“オリンピックの遺産"の社会学 の商品レビュー
1998年の長野オリンピックとその後の10年を題材に、「オリンピックの遺産」をキーワードとして、スポーツ・メガイベントとしてのオリンピックの正と負の効果を社会学の観点から多角的に分析している。 本書の内容の中で、「第7章 「遺産」としての「一校一国運動」―長野市立徳間小学校の取り...
1998年の長野オリンピックとその後の10年を題材に、「オリンピックの遺産」をキーワードとして、スポーツ・メガイベントとしてのオリンピックの正と負の効果を社会学の観点から多角的に分析している。 本書の内容の中で、「第7章 「遺産」としての「一校一国運動」―長野市立徳間小学校の取り組みを中心に」が特に興味深かった。端緒としては上意下達的な側面が強かった「一校一国運動」であったが、創造的意識を持つ教師の実践により、学校の伝統として継続的に取り組まれる「一校一国運動」に発展したという指摘は、オリンピックのようなメガイベントに一市民としてどう関わっていくかのヒントになると感じた。個人的に、オリンピックのようなメガイベントの開催には総じて否定的であるが、ものは捉えようであり、どうせ開催されるのであれば、創造的に活用するという心意気も必要かもしれないと思わされた。
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