不良になりました。 の商品レビュー
“「わ、わたしも、遠近両用にできないんですか」 勢いこんで聞くと、お店の人は重々しく頭をふり、 「残念ですが、お客さまは、遠くを見る時は左の目しか使っていらっしゃらないし、近くを見る時には右の目しか使っていらっしゃらないのです。遠近両用にしても、無駄なのでございます」 と、きっぱ...
“「わ、わたしも、遠近両用にできないんですか」 勢いこんで聞くと、お店の人は重々しく頭をふり、 「残念ですが、お客さまは、遠くを見る時は左の目しか使っていらっしゃらないし、近くを見る時には右の目しか使っていらっしゃらないのです。遠近両用にしても、無駄なのでございます」 と、きっぱり答えるのだった。 す、すると、わたしはいつも片目でしか世界を見ていなかったのか!? ころびやすいのも、すぐに部屋の中のものにぶつかってあざをつくりやすいのも、すべてそのせいだったのか!? 生まれて初めて知るその事実に、大ショック。”[P.16_無駄なのでございます。] これは本当かなぁ嘘かなぁとぼんやり思いながら読む。 “昨日はようやくお酒のおかげで言葉が通じました、と、同行の日本の人に言ったら、 「カワカミさんって、ジェスチャーが上手なんですね。ことにお酒をたくさん飲んだ後では、動きがますますなめらかに」と。 言葉が通じていたのではなく、すべて身振り手振りだったのである。”[P.67_外国。]
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川上弘美は「センセイの鞄」と「蛇を踏む」しか 読んだ事が無かった。 あまりピンと来なかったのでそれ以降手を伸ばすことは なかったのだけど、川上さんが私の大好きな武田百合子を 大好きだという事、好きな漫画がかぶっているという事で エッセイに挑戦してみた。 本当8嘘2くらいの割合いで...
川上弘美は「センセイの鞄」と「蛇を踏む」しか 読んだ事が無かった。 あまりピンと来なかったのでそれ以降手を伸ばすことは なかったのだけど、川上さんが私の大好きな武田百合子を 大好きだという事、好きな漫画がかぶっているという事で エッセイに挑戦してみた。 本当8嘘2くらいの割合いで書かれた日記が その逆の配合よりうんと面白かった。 これ以上やっちゃうと笑えないギリギリがいい。
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この人のエッセイはやっぱりイイ。 なんだか虚実ないまぜなデビュー時の嘘日記「椰子、椰子」的な雰囲気が色濃く残ってる。 あと、魅力の一つとしてはどこかですれ違っていたかもしれないというような同時代ご近所的な時空の共有感。「吉祥寺駅前のUFJ銀行」だったり阿佐ヶ谷だったり東京駅近くでのランチだったり。これは地方のひとや外国の方が読むのと地元民が読むのとでは大分読書体験としてのイメージがちがうんだろな。どっちがいいとかそういう良し悪しは別にして。
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日常のとらえ方が好き。すき。すてき。 作り話すぎなくて、うそ、ほんと、ほんとに?みたいになる。 イグアナや鷹が、この世界ではとびきりシュールで愛嬌があって、川上さんの目線で映る世界が、わたしにはたまらなくいとおしすぎる。 前の東京日記でも思ってたけど、川上さんの書く川上さんの子ど...
日常のとらえ方が好き。すき。すてき。 作り話すぎなくて、うそ、ほんと、ほんとに?みたいになる。 イグアナや鷹が、この世界ではとびきりシュールで愛嬌があって、川上さんの目線で映る世界が、わたしにはたまらなくいとおしすぎる。 前の東京日記でも思ってたけど、川上さんの書く川上さんの子どもの存在が独特で可愛くっていいな。
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さらさらっと読めてしまう。 著者のゆるーい暮らしぶりが好き。 よく泣く人だなぁと思う。時々踊ったり。 外国に行くと怖くて目をつぶってばかりいた。という記述に笑う。 でも段々慣れて、大胆になる川上さん。 友だちが少ないって、声高に言えるところが素敵。 そして同志。
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この「東京日記」のシリーズはほんと、ゆるいエッセイがすきなひとにはぜひ手に取ってもらいたいんだけど、311をはさむこれは、すこしだけ風合いが異なる。 ざらつく、というか。 「計画停電、なんて言葉を書くなんて」みたいなことが記してあって、この現実と虚構がないまぜになった世界観にあっ...
