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イブン・ジュバイルとイブン・バットゥータ の商品レビュー

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2024/02/06

保育園で、先生方&東京外大の研究者の皆さんのオススメ本が(なぜか)配布されたので、何となく興味を持って読了。 図書館で借りてみたら100ページもない薄さと、本文のフォーマットが教科書なコト(出版元も山川!)にびっくり。しかし、この教科書的見た目は、すこ〜し読むモチベーションを削ぐ...

保育園で、先生方&東京外大の研究者の皆さんのオススメ本が(なぜか)配布されたので、何となく興味を持って読了。 図書館で借りてみたら100ページもない薄さと、本文のフォーマットが教科書なコト(出版元も山川!)にびっくり。しかし、この教科書的見た目は、すこ〜し読むモチベーションを削ぐような(笑 (本文の上に注記ゾーンがあるあの形式です。すぐ参照できるので便利ではありますが…) 本著であらためてイスラム教の宗教的義務を読むと、なるほどイスラム教自体が所得の再分配機能を持つのだなと思いました。喜捨、巡礼はもちろん、知識・情報を求める旅も含まれているそうで。 そしてそういった旅の旅行記は「リフラ」として記録され、後世の旅行者の参考にされたと。本著、出てくる2人の旅人の年代は200年近く離れているものの、傑出して評価の高いこの両名の旅行記をもとに纏められた1冊です。 本著、行間の広い90ページほどの1冊にもかかわらず、2人の一連の旅の記録、当時のイスラーム世界の交通事情やルート、リフラの変遷、2人の旅のメタ的な分析と盛りだくさんです。 読みとおしてみて、現代においても「ハッジ・フライト」と呼ばれる巡礼用のチャーター便が飛ぶことからわかるように、メッカ巡礼に賭ける熱意の強さを少し理解できたような気がします。 ちなみに、サハラ砂漠横断のキャラバンルートに「フェッザーン」という地名があっておっとなったのですが、例の自治領とは特に関係ないんですかね…(笑

Posted byブクログ