大蔵党 の商品レビュー

波多江英紀(著者)

2023/07/18

後漢の末期の阿智王が2400名の一族郎党を引き連れて来日し、帰化して形成された大蔵党が日本の歴史にどう関わってきたのかを知ることができた。赤壁の戦いで諸葛孔明が成し遂げた偉業と同等のものを、大蔵春実は天慶の乱で南蛮の賊徒相手に成し遂げた。その後平家の片棒を担ぎ、清盛亡き後に壇ノ浦の戦いの決定的敗北に至るまで日本史の主要派閥として登場し、戦国時代に至るまで豊前、長門、肥前、肥後、筑前、筑後、日向、備前の国に有力豪族として派閥が栄えた。日本史の外観を復習するとともに、日本史の細部に興味を持つことができた、いい読書だった。