この「東京日記」のシリーズはほんと、ゆるいエッセイがすきなひとにはぜひ手に取ってもらいたいんだけど、311をはさむこれは、すこしだけ風合いが異なる。 ざらつく、というか。 「計画停電、なんて言葉を書くなんて」みたいなことが記してあって、この現実と虚構がないまぜになった世界観にあってなお、非現実的な出来事はしかし厳然と現実であって、しかも今も続いているのだ。
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(2014/4/30読了) 川上さんにもいろんな事が起こった数年の日記。 日記を全て読み、最後のあとがきを読んで、ストンと「おしまい」という具合に腑に落ちます。 シリーズ第四弾で、そのあとがきにはいつも、妄想と現実とが綯い交ぜになっていると、書かれているけど、今回はほぼ事実なので...
(2014/4/30読了) 川上さんにもいろんな事が起こった数年の日記。 日記を全て読み、最後のあとがきを読んで、ストンと「おしまい」という具合に腑に落ちます。 シリーズ第四弾で、そのあとがきにはいつも、妄想と現実とが綯い交ぜになっていると、書かれているけど、今回はほぼ事実なのではないかしら。 でもイグアナの件は、現実ではないと思っていたら、あとがきに所有者の名前が書かれてて、本当の事なんだと驚いたりしたけど、このあとがきも混ぜこぜなのかもしれないと、信じるのはやめとこうと思いました。 さらっと読める本なので、長編を読む合間の気分転換にイイかもしれませんね。 (内容) 震災、引っ越し、入院、手術…。二〇一〇年から二〇一三年にかけて、ほんとうに、いろいろなことがあった。「ぼやぼやと生きる日々の記録」。人気日記シリーズ、第四巻! (目次) 十七回め。/アフターデス。/無駄なのでございます。/聞き耳をたてる。/おかあさん、ニューヨークなの。/うふびたにさん。/精神的DVD。/経費節減。/必要性なし。/すべて空白。〔ほか〕
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エッセイとか日記とかは飽きるんだよね。 川上弘美は、おもしろくて、くすっと笑いながら読んだけど、やっぱり最後は飽きてきた。新聞の連載みたいに1週間に1つとかだといいのかもね。 小説のほうが好きなんだよね。
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+++ 川上弘美の人気日記シリーズ、待望の最新作! 東日本大震災、引っ越し、入院、手術……。2010年~2013年は、ほんとうに、いろいろなことがありました。カワカミ・ワールドのエッセンス。 +++ 川上弘美ワールド、嬉しいくらい全開である。著者の視線は、平凡な日常をするすると...
+++ 川上弘美の人気日記シリーズ、待望の最新作! 東日本大震災、引っ越し、入院、手術……。2010年~2013年は、ほんとうに、いろいろなことがありました。カワカミ・ワールドのエッセンス。 +++ 川上弘美ワールド、嬉しいくらい全開である。著者の視線は、平凡な日常をするするとすり抜けて、道をほんのちょっぴりはみ出した物や事や人に止まる。たいがいは、へぇ、そこに引っかかるんだぁ、と思うが、たまに、そうそう、と膝を打ちたくなることがあって、そんなときは躍りだしたいほどうれしかったりする。内容にあっているのかいないのかよくわからない挿絵も味があって素敵である。息子さんもいい味を出していて、これからもどんどん秀逸なひと言を漏らしてほしいと願ってしまう。いつまでも続いてほしいシリーズである。
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字が大きくて読みやすかった。 著者がはまってるソリティアって何? ひとりでできるカードゲーム? 川上弘美氏の日常を読むとほっとする。昼寝もしてるし。 安心するわ~
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