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私の絵日記 の商品レビュー

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7件のお客様レビュー

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2024/09/13

十年前に文庫化された作品だけれど、今年アメリカのアイズナー賞(漫画作品で、英訳されたアメリカでの出版物に贈られる)を受賞したというふれこみで増刷されたのを入手。つげ義春夫人(故人)の、文字通り絵日記。 巻頭の口絵の画風に見覚えがあると思ったら、絵本「こんなおみせしってる?」(福音...

十年前に文庫化された作品だけれど、今年アメリカのアイズナー賞(漫画作品で、英訳されたアメリカでの出版物に贈られる)を受賞したというふれこみで増刷されたのを入手。つげ義春夫人(故人)の、文字通り絵日記。 巻頭の口絵の画風に見覚えがあると思ったら、絵本「こんなおみせしってる?」(福音館書店)はこの人の作品だったのか。 一人息子が4歳で入園準備をしつつ、夫が心の不調で病院にかかり始めるという半年ほどの日々、平凡かと言われれば否、ちょっと変わり者の夫婦のささやかな日常。ときどき抜けてる日付もあり、けっきょく誕生日はどう過ごしたのかなと思った。増補再編集の際に追加された最後の(子どもが小学生になってからの)クリスマスイブの日記がよかった。そしてのちに加えられたつげ義春による解説を読み、あれこれ考えさせられた。

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2024/06/16

つげ義春さんの妻の生活記。 「貧困旅行記」を読んで、つげさんの生活に思いを馳せ、こちらの作品に流れてきました。 昭和の核家族の等身大の暮らしを、イラストと飾らない言葉で綴っている。冒頭のカラーイラストがとても好き。 穏やかな日々は毎日楽しそうに日記が続き、家族が大変な時期は途切れ...

つげ義春さんの妻の生活記。 「貧困旅行記」を読んで、つげさんの生活に思いを馳せ、こちらの作品に流れてきました。 昭和の核家族の等身大の暮らしを、イラストと飾らない言葉で綴っている。冒頭のカラーイラストがとても好き。 穏やかな日々は毎日楽しそうに日記が続き、家族が大変な時期は途切れ途切れになっていて、胸が詰まる。 ご自身も闘病してお辛い時期も多かったことと思うが、強く激烈に人生を送られなのかなと推察された。 いつかNHKが朝ドラの原作として目をつけそう。

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2023/01/25

調布のつげ義春展で売り切れてたので買った。つげ義春と息子正助との生活を描いた絵日記。伝説みたいになっている漫画家の実生活はどんなもんかという興味から。 絵の素朴さも相まって最初は微笑ましい感じかと思ったらつげが不安神経症になってどんどん暗いエピソードばかりになって後半かなり月が飛...

調布のつげ義春展で売り切れてたので買った。つげ義春と息子正助との生活を描いた絵日記。伝説みたいになっている漫画家の実生活はどんなもんかという興味から。 絵の素朴さも相まって最初は微笑ましい感じかと思ったらつげが不安神経症になってどんどん暗いエピソードばかりになって後半かなり月が飛んでブツっと終わる。 つげ義春による解説も付いており、あのときの喧嘩はマキさんが仕掛けてきたものだとか、マキさんの性格がかなり強烈だったとか暴露されていて、この解説もコミで面白い。

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2020/03/02

2018.4月。 何気ない日々の絵日記。いい面も悪い面も。あったかくて懐かしくも、切なくて悲しくて痛くて。家族ってそうなんだ。なんだろう、この気持ち。正直。自由。頑張れって応援したくなる。マキさんと自分を。

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2017/06/11
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つげ義春さんの本から知った本。 ほのぼのとした絵にその日の感想をつけた日記で読みやすく和む。 なんだか懐かしい気分になった。

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2014/10/07

「本の雑誌」10月号の日記特集で取り上げられていて、そうだよ、あれは良かったなあと懐かしくなり、調べてみたら、再再編集版の文庫になっていた。佐野史郎さんの解説までついている。嬉しいなあ。 それはいいんだけど、裏表紙の紹介文に「…家族や友人との日常の中で感じるささやかな幸せを愛ら...

「本の雑誌」10月号の日記特集で取り上げられていて、そうだよ、あれは良かったなあと懐かしくなり、調べてみたら、再再編集版の文庫になっていた。佐野史郎さんの解説までついている。嬉しいなあ。 それはいいんだけど、裏表紙の紹介文に「…家族や友人との日常の中で感じるささやかな幸せを愛らしい絵とのびやかな文で描き、…」とあるではないか。え~?ちょっとちょっと、それは違うでしょ~。少なくともそれ「だけ」ではないし、この絵日記の値打ちはそこにあるんじゃないと思うんだけどなあ。 確かに「愛らしい」絵なんだけど、そこに漂うどこか不穏な空気感こそが、本作のキモだろう。特に後半には、夫のつげ義春さんの精神的不調や、マキさん自身のいらだちや不安がはっきり描かれている。それでも日々の生活は続いていくという所に、切ないような気持ちをかき立てられる。 私は「状況劇場」も「腰巻お仙」も伝聞でしか知らないけれど、得体の知れない熱気に包まれていただろうということは、十分想像できる。佐野史郎さんが「伝説の女優として語り継がれていた」と書く藤原マキさんの、表現者としてのマグマが垣間見えるところに、この絵日記のユニークさがあるのだと思う。 マキさんが戦時中出雲に疎開していたことには驚いた。その加茂町は私の実家からごく近く、八岐大蛇で知られる斐伊川を隔てた向かい側あたりになる。そのせいか、「マキの懐かしい風景」という章に収められた絵には、私も泣きたくなるような懐かしさを感じて仕方がなかった。土間のある家、かまどが置いてあって、縁側の下にニワトリがいて。小学校の教室のダルマストーブ、暗い木造便所…。胸にしみる。

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2014/03/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

一昔前の生活を描いた日記 つげ義春の奥さん 藤原マキ 長いあとがき 正助が大きくなってから見て、喜ぶんじゃないかなあ、と始めたわけですが、北冬書房の高野さんの目にふれ、出してくださることになったのです。そうなると不思議なもので、それまで楽に描けていたものがだんだん描くのがむつかしくなってきました。それと、家庭の事情も悪化し、内容も当初ものとは少し変わってきました

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