その手をにぎりたい の商品レビュー
不動産に勤めるOLの青子が、鮨屋の一ノ瀬さんの握る寿司に 惚れて、通い続ける話。 バブルの時代は知らないけど、読んでて こんな感じでみんな生きてたのかなーなんて思えたよ。 途中で「とらばーゆ」とか「ジュンコシマダ」とか どういう意味かなと思って調べながら読めて、 個人的には楽し...
不動産に勤めるOLの青子が、鮨屋の一ノ瀬さんの握る寿司に 惚れて、通い続ける話。 バブルの時代は知らないけど、読んでて こんな感じでみんな生きてたのかなーなんて思えたよ。 途中で「とらばーゆ」とか「ジュンコシマダ」とか どういう意味かなと思って調べながら読めて、 個人的には楽しめたよ!! 何よりもお寿司が食べたくなった!! 回転寿司で十分な私だけど、いつか一ノ瀬さんのような 回らないお寿司を食べてみたい!! 青子は生きていく中で、途中で環境が異なることで 友人が変化していった。 会社の同僚からホステスのミキちゃんへ…。 そういうことって、今の時代でもあることだと思う。 「…女友達も心がぴたりと合わさる時期があり、 やがてその高まりは少しずつ薄れていく。」 本当にそうだなって思えたよ。 劇的な話はないけど、読んでて落ち着く文章。 他の作品もぜひ読んでみようと思えたよー!!
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ほんとうに美味しいものは、食べると人生も変えてしまう。そういうことは実際あると思う。 例えばずっと特に好きではないと思っていたワインも、ほんとうに美味しいものを飲むと、特別好きな物に変わる。すると知識を付け、舌は肥え、今まで行かなかった場所へ行くきっかけにもなる。それが人生を動か...
ほんとうに美味しいものは、食べると人生も変えてしまう。そういうことは実際あると思う。 例えばずっと特に好きではないと思っていたワインも、ほんとうに美味しいものを飲むと、特別好きな物に変わる。すると知識を付け、舌は肥え、今まで行かなかった場所へ行くきっかけにもなる。それが人生を動かすこともある。 これは東京を去ろうと思っていたOLが、ほんとうに好きな鮨職人と出会い、そのお店へ通う約9年のお話。 その鮨と出会ってしまったことで彼女は東京へ留まることを決意し、その鮨を食べるために稼ぎのいい仕事へ転職し、それまでは思いもよらなかった人生を歩むこととなる。 わたしは柚木さんの書く人間関係の妙が好き。どんな人間でもひとりきりで生きることはできなくて、家族友人恋人となんらかの時間を過ごすことになる。昔からあまり人とうまく付き合えなかったわたしにとって、東京で結局友達も恋人とも関係を保てなかった青子に浦和が言った「僕には濃い人間関係に思えますけどね、実際。始まりがあって、終わりがある。そんなに誰かと深く関わることなんて、あんまり出来ませんよ」という言葉は胸に響いた。 終わった人間関係も、だから悪いってことではないんだよね。 読み終わったあと、これからもどんどん美味しいものを食べようと心に誓った。
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銀座の高級寿司店に10年間通い詰める女性の話。 バブル期、仕事も恋愛も絶好調の主人公。時代の流れと共に仕事も私生活もうまく行かなくなってゆく。密かに想いを寄せていた寿司店の職人との10年間のやりとり、二人のラスト、面白かったです。
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お寿司屋さんとバブル時代のOLの10年。 図書館で作家名からの検索で予約すると、予備知識ゼロで読み始めるので意外な発見を楽しめることに気付いた。本屋さんで買うときはパラパラめくって吟味するもんね。 寿司職人への密かな片想い。片想いではないような、でも確かめることはなく。恋愛要素...
