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あの歌詞は、なぜ心に残るのか の商品レビュー

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5件のお客様レビュー

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2024/07/27

中学校の合唱コンクールが迫っていることもあって、みんなで歌う自由曲の歌詞に対する理解を深めるのによさそうな本を探していて見つけた。ほんの少しまえに、同じ著者が書いた『国語を教える文法の底力』を読んだが、やっぱりこの人の「文法について語ること」に対する価値観は、とても面白い。 タ...

中学校の合唱コンクールが迫っていることもあって、みんなで歌う自由曲の歌詞に対する理解を深めるのによさそうな本を探していて見つけた。ほんの少しまえに、同じ著者が書いた『国語を教える文法の底力』を読んだが、やっぱりこの人の「文法について語ること」に対する価値観は、とても面白い。 タイトルは、『あの歌詞は、なぜ心に残るのかーJポップの日本語力』となっているが、どちらかというと、日本語文法の概説をJポップの歌詞を例文にして行なったという印象もある。実際、各章の章立ては、「助詞」「助動詞・補助動詞」「接続表現」「モダリティ」というように、文法の教科書で比較的定番の章立てがされている。あくまでJポップの魅力を解説していこうといった趣は、あまり感じられない。 ただ、そういった「助詞」や「モダリティ」といった文法的な概念を使って解説される一つひとつの歌詞の魅力はすごく面白い。知っている曲も多く、割と印象に残っていたフレーズも、どうして自分の印象に残っていたのか、文法によって説明してもらえた感がすごくある。 これは、『国語を教える〜』とかもそうだったけれど、助詞の機能や分類を体系的につらつらと並べるのではなくて、あくまで、自分たちのよく知っている歌詞を文法という道具立てを使って理解しようというスタンスがすごく好きである。何のための文法なのか、何のための言語研究なのか、そうした意識が、とてもよく表れている。 せっかく知識を得るのだから、その知識は、今まさに目の前にある経験にとって有用なものであってほしい。当然、現実を度外視したうえで、純粋に言語自体の仕組みや法則を探究する面白さはあるし、そうした探究の蓄積が、こういった本の基盤になっている。それでも、実用的な文法の使い方とは、一体どんなものなのかを考えないと、誰からも見向きもされなくなっていってしまうように思う。 文法を、中学校のときにちょっとだけ勉強して、大人になったら忘れるものにしないためのヒントが詰まっている本だと自分は思う。

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2020/06/06

作者がいきものがかりを好きなのか、この時代にいきものがかりが爆発的に売れていたのか、多分両方。 言語学というと堅苦しそうだけど、こういうアプローチはおもしろい。

Posted byブクログ

2021/01/05

国語学の先生がポップをネタに日本語文法を考えたりする、って形だが、第5章「その他の技法」が技法のオンパレード・一覧になっていて役に立つ。しかし怪しいところをいろいろ発見してしまう。

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2014/04/07

「壁ぎわに寝がえりうって 背中できいている」(『勝手にしやがれ』)はなぜ「壁ぎわで」ではいけない? いきものがかりの『風が吹いている』とAKB48の『風は吹いている』にはどんな意味の違いがある? 助詞・助動詞&補助動詞・接続詞などを用いた、日本語特有の細かい表現によって、J-P...

「壁ぎわに寝がえりうって 背中できいている」(『勝手にしやがれ』)はなぜ「壁ぎわで」ではいけない? いきものがかりの『風が吹いている』とAKB48の『風は吹いている』にはどんな意味の違いがある? 助詞・助動詞&補助動詞・接続詞などを用いた、日本語特有の細かい表現によって、J-POPの歌詞には深みが与えられている。 歌詞を通して日本語の細かい使い分けを学ぶ、という試みが実に面白く、様々な再発見もあった。 個人的には、「~てくれる」「~てもらう」「~てあげる」といった恩恵表現を多用することが日本語の大きな特徴である、という著者の分析になるほどと思わされました。

Posted byブクログ

2014/03/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

Jポップ。ただ歌を聴いているだけで、心に残るわけがある。 言語学的にも、Jポップは素晴らしいのだ。

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