれる一冊になります。

Posted byブクログ

2015/05/06

合葬式墓、共同墓など、合祀墓ともいうが、脱継承墓を用いる。 樹木葬、岩手県一関市にある祥雲寺で始まる。その都市型が桜葬。NPO法人「エンディングセンター」が企画提案、商標登録済み。継承可能だし、血縁がいなくても利用できる。散骨に見られる自然に還るという感覚、環境エコの視点が加味...

合葬式墓、共同墓など、合祀墓ともいうが、脱継承墓を用いる。 樹木葬、岩手県一関市にある祥雲寺で始まる。その都市型が桜葬。NPO法人「エンディングセンター」が企画提案、商標登録済み。継承可能だし、血縁がいなくても利用できる。散骨に見られる自然に還るという感覚、環境エコの視点が加味された。 安穏廟、 生前葬、 明治の民法では、墓の継承は家督と不可分。 死と、死と表裏一体である生の意味づけは、かつては周囲が与えてくれる自明のものだった。イエのため、共同体のために働き、死してもご先祖様といった「地位」が与えられる。会社のために企業戦士として尽くせば、慰霊までしてもらえる。それがいまや、自らが死や生の意味づけをしなければならなくなった。それは社会の「個人化」の帰結であった。 平穏死と尊厳死の違い 葬儀の生前予約と生前契約 セレモアつくばのように、あらかじめ葬儀代金を預かって信託銀行へ信託して保全し、葬儀についても予約した内容で契約を締結するところもある。日本生前契約等決済機構が、別のNPO組織として、監視・決済機能を受け持つ。 生前契約実施団体 きずなの会、日本ライフ協会、エンディングセンター NPO法人には不安はある。成年後見は別途弁護士事務所にお願いするので、二つに分けてリスク分散している。それは面倒? 動産、不動産については、遺言執行してくれる銀行と、ECがかかわっている遺品整理業者に処分を委ねた。 りすシステムは寄付で成り立っている。生前契約は相互扶助の哲学によって成立する社会システムゆえ、寄付は必須要因である。 足立区の高齢者あんしん生活支援事業 契約者が元気な間は、月に一度の電話と半年に一度の訪問で様子を確認。体力などに不安が出てきた段階で預貯金の払い戻しの手伝いや、福祉サービスの助言を行う。さらに入院や施設入居のさいには保証人的な役割を担い、契約立会いなどをする。亡くなった場合には、弁護士や司法書士らをあらかじめ遺言執行者にしておき、生前の希望に基づいた死後の処理を行う。生前契約システムの官製版。 利用者には制限があり、それなりに費用もかかる。

Posted byブクログ

2014/02/23

現状認識は確かだと思うが「弔われる権利」「葬送の社会化」といった提言はピンと来なかった。社会主義者が葬送を語るとこうなるのね、という勉強にはなった。

Posted byブクログ