お寿司屋さんとバブル時代のOLの10年。 図書館で作家名からの検索で予約すると、予備知識ゼロで読み始めるので意外な発見を楽しめることに気付いた。本屋さんで買うときはパラパラめくって吟味するもんね。 寿司職人への密かな片想い。片想いではないような、でも確かめることはなく。恋愛要素は漫画のように楽しめた。 あ、オムニバス系か…そっちはイマイチ好きじゃないんだよな、と思ったら、終点のあの子のような、時間が飛ぶけど全体として長編になってる構成でした。楽しめたけど、長編の方がやはり好きだな。 柚木麻子さん食がお好きなのかしら。そして、この小説、バブル時代を実際に過ごした人が読むとどう感じるのかしら。時事ネタがちょいちょい出てきて、でも著者は経験してないんだよな…と思うと気になっちゃう。 私もスシローじゃなくて美味しいお寿司を食べてみたいよ。
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お鮨は得意ではない、むしろ好きではないけど、無性に鮨食いてえ!!となりました。 一ノ瀬さん、ステキ…わたしも手に触れたい。なんて思ったけど、ずっと硬派キャラでいて欲しかった… 最後、ちょっとガッカリ。 それでもやっぱり今は柚木麻子さんの読み物が好きだ。
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バブル好きなので、手に取って読んだ。 でも、やはり当然ながらバブルの頃に書かれたものとは全く違う。 はっきりいって、説明過多。 バブルってこうだったんですよ、こういうところがバブルでしょ、あの頃はこんなのが普通でしたよ、という描写のオンパレードに食傷。 もうちょっと自然に読ま...
バブル好きなので、手に取って読んだ。 でも、やはり当然ながらバブルの頃に書かれたものとは全く違う。 はっきりいって、説明過多。 バブルってこうだったんですよ、こういうところがバブルでしょ、あの頃はこんなのが普通でしたよ、という描写のオンパレードに食傷。 もうちょっと自然に読ませて欲しかった。 というか、もうお寿司のくだりと、そのバブルの説明の二本柱だけで構成されている本で、ストーリーとか主人公の心情なんかは、間を埋めるために無理やり書いてあるような感じだった。
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柚木麻子さんはランチのアッコちゃんみたいなポップな作品もあれば、女子同士のドロドロしたようなちょっと苦しくなるような作品もあり、振り幅が大きい。 本作はモロに後者の方で、バブル期、しかも不動産業界に身を置く、正に狂乱の真っ只中に居た、若くて美しい女性。 だんだん若さと共にいろんな...
柚木麻子さんはランチのアッコちゃんみたいなポップな作品もあれば、女子同士のドロドロしたようなちょっと苦しくなるような作品もあり、振り幅が大きい。 本作はモロに後者の方で、バブル期、しかも不動産業界に身を置く、正に狂乱の真っ只中に居た、若くて美しい女性。 だんだん若さと共にいろんなものを失いはしながらも、逆に自分という確固たるものを手に入れ、心の拠り所としている高級寿司店、そこで寿司を手渡しでくれるぶっきらぼうで純粋な職人。 カウンターを挟んで、時に燃えたぎる気持ちを隠して食べ物を手渡される。すごく官能的でもある。うまい! バブルをある程度知ってる世代からすると、余計に心がざわつくけれど、やはり面白い作品。 今後ももちろん期待してしまう。
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バブルに踊った東京の10年間を1人の女性と変わらない寿司職人の関係を通して描いた小説。 行きつけの店をもてる喜びにあふれた楽しいけれど、すこし悲しい物語だった。
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お互い惹かれていても、結ばれることがなかった二人が最後に手を繋ぐシーンは、胸がいっぱいになりました。 "それが大人の暮らしだ。頭にあるのは常に明日の段取りと他人のことばかり。それを、寂しいだなんて思わない。そうやぅてこれから先も生きていく" ドリカムが&quo...
お互い惹かれていても、結ばれることがなかった二人が最後に手を繋ぐシーンは、胸がいっぱいになりました。 "それが大人の暮らしだ。頭にあるのは常に明日の段取りと他人のことばかり。それを、寂しいだなんて思わない。そうやぅてこれから先も生きていく" ドリカムが"大人の方が恋は切ない、最初から叶わない方が多い"と歌っていたことを思い出しました。 お互いの気持ちが通ったとしても、現実の世界を捨てるわけではない。たとえひととき手を重ねても、その手は離れまた日常に戻っていく。 それでもきっと、二人にとって手を重ねたその一瞬は、永遠に残ることでしょう。
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面白かった。お鮨もとっても美味しそう。でも終盤の彼は心で奥さんを裏切っているようで、主人公も含めて悪びれずに奥さんの存在を無視している感じが嫌だった。子供が産まれる時はどちらも真摯だったのに。